慶應SFC院試合格へ!「エクス・デザイン(XD)」志望者向けポートフォリオとプロポーザル対策

院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。

今回のテーマは「慶應SFC院試合格へ!『エクス・デザイン(XD)』志望者向けポートフォリオとプロポーザル対策」です。

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科、いわゆるSFC大学院の入試では、研究計画書であるプロポーザルと面接が合否を大きく左右します。特に「エクス・デザイン(XD)」領域を志望する場合は、プロポーザルに加えて、これまでの制作物や活動をまとめたポートフォリオの見せ方も非常に重要です。

デザイン系の大学院と聞くと、作品の美しさや表現力が重視されるイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、SFCのXD領域で求められるのは、見た目の完成度だけではありません。社会の中にある課題を発見し、デザインの力で新しい仕組みや体験を生み出し、それを現場で検証していく姿勢が求められます。

この記事では、XD領域を志望する受験生に向けて、評価されるプロポーザルの作り方、ポートフォリオで伝えるべき内容、そして面接で意識したいポイントを分かりやすく整理します。


XD領域で求められるのは、社会を変えるためのデザイン

一般的な美術大学やデザイン系大学院では、造形力、表現力、視覚的な美しさ、制作技術などが重視されることがあります。もちろん、XD領域でもデザインの基礎力は大切です。しかし、SFCでより重視されるのは、そのデザインが社会にどのような価値をもたらすのかという視点です。

例えば、プロダクトデザイン、サービスデザイン、空間デザイン、コミュニティデザイン、情報デザイン、UXデザインなどは、すべて人々の暮らしや行動、社会の仕組みと深く関わっています。単に「きれいなものを作る」のではなく、「誰のどのような困りごとを解決するのか」「どのような体験や関係性を生み出すのか」を考える必要があります。

そのため、プロポーザルでは「新しいプロダクトを作りたい」「地域のデザインをしたい」と書くだけでは不十分です。自分が発見した課題、対象となる人や現場、デザインによって生まれる変化まで具体的に示すことが重要です。


合格するプロポーザルに必要な3つの視点

独自のイシュー設定を行う

SFCのプロポーザルでは、問題発見の力が重視されます。与えられたテーマに沿って制作するのではなく、自分自身の経験や観察をもとに、社会の中にある課題を見つけ出す姿勢が必要です。

例えば、「高齢者向けのアプリをデザインしたい」というテーマだけでは、やや一般的に見えてしまいます。一方で、「高齢者が地域活動に参加しづらい背景を調査し、デジタルが苦手な人でも使いやすい参加支援サービスを提案する」とすれば、課題、対象、方法、社会的意義が明確になります。

また、「地域の魅力を発信するデザインをしたい」という場合も、「観光客向けの情報発信」だけでなく、地域住民が自分たちの暮らしを再発見し、外部の人と関わるきっかけをつくる仕組みとして捉えると、よりSFCらしい研究テーマになります。

分野融合の視点を取り入れる

XD領域で評価されるプロポーザルにするためには、デザインだけで閉じないことが大切です。SFCでは、デザインに情報技術、データ分析、心理学、社会学、建築、都市計画、教育、福祉、経営学などを組み合わせる分野融合の視点が重視されます。

例えば、空間デザインにセンサーやIoTを組み合わせて人の行動を分析する、コミュニティデザインに社会調査やデータ分析を取り入れる、UXデザインに心理学や認知科学の知見を活用するなど、さまざまな方法が考えられます。

ただし、技術を入れればよいというわけではありません。大切なのは、自分の研究課題を解決するために、なぜその分野や手法が必要なのかを説明することです。分野融合が目的ではなく、よりよいデザインを実現するための手段であることを、プロポーザルの中で丁寧に示しましょう。

社会実装までのプロセスを描く

SFCの研究では、コンセプトを作って終わりではなく、実際の社会で試し、検証し、改善することが重視されます。XD領域の場合も、アイデアや作品を完成させるだけでなく、現場で使ってもらうところまで考える必要があります。

プロポーザルには、ユーザーへのヒアリング、フィールドワーク、プロトタイプ制作、実証実験、ワークショップ、改善のサイクルなどを具体的に書きましょう。誰に使ってもらい、どのような反応を得て、どのように改善していくのかを示すことで、研究の実現可能性が高まります。

デザインを社会に届けるためには、現場の声を聞きながら試行錯誤する姿勢が欠かせません。そのプロセスまで書けているプロポーザルは、SFCの理念にも合いやすくなります。


ポートフォリオでは完成品よりもプロセスを見せる

XD領域を志望する場合、ポートフォリオは重要な評価材料になります。ここで大切なのは、完成品の美しさだけを見せるのではなく、その作品がどのような問題意識から生まれたのかを説明することです。

各作品について、「なぜ作ったのか」「誰のために作ったのか」「どのようなリサーチを行ったのか」「制作過程で何を改善したのか」「使った人からどのような反応があったのか」を書くと、思考の深さが伝わります。

また、学校の課題作品だけでなく、個人制作、地域活動、インターン、仕事での制作、イベント運営、サービス改善、SNS運用、映像制作なども、研究テーマと関係があれば十分に材料になります。大切なのは、作品数を多く見せることではなく、自分がどのように課題を見つけ、形にし、改善してきたかを一貫して伝えることです。


面接ではSFCの環境をどう活かすかを語る

書類審査を通過した後の面接では、プロポーザルやポートフォリオの内容について深く質問されます。特に、「なぜそのテーマなのか」「なぜXD領域なのか」「なぜSFCでなければならないのか」は、必ず整理しておきましょう。

自分の研究テーマと関連するアカデミックプロジェクトや教員の研究内容を事前に確認しておくことも大切です。日常のなかの創造、身体化デザイン、建築領域の拡張、スマートモビリティなど、自分の関心に近い研究活動を調べておくと、面接での説明に具体性が出ます。

また、プロトタイプ開発や国内外での発表、フィールドワークを考えている場合は、研究支援制度や国際的な学修環境をどのように活用したいかも整理しておきましょう。制度名を出すだけでなく、「自分の研究を前に進めるために、どのように活かすのか」まで語れることが重要です。


まとめ

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科の「エクス・デザイン(XD)」領域では、見た目の美しさだけではなく、社会課題を発見し、デザインを通じて解決へ近づける実践的な姿勢が求められます。

合格につながるプロポーザルを作るためには、独自のイシュー設定、分野融合の視点、社会実装までの計画を一貫して示すことが重要です。さらにポートフォリオでは、完成品だけでなく、課題発見からリサーチ、制作、検証、改善までのプロセスを丁寧に見せることが大切です。

自分自身の経験や制作活動を出発点にしながら、SFCだからこそ実現できるデザイン研究を具体的に描いていきましょう。未来の社会にどのような変化を生み出したいのかを、プロポーザルとポートフォリオの両方で伝えることが、合格への大きな一歩になります。


※入試制度や募集要項、研究領域、教員情報、各種制度は変更される場合があります。出願前には必ず慶應義塾大学大学院の公式サイトおよび最新の募集要項をご確認ください。

志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、 無料相談 にお気軽にお申し込みください。


※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。