院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する
「慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは
「慶應経済・院試のディプロマ・ポリシー」です。

慶應義塾大学大学院の経済学研究科を目指す方にとって、入試対策というと、研究計画書や面接、専門科目の準備に意識が向きやすいと思います。

もちろん、それらはとても重要です。

ただ、その前に一度考えておきたいことがあります。

それは、大学院を修了したあとに、自分はどのような力を身につけ、どのような方向に進みたいのかということです。

その手がかりになるのが、ディプロマ・ポリシーです。

ディプロマ・ポリシーとは、大学院がどのような力を身につけた人に学位を授与するのかを示した方針です。

入試とは直接関係がないように見えるかもしれませんが、実は研究計画書や志望理由を考えるうえで、とても大切な視点になります。


慶應経済が見据える2つの方向性

慶應義塾大学大学院経済学研究科では、経済現象を適切に分析し、深く考察できる人材の育成が重視されています。

その方向性は、大きく分けると2つあります。

1つは、研究者として経済学の発展に関わる道です。

もう1つは、実務家として社会の課題解決に関わる道です。

研究者を目指す場合は、経済学の理論や分析方法をさらに深め、学問的な貢献をしていくことが求められます。

実務家を目指す場合は、経済学の知識や分析力を使って、政策、企業、金融、シンクタンクなどの現場で課題を解決していくことが期待されます。

どちらが正解というわけではありません。

大切なのは、自分が大学院で学んだことを、将来どのように活かしたいのかを考えておくことです。


研究計画書では「研究の意味」が問われる

研究計画書では、何を研究するのかだけでなく、なぜその研究をするのかも重要になります。

ここで、ディプロマ・ポリシーの視点が役立ちます。

例えば、研究者を目指すのであれば、その研究が既存研究に対してどのような新しい視点を加えるのかを説明する必要があります。

一方で、実務家を目指すのであれば、その研究が現実社会のどのような問題解決につながるのかを示すことが大切です。

同じ研究テーマであっても、将来の方向性によって、伝え方は少し変わります。

たとえば、労働市場をテーマにする場合でも、研究者志向であれば理論や分析手法への貢献を強調できます。

実務家志向であれば、雇用政策や企業の人事施策にどのように活かせるかを説明することができます。

このように、研究の意味を自分の将来像と結びつけることで、志望理由にも一貫性が出てきます。


修士論文に求められる「独自の視点」

慶應経済の修士課程では、所定の単位を取得するだけでなく、修士論文を完成させ、論文審査に合格することが求められます。

ここで重要になるのが、既存研究を十分に理解したうえで、自分なりの視点や分析を示すことです。

つまり、大学院で求められる研究は、単なる感想や問題意識ではありません。

これまでの研究では何が明らかになっているのか。

まだ十分に明らかになっていない点はどこか。

自分はどのような方法で、何を明らかにしたいのか。

こうした流れを整理する必要があります。

入試の段階でも、面接官はこの点を見ています。

この受験生は、入学後に修士論文までたどり着けそうか。

既存研究を読み、自分の問いを深められそうか。

そうした視点で、研究計画書や面接が評価されると考えておくとよいでしょう。


博士課程を考える場合は、さらに高い水準が求められる

将来的に後期博士課程まで考えている方は、さらに高い研究水準が求められることも意識しておく必要があります。

博士課程では、専門分野に新しい知見を加えるような研究が求められます。

また、研究成果を学術論文として発表することも重要になります。

そのため、修士課程の段階から、先行研究を深く読み、研究の問いを丁寧に育てていく姿勢が大切です。

もちろん、入試の時点で博士論文レベルの完成度が求められるわけではありません。

ただし、将来どの方向に進みたいのかを考えておくことで、修士課程で何を学ぶべきかが見えやすくなります。


面接では「修了後の姿」も見られる

面接では、研究テーマだけでなく、将来の方向性について質問されることもあります。

そのときに大切なのは、無理に大きな夢を語ることではありません。

自分の研究と、将来の進路がどのようにつながっているのかを、自然な言葉で説明できることです。

たとえば、政策分野に関心があるのであれば、研究を通じてどのような分析力を身につけたいのか。

企業でデータ分析に関わりたいのであれば、大学院でどのような方法を学びたいのか。

研究者を目指すのであれば、どの分野で問いを深めていきたいのか。

こうしたことを少しずつ整理しておくと、面接でも落ち着いて答えやすくなります。


まとめ|出口を考えると、志望理由が強くなる

ディプロマ・ポリシーは、大学院修了時にどのような力が求められるのかを示すものです。

慶應経済を目指すうえでは、研究者として学問を深めたいのか、実務家として社会課題の解決に関わりたいのかを考えることが大切です。

この視点を持つことで、研究計画書や志望理由に一貫性が生まれます。

大学院入試では、入学したい理由だけでなく、入学後に何を学び、将来どう活かしたいのかも見られます。

まずは、自分の研究テーマが将来の方向性とどのようにつながっているのかを、言葉にしてみてください。

その整理が、慶應経済の院試対策において大きな土台になります。


※本記事は一般的な情報整理の観点から解説しています。最新の入試要項やディプロマ・ポリシー、出願条件などの詳細については、必ず慶應義塾大学大学院の公式サイトをご確認ください。

志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、 無料相談 にお気軽にお申し込みください。


※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。