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今回のテーマは
政策・メディア研究科における『研究』と『実践』の正しい関係です。

政策・メディア研究科(SFC院)の受験で、
最も誤解されやすく、同時に最も不合格を生みやすい論点
この「研究と実践の関係」です。


1. 政策・メディア研究科は「実践型大学院」ではない

政策・メディア研究科は、

  • 社会課題を扱う
  • 現場と近い
  • 実践的な研究が多い

といったイメージを持たれがちです。

そのため、

  • 活動してきたこと
  • 現場で成果を出したこと
  • 社会を変えたいという思い

を、そのまま評価してもらえると考えてしまう受験生が少なくありません。

しかし、政策・メディア研究科は実践の発表の場ではありません。
あくまで、大学院として「研究」を行う場所です。


2. なぜ「活動実績がある人ほど」落ちやすいのか

政策・メディア研究科では、

  • NPO・NGO活動
  • 行政・政策現場での経験
  • 起業・プロジェクト運営

といった実務・実践経験を持つ受験生が多くいます。

しかし、そうした人ほど、

  • 自分の活動を肯定的に語りすぎる
  • 結論が先に決まっている
  • 研究として問い直す視点が弱い

という状態に陥りがちです。

これは、
「実践者としては優秀でも、研究者としては未整理」
と見なされてしまう典型例です。


3. 研究と実践の決定的な違い

ここで、研究と実践の違いを明確に整理します。

  • 実践
     → 何をすべきか、どう動くか
  • 研究
     → なぜそうなるのか、何が条件なのか

実践は「答え」を出す行為ですが、
研究は「問い」を立て、検証する行為です。

政策・メディア研究科で求められているのは、
実践を通じて得た経験を、問いとして再構成できるか
という点です。


4. 実践を研究に変換するための3つの視点

実践経験を研究として評価される形に変えるには、
次の視点が不可欠です。

  1. 前提の問い直し
     なぜその方法が有効だと考えられているのか
  2. 条件の限定
     どの状況・文脈で成立しているのか
  3. 比較・検証の視点
     他のケースではどうなのか

これらが入ることで、
実践は研究対象として成立します。


5. 「やりたいこと」と「研究すること」を切り分ける

政策・メディア研究科の受験では、

  • 大学院でこれをやりたい
  • 将来こういう活動をしたい

という話をしてしまいがちです。

しかし研究計画書や面接で重要なのは、

  • 大学院で何を研究するのか
  • 何を明らかにしようとしているのか

です。

将来の活動は、
研究の「動機」にはなりますが、
研究そのものではありません。


6. 政策・メディア研究科で評価される「研究者的態度」

政策・メディア研究科で高く評価されるのは、

  • 実践を絶対視しない
  • 自分の経験を疑ってみる
  • 結論を一度保留できる

といった、研究者としての距離感です。

「現場ではこうだった」という言葉を、
そのまま正解にしない姿勢こそが、
研究適性として評価されます。


まとめ|政策・メディア研究科では「実践を疑える人」が通る

政策・メディア研究科の院試では、

  • 実践してきたこと
  • 社会を良くしたい思い

そのものが評価されるわけではありません。

評価されるのは、

その実践を、研究として問い直せているか

という一点です。

実践を語るのではなく、
実践を対象化する。
そこに、政策・メディア研究科ならではの合否ラインがあります。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。