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今回のテーマは
メディアデザイン研究科とは何を学ぶ研究科なのかです。

メディアデザイン研究科(KMD)について、受験生からよく聞かれるのが次のような声です。

  • デザイン系・芸術系の研究科なのか分からない
  • 作品が作れないと不利なのではないか
  • 何を研究する場所なのか掴みにくい

結論から言うと、
メディアデザイン研究科は「表現を学ぶ研究科」ではありません。
また、制作力を競う場でもありません。


1. メディアデザイン研究科は「制作の学校」ではない

まず押さえておきたいのは、
メディアデザイン研究科は、

  • デザイン技術を教える場所
  • 表現スキルを磨くための学校

ではない、という点です。

もちろん、

  • 映像
  • インタラクション
  • デジタル表現
  • インターフェース

などを扱う学生は多くいますが、
それらは目的ではなく、研究対象や手段です。

評価の中心にあるのは、

  • 何を作れるか
    ではなく
  • メディアを通して、何をどのように考えようとしているか

という点です。


2. 「メディア」とは何を指しているのか

メディアデザイン研究科で言う「メディア」は、
単に映像やデザインツールを指しているわけではありません。

ここでのメディアとは、

  • 情報がどのように伝達されるか
  • 人と人・人と社会がどう関係づけられるか
  • 技術・表現・社会がどう接続されているか

といった、関係性そのものを含んだ概念です。

そのため、

  • 表現論
  • 技術論
  • 社会論

のいずれか一つに寄りすぎると、
研究としては評価されにくくなります。


3. 学部や芸術系大学との決定的な違い

学部や専門学校、芸術大学との最大の違いは、

  • 成果物の完成度
    よりも
  • 問題設定と検討プロセス

が重視される点にあります。

たとえば、

  • なぜその表現形式を選んだのか
  • そのメディアは、どんな前提を持っているのか
  • 他の設計可能性はなかったのか

こうした問いを、
研究として扱えるかどうかが評価されます。


4. メディアデザイン研究科が目指している人材像

メディアデザイン研究科が育てようとしているのは、

  • 優れたデザイナー
  • 表現力の高いクリエイター

だけではありません。

むしろ重視されているのは、

  • メディアの前提を疑える人
  • 表現や技術を構造として捉えられる人
  • 社会との関係を設計し直せる人

です。

これは、
表現者と研究者の中間に立つ視点
と言い換えることもできます。


5. 「自由そう」に見える研究科ほど、設計が問われる

メディアデザイン研究科は、

  • テーマの自由度が高い
  • 分野横断的

とよく言われます。

しかしこの「自由さ」は、

  • 何でも許される
    という意味ではありません。

むしろ、

  • 何を研究として切り出すのか
  • なぜそれを扱うのか

を、自分で厳密に設計できないと成立しない研究科
だと言えます。


6. 研究計画で最初に求められる理解

メディアデザイン研究科を受験するうえで、
最初に求められるのは、

  • 自分は「表現」をやりたいのか
  • それとも「メディアのあり方」を研究したいのか

を、はっきり区別することです。

表現を否定するわけではありませんが、
表現を研究としてどう扱うか
という視点がなければ、評価にはつながりません。


まとめ|メディアデザイン研究科は「メディアを問い直す研究科」

メディアデザイン研究科とは、

  • 表現を学ぶ場所
  • 制作技術を競う場

ではなく、

メディア・表現・技術・社会の関係を、
研究として問い直す研究科

です。

そのため、

  • 作品の有無
  • スキルの高さ

よりも、

  • 問題の捉え方
  • 設計の仕方
  • 研究としての姿勢

が、一貫して評価されます。

この前提を理解できているかどうかが、
メディアデザイン研究科受験の、
最初で最大の分かれ目になります。



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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。