院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは、法学研究科における指導教員の選び方と注意点です。
「テーマが良いのに通らない」最大の盲点
法学研究科の不合格理由として、
意外と多いのがこのケースです。
- 研究テーマは悪くない
- 計画書の内容も整理されている
- 筆記・面接も致命的な失敗はない
それでも結果は不合格。
このとき見落とされがちなのが、
指導教員との相性・適合性
です。
法学研究科の入試では、
「誰のもとで研究するのか」
が、合否判断に深く関わっています。
法学研究科は「研究室前提」で選抜している
法学研究科は、
学部のような一括入学ではありません。
実質的には、
研究室(指導教員)単位での受け入れ
に近い構造になっています。
そのため教員は常に、
- この研究は自分の専門で見られるか
- 修士2年で指導可能か
- 研究室の方向性と合うか
を意識して書類・面接を見ています。
指導教員選びは「好き嫌い」ではない
受験生からよく聞く言葉があります。
- この先生が有名だから
- この本を読んで感動したから
- 厳しそうだけど憧れる
気持ちは分かりますが、
これだけで選ぶのは非常に危険です。
法学研究科で重要なのは、
研究テーマと専門領域が噛み合っているか
です。
まず確認すべき3つのポイント
指導教員を選ぶ際、
最低限確認すべきポイントは次の3つです。
- 専門分野(条文・分野・方法)
- 最近の研究テーマ・論文
- 指導スタイル・研究室の雰囲気
この3点がズレていると、
どれだけテーマが良くても評価は伸びません。
専門分野は「看板」ではなく「中身」で見る
- 民法
- 憲法
- 刑法
といった大枠だけで判断するのは不十分です。
同じ民法でも、
- 解釈論中心か
- 理論構築型か
- 比較法志向か
によって、
指導可能なテーマは大きく変わります。
「自分の問いを、その先生はどう扱うか」
ここまで具体的に考える必要があります。
落ちやすいパターン①「名前だけ挙げている」
研究計画書でよく見るのが、
指導教員として○○教授を希望する
と書いてあるだけのケースです。
- なぜその先生なのか
- どの研究とどう関係するのか
が書かれていないと、
適当に選んでいる
と判断されます。
評価される書き方の視点
評価されるのは、
- ○○教授の△△に関する研究を踏まえ
- 本研究では□□を検討する
というように、
研究内容との具体的な接続
が見える書き方です。
- 全部理解していなくていい
- 専門用語を並べなくていい
方向性が合っていること
が伝われば十分です。
事前相談・研究室訪問は必須なのか
これは多くの受験生が悩む点です。
結論から言うと、
必須ではないが、武器にはなる
です。
- 事前相談をしたから有利
- していないから不利
という単純な話ではありません。
重要なのは、
- 相談内容が研究的か
- 事前に十分整理されているか
です。
事前相談でやってはいけないこと
事前相談で評価を下げるケースもあります。
- テーマが固まっていない
- 質問が抽象的すぎる
- 「教えてください」姿勢が強すぎる
これでは、
指導が大変そう
という印象を与えてしまいます。
社会人受験生が特に注意すべき点
社会人受験生の場合、
- 実務で有名な先生
- 政策に関わっている先生
を選びたくなる傾向があります。
しかし法学研究科では、
研究指導の相性
が最優先です。
- 実務経験を
- 研究にどう変換するか
を一緒に考えられる先生か、
という視点で選ぶ必要があります。
指導教員との相性は「評価構造」そのもの
ここで非常に重要な点を押さえてください。
法学研究科では、
- 研究テーマ
- 先行研究
- 指導教員
この3つが一体で評価されます。
どれか一つでもズレると、
研究として不安定
と判断されます。
「完璧な相性」は不要
最後に、安心してほしい点があります。
指導教員選びにおいて、
- 完璧に一致する
- 100%理解してもらえる
必要はありません。
重要なのは、
研究の方向性が共有できるか
です。
- 問いの立て方
- 方法の考え方
ここが合っていれば、
研究は十分に進められます。
まとめ
法学研究科における指導教員選びは、
- 好きな先生を選ぶこと
ではなく - 研究が成立する環境を選ぶこと
です。
- 専門分野との適合
- 研究テーマとの接続
- 指導可能性
この3点を意識するだけで、
評価の安定度は大きく変わります。
次回は、
法学研究科の研究室訪問・事前相談はどこまで必要か
を解説します。
ここで、
「行くべき人・行かなくていい人」の違いを
明確にします。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


