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今回のテーマは「難波ちづる教授はどんな人なのか」です。


経済史というと、貿易統計や産業革命、経済成長率などをイメージする人も多いかもしれません。

しかし、実際の歴史の現場では、「人の移動」や「自然環境」が社会や経済を大きく動かしてきました。

戦争によって移動を余儀なくされた人々。植民地支配のなかで翻弄された地域社会。そして、人間の思い通りにはならない森林や自然環境。

こうした視点からフランス植民地支配の歴史を研究しているのが、慶應義塾大学経済学部・大学院経済学研究科で教授を務める難波ちづる教授です。

難波教授は、フランス領インドシナを中心に、帝国主義や植民地支配の歴史を「人の移動」と「環境」という切り口から分析している研究者です。

この記事では、難波教授の研究内容や研究室の特徴、どのような学生に向いているのかをわかりやすく紹介していきます。


フランス領インドシナを研究する歴史学者

難波教授の専門分野は、「フランス植民地史」「帝国史」です。

特に、現在のベトナムやカンボジア、ラオスを含む「フランス領インドシナ」の歴史を中心に研究しています。

第二次世界大戦期のインドシナは非常に特殊な地域でした。

当時、フランスによる植民地支配が続く一方で、日本軍も駐留しており、「日仏共同統治」のような複雑な状況になっていました。

難波教授は、この歴史空間のなかで、フランス人、日本人、ベトナム人がどのように関わり合い、どのような支配や対立が生まれたのかを丁寧に研究しています。


「人の移動」に注目した研究

難波教授の研究の大きな特徴の一つが、「人の移動」に注目している点です。

植民地支配は、単に国家同士の問題ではありません。

そこには、移民労働者、兵士、商人、農民など、多くの人々の移動が存在していました。

例えば、戦後フランスに渡ったベトナム人労働者が、その後どのように帰国したのか。植民地と本国の間で、人々はどのような生活を送り、どのような選択を迫られたのか。

難波教授は、こうした「個人の移動」に焦点を当てながら、帝国主義や脱植民地化の歴史を描き出しています。

国家レベルの政治だけではなく、現場で生きた人々の視点を重視している点が、難波教授の研究の魅力です。


「環境史」というユニークな視点

難波教授の研究でもう一つ特徴的なのが、「環境」という視点です。

特に、フランス植民地支配下における森林管理や環境統治について研究しています。

植民地政府は、森林を資源として管理しようとしました。

しかし、その過程では、地域住民の生活圏が制限されたり、土地利用をめぐる対立が発生したりしました。

つまり、自然環境の管理は単なる技術的問題ではなく、「支配」の問題でもあったのです。

難波教授は、森林行政や資源管理を通じて、植民地支配の本質を読み解こうとしています。

これは、現在の環境問題や開発問題にもつながる重要なテーマです。


現代社会にもつながる研究テーマ

難波教授の研究は、決して過去の歴史を振り返るだけではありません。

むしろ、現代社会が抱える問題にも深くつながっています。

例えば、以下のようなテーマです。

  • 難民や移民の問題
  • グローバルな労働移動
  • 環境保護と経済開発の対立
  • 資源管理と地域社会の衝突
  • 植民地主義の歴史認識

歴史を研究することで、現代社会の問題をより深く理解できる。

それが難波教授の研究の大きな特徴です。


フランスで博士号を取得した国際派研究者

難波教授は、慶應義塾大学大学院で学んだ後、フランスのリヨン第2大学大学院へ留学しています。

そこで歴史学の博士号を取得しました。

そのため、フランス語の史料や現地研究にも強く、国際的な視点から植民地史を研究しています。

植民地史や帝国史の研究では、英語だけではなく、フランス語などの語学力も重要になります。

難波教授の研究室を目指す場合、語学への意欲も大切な要素になってくるでしょう。


どんな学生に向いている?

難波教授の研究室に向いているのは、以下のようなタイプの人です。

  • 歴史研究に興味がある人
  • 植民地史や帝国史を学びたい人
  • ベトナムや東南アジアに関心がある人
  • 環境問題を歴史から考えたい人
  • 人の移動や移民問題に興味がある人
  • 史料をじっくり読み込むことが好きな人

また、単なる暗記型の歴史ではなく、「なぜその制度が生まれたのか」「誰が影響を受けたのか」を深く考えたい人に向いています。


研究計画書では何を書くべきか

難波教授を志望する場合、研究計画書では「植民地支配」や「人の移動」、「環境と社会の関係」といったテーマを具体的に掘り下げることが重要です。

例えば、以下のようなテーマが考えられます。

  • 植民地期の移民労働
  • 森林管理と地域社会
  • 帝国主義と環境政策
  • 東南アジアにおける植民地支配
  • 脱植民地化と社会変化
  • 戦時下の人の移動

また、「なぜそのテーマに関心を持ったのか」という問題意識を、自分自身の言葉で説明することも重要です。

単なる知識の整理ではなく、「自分は何を知りたいのか」を明確にする必要があります。


歴史を通じて現代社会を考える

難波教授の研究は、「歴史を学ぶ意味」を改めて考えさせてくれます。

植民地支配、環境問題、人の移動。

これらはすべて、現代社会にもつながるテーマです。

過去を知ることで、現在の問題をより深く理解できる。

そして、人間社会の複雑さを多角的に考えられるようになる。

難波教授の研究には、そうした歴史研究の面白さが詰まっています。


まとめ:「人の移動」と「環境」から歴史を読み解く研究者

難波ちづる教授は、フランス植民地史や帝国史を専門とし、「人の移動」や「環境」という視点から植民地支配の歴史を研究している研究者です。

特に、フランス領インドシナを舞台に、人々の生活や環境統治の実態を丁寧に分析している点が特徴です。

また、歴史を単なる過去の出来事として扱うのではなく、現代社会の課題と結びつけて考えている点も大きな魅力です。

植民地史、環境史、人の移動、東南アジア研究などに興味がある方にとって、非常に刺激的な研究環境だと思います。

興味を持った方は、ぜひ難波教授の論文や研究テーマも調べてみてください。


※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。最新の研究内容や募集要項については、必ず公式サイトをご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。