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今回のテーマは 経済学研究科の筆記試験は何を見ているのか です。


「解けたのに落ちた」人が一番混乱する試験

経済学研究科の筆記試験について、受験後によく聞く言葉があります。

  • 過去問はそれなりに解けた
  • 手応えはあった
  • でも結果は不合格だった

このとき多くの人は、

もっと難しい問題を解けるようにすべきだった
点数が足りなかったのでは

と考えます。

しかし、経済学研究科の筆記試験で「解けたのに落ちる」ケースの原因は、ほぼ別のところにあります。


筆記試験は「順位付け」の試験ではない

まず押さえておくべき前提があります。

経済学研究科の筆記試験は、

  • 高得点者を順番に並べる
  • 上から合格させる

という性質の試験ではありません。

むしろ役割は、
研究を進める最低条件を満たしているかの確認です。

ここを誤解すると、難問対策やテクニック重視に走り、評価とズレていきます。


経済学研究科の筆記試験が見ている3つの点

筆記試験で見られているのは、次の3点です。

  • 基礎理論を理解しているか
  • 数学・論理を使って考えられるか
  • 研究計画と整合しているか

この3つは、すべて研究につながる力です。


① 基礎理論の理解度

経済学研究科の筆記試験では、ミクロ・マクロ・計量いずれの分野でも、教科書レベルの理解が強く求められます。

重要なのは、丸暗記ではなく、前提条件や意味を説明できるかどうかです。

  • なぜこの条件が必要なのか
  • 何を仮定しているモデルなのか

これが分からないと、研究には進めません。


② 数学は「使い方」を見られている

筆記試験では、微分・最適化・線形代数といった数学が出題されます。

しかし評価されているのは、計算力そのものではありません。

  • なぜこの式変形をするのか
  • 経済的に何を意味しているのか

ここまで理解しているかが、暗黙の評価ポイントです。

計算が合っていても、考え方や意味づけが見えない場合、評価は伸びません。


③ 研究計画との整合性

筆記試験は、書類や面接と切り離されて評価されるものではありません。

教員は、研究計画書で何をやりたいと言っているかと、答案内容を無意識に照らし合わせています。

実証研究をやりたいと言っているのに、基礎理論が不安定な場合、研究としての不安が残ります。


「高得点=合格」ではない理由

筆記で高得点を取れば逆転できる、数学で圧倒すれば評価される、というわけではありません。

筆記がどれだけ良くても、研究計画が弱ければ合格は難しいケースが多いです。

筆記試験は、あくまで土台確認です。


落ちやすい答案の特徴

  • 計算だけで終わっている
  • 前提条件に触れていない
  • 結論が唐突

これらは、研究の思考プロセスが見えない答案と受け取られます。


社会人受験生が特に注意すべき点

社会人受験生の場合、点数よりも姿勢が見られることがあります。

  • 基礎を丁寧に説明している
  • 無理な飛躍をしていない

こうした答案は、研究として堅実と評価されます。


筆記試験対策でやるべきこと・やらなくていいこと

やるべきこと

  • 基礎理論の整理
  • 数学の意味理解
  • 研究計画との接続確認

やらなくていいこと

  • 難問コレクション
  • 裏技暗記
  • 過度なスピード重視

筆記試験は「研究者としての最低ライン」

経済学研究科の筆記試験は、研究ができるかを確認する試験です。

完璧でなくても、基礎が安定していれば十分評価対象になります。


まとめ

経済学研究科の筆記試験で見られているのは、点数ではなく研究に耐えうる基礎力です。

  • 理論を理解しているか
  • 数学を使って考えられるか
  • 研究計画と矛盾していないか

次回は、経済学研究科における英語試験の位置づけを解説します。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。