今回のテーマは
文学研究科の筆記試験は何を見ているのか
です。


「書けているのに評価されない」理由

文学研究科の筆記試験について、受験生からよく聞く声があります。

  • 時間内に書き切った
  • 問題文の意図には答えている
  • それなりに論理的に書いたつもり

それでも、評価が伸びない。

原因ははっきりしています。
文学研究科の筆記試験は、「書けたかどうか」を見ていないからです。


文学研究科の筆記試験の本当の役割

まず前提として理解しておくべきことがあります。

  • 知識量を測る試験
  • 正解を当てる試験

ではありません。

役割は一つです。

この人は、研究的に考え、書けるか

これを短時間で確認するための試験です。


筆記試験は「研究の縮図」

文学研究科の筆記試験は、
研究プロセスを極端に圧縮したものだと考えてください。

  1. 問題文(=研究課題)を正しく読む
  2. 論点を整理する
  3. 必要な知識・視点を選ぶ
  4. 論理的に展開する

この一連の流れが、答案にそのまま表れます。


見られているポイント① 問題文を正確に読めているか

  • 問われていないことを書いている
  • 問題文の条件を無視している
  • 自分の知っている話に逃げている

こうした答案は、

研究でも、問いを外すのではないか

と判断されます。

文学研究科では、問いを正確に捉える力が最重要です。


見られているポイント② 論点を整理できているか

良い答案は、

  • 最初に論点が分かる
  • どこで何を論じるかが明確

一方、評価が伸びない答案は、

  • 話題が散らばる
  • 何が主張か分からない
  • 途中で論点が変わる

これは研究計画書でも同じ評価軸です。


見られているポイント③ 知識の「使い方」

重要なのは、

  • 何を知っているか
  • 知識をどう使っているか

です。

  • 用語を並べる
  • 理論名を挙げる
  • 学者名を羅列する

だけの答案は評価されません。

なぜその知識を使うのか、論点にどう関係するのかの説明が必要です。


見られているポイント④ 論理の一貫性

多少の知識不足や細かい誤記よりも、
論理が一貫しているかが重視されます。

  • 主張と根拠がつながっているか
  • 飛躍していないか
  • 結論が自然に導かれているか

「良い答案」に共通する構造

  1. 問題提起(何が問われているか)
  2. 論点整理(どう分けて考えるか)
  3. 本論(具体的な検討)
  4. まとめ(どこまで言えたか)

これはミニ研究論文の構造そのものです。


やってはいけない筆記対策

  • 模範解答を暗記する
  • 知識ノートを増やす
  • とにかく量を書く練習をする

方向がズレると逆効果になります。


正しい筆記対策の考え方

  • 過去問を採点者の視点で読む
  • 問題文の条件を分解する練習
  • 400〜800字で論点をまとめる訓練

特に重要なのは、

書く前に、何を書くかを決める時間

です。


筆記試験と研究計画書はつながっている

文学研究科では、

  • 筆記でできないことは
  • 研究でもできない

と考えられています。


まとめ

文学研究科の筆記試験で見られているのは、

  • 知識量
  • 研究者としての思考の型

問いを正確に捉え、論点を整理し、必要な知識を使って論じる力。
それが短い答案にどれだけ表れているかが評価の核心です。

次回は、
文学研究科における英語・独文・仏文試験の位置づけ
を解説します。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。