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今回のテーマは
理工学研究科の社会人・実務経験者受験の注意点です。
理工学研究科には、
企業での実務経験を経て受験する社会人や実務経験者も多くいます。
一方で、
- 実務経験があるのに評価されない
- 技術力はあるはずなのに不合格になる
というケースも少なくありません。
その原因は、実務経験の“使い方”にあります。
1. 実務経験がそのまま評価されるわけではない
まず押さえておきたいのは、
実務経験があること自体は、合否を保証しないという点です。
理工学研究科の院試では、
- どんな仕事をしてきたか
ではなく - その経験を、研究としてどう位置づけているか
が問われます。
「現場で使われている」「成果を出した」
という説明だけでは、研究評価にはつながりません。
2. 実務経験が評価されない典型ケース
社会人・実務経験者で不合格になりやすい人には、
次のような共通点があります。
- 実務内容の説明が中心になっている
- 成功事例や実績アピールが多い
- 研究課題が業務改善の延長になっている
これは、
研究ではなく業務報告として見られてしまう構造です。
大学院が求めているのは、
「うまくやった話」ではありません。
3. 技術経験を「研究」に変換する視点
実務経験を研究として評価される形に変えるには、
次の視点が必要です。
- 現場で当たり前に使われている前提は何か
- その前提は、理論的にどこまで検証されているか
- 実務では検討されていない点は何か
つまり、
「使われている理由」
「分かっていない部分」
に焦点を当てることで、
実務経験は研究課題へと変換されます。
4. 社会人が詰まりやすい「研究スケール」の問題
社会人受験で特に多いのが、
研究テーマのスケール過大です。
- 現場全体を変えたい
- 実務課題をすべて解決したい
という発想のままテーマを立てると、
修士課程の2年間では到底収まりません。
評価されるのは、
- 実務の一部を切り出す
- 条件を限定する
- 理論的に検討可能な範囲に絞る
といった、研究としての現実的な縮小です。
5. 社会人受験で面接官が見ているポイント
理工学研究科の面接で、
社会人受験生に対して特に見られているのは、
- 実務と研究を切り分けて考えられているか
- 指導を受ける立場に戻れるか
- 研究として学び直す姿勢があるか
という点です。
「実務ではこうしていました」という言い切りは、
研究対話を止めてしまうことがあります。
6. 社会人・実務経験者が評価される状態とは
評価される社会人受験生は、
- 実務経験を問題意識として整理できている
- 研究課題として再構成できている
- 研究者として学び直す姿勢を持っている
という特徴があります。
実務経験は、
強みになるかどうかは設計次第です。
まとめ 実務経験は「研究に変換できて初めて武器になる」
理工学研究科の社会人・実務経験者受験では、
- 経験の量
- 技術力の高さ
そのものが評価されるわけではありません。
その経験を、研究課題としてどう再構成できているか
が、合否を分けます。
実務を語るのではなく、
実務を問い直す。
そこに、社会人受験の評価ポイントがあります。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


