慶應SFC大学院「環境デザイン・ガバナンス(EG)」研究計画書:現場主義とPBLをアピールするコツ
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今回のテーマは「慶應SFC大学院『環境デザイン・ガバナンス(EG)』研究計画書:現場主義とPBLをアピールするコツ」です。
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科、いわゆるSFC大学院の入試では、研究計画書であるプロポーザルと面接が合否を大きく左右します。特に「環境デザイン・ガバナンス(EG)」領域を志望する場合は、環境問題や都市計画、空間デザインへの関心を、SFCらしい実践的な研究計画として示すことが重要です。
環境やまちづくりに関心がある受験生の中には、「環境問題について調査したい」「都市空間のあり方を研究したい」と考える方も多いかもしれません。しかし、SFCのEG領域では、調査や分析だけでなく、その成果をどのように現場へ返し、社会の仕組みや空間のあり方を変えていくのかまで問われます。
この記事では、EG領域を志望する方に向けて、評価されるプロポーザルの作り方と、面接で伝えるべきポイントを分かりやすく整理します。
EG領域で求められるのは、環境を社会の仕組みとして捉える視点
EG領域では、環境問題、都市計画、地域づくり、建築、交通、エネルギー、災害対策、自然との共生など、幅広いテーマを扱います。ここで大切なのは、環境を単なる自然保護の問題としてではなく、社会制度、生活文化、技術、地域経済、人々の行動と結び付いた複合的な課題として捉えることです。
例えば、気候変動への対応を考える場合でも、温室効果ガスの削減だけでなく、災害に強いまちづくり、住民の避難行動、エネルギー利用、行政と企業の連携、地域コミュニティの合意形成など、多くの要素が関係します。
そのため、プロポーザルでは「環境問題を研究したい」と書くだけでは不十分です。どの地域で、どのような課題があり、誰にとって問題になっているのか。そして、自分の研究によってどのような改善や新しい仕組みを提案したいのかを明確にする必要があります。
合格するプロポーザルに必要な3つの視点
独自のイシュー設定を行う
SFCのプロポーザルでは、問題発見の力が重視されます。与えられた課題を調べるだけではなく、自分自身の経験や現場での気づきから、社会にある課題を見つけ出す姿勢が大切です。
例えば、「地方都市の空き家問題を研究したい」というテーマだけでは、やや広く見えてしまいます。一方で、「空き家が増える地域で、若者や移住者が関わりやすい住まいと地域活動の仕組みを提案する」とすれば、対象、課題、方法、社会的意義が見えやすくなります。
また、「環境教育を研究したい」という場合も、「小中学生が地域の自然環境を自分ごととして捉えるための学習プログラムを、地域団体と連携して実証する」といった形にすると、SFCらしい実践性が出ます。自分がどの現場に関心を持ち、何を変えたいのかを具体的に書きましょう。
現場主義と社会実装の道筋を描く
EG領域では、現場を知らずに研究を進めることは難しいといえます。地域の環境課題や都市空間の問題は、統計や文献だけでは見えないことが多く、実際に現地へ行き、住民や行政、企業、NPOなどの当事者と関わることで初めて見えてくる課題があります。
そのため、プロポーザルには、フィールドワーク、ヒアリング、ワークショップ、実証実験、自治体や地域団体との連携など、現場と接点を持つ計画を入れることが重要です。
さらに、研究成果をどのように社会へ還元するのかまで考える必要があります。政策提言としてまとめるのか、地域で使える仕組みを提案するのか、空間デザインの案として示すのか、アプリや情報システムとして実装するのか。出口まで描くことで、プロポーザルの説得力が高まります。
分野融合の視点を取り入れる
SFCらしい研究計画にするためには、分野融合の視点も欠かせません。EG領域では、環境学や建築、都市計画だけでなく、情報技術、データ分析、政策学、経済学、社会学、デザイン、国際関係などを組み合わせることで、研究の可能性が広がります。
例えば、地域の移動課題を扱う場合は、交通データの分析、住民への聞き取り、都市空間の設計、政策提言を組み合わせることができます。気候変動や災害リスクを扱う場合は、環境データの分析に加え、避難行動や地域コミュニティの合意形成まで視野に入れることができます。
大切なのは、技術や理論をただ並べることではありません。自分の研究課題を解決するために、なぜその分野を組み合わせる必要があるのかを説明することです。分野融合が研究の目的とつながっていることを、プロポーザルの中で丁寧に示しましょう。
面接ではSFCの環境をどう活かすかを語る
書類審査を通過した後の面接では、プロポーザルの内容が深く問われます。特に、「なぜそのテーマなのか」「なぜEG領域なのか」「なぜSFCでなければならないのか」は、必ず答えられるようにしておきましょう。
そのためには、自分の研究テーマと関連するアカデミックプロジェクトや教員の研究内容を事前に調べておくことが大切です。例えば、気候変動、災害リスク、ネイチャーポジティブ、xSDG、スマートモビリティ、建築や都市の新しいあり方など、自分の関心と近い研究活動を確認しておくと、面接での説明に具体性が出ます。
また、グローバル環境システムリーダーコースなど、環境や社会システムに関わる実践的な学びに関心がある場合は、自分の将来像と結び付けて説明するとよいでしょう。将来、行政、企業、NPO、国際機関、地域団体など、どのような場で環境課題の解決に関わりたいのかを語れると、面接での説得力が高まります。
さらに、国内外でのフィールドワークや研究成果の発信を考えている場合は、研究助成制度や国際的な学修環境の活用も視野に入ります。制度名を出すだけではなく、それを自分の研究にどう活かすのかまで説明できるようにしておきましょう。
まとめ
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科の「環境デザイン・ガバナンス(EG)」領域では、環境や都市、地域の課題を、社会制度や人々の行動、技術、デザインと結び付けて考える力が求められます。
合格につながるプロポーザルを作るためには、独自のイシュー設定、現場主義に基づく実践計画、社会実装までの道筋、そして分野融合の具体性を一貫して示すことが重要です。文献調査だけで終わらず、実際の地域や現場に出て、当事者とともに課題解決を進める姿勢を伝えましょう。
自分自身の経験や問題意識を出発点にしながら、SFCだからこそ実現できる研究計画を丁寧に描くことが、合格への大きな一歩になります。環境と社会の未来をどのように変えたいのか、その思いを現実的で説得力のあるプロポーザルに落とし込んでいきましょう。
※入試制度や募集要項、研究領域、教員情報、各種制度は変更される場合があります。出願前には必ず慶應義塾大学大学院の公式サイトおよび最新の募集要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


