【SFC院試対策】「学際日本研究」プロジェクトが求めるインテグレーテッド・ディシプリンとは
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今回のテーマは「【SFC院試対策】『学際日本研究』プロジェクトが求めるインテグレーテッド・ディシプリンとは」です。
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科、いわゆるSFC大学院の入試では、研究計画書であるプロポーザルと面接が合否を大きく左右します。特に「学際日本研究」に関心がある受験生は、日本の文化や歴史、社会について深く学ぶだけでなく、その知見を現代社会の課題とどのように結び付けるのかを示すことが重要です。
日本研究というと、古典文学、歴史資料、思想、宗教、伝統文化などを丁寧に読み解く学問を思い浮かべる方も多いでしょう。もちろん、そうした基礎的な研究は欠かせません。しかし、SFCの「学際日本研究」では、過去を理解することだけで終わらず、その知識を現在や未来の社会にどう活かすのかまで考える姿勢が求められます。
この記事では、「学際日本研究」を志望する受験生に向けて、SFCが重視するインテグレーテッド・ディシプリンの考え方と、評価されるプロポーザルの作り方を分かりやすく整理します。
学際日本研究は、過去を調べるだけの研究ではない
一般的な日本研究では、文学作品や古文書、歴史的な出来事、文化的な慣習などを分析することが中心になります。もちろん、それらを丁寧に研究することには大きな意味があります。
一方で、SFCでは、日本研究の知見を現代社会の課題と結び付ける視点が重視されます。例えば、地域の伝統行事が担い手不足によって失われつつある問題、歴史的建造物の保存と観光開発の両立、伝統工芸の継承、外国人住民との文化的な共生、日本文化の海外発信などは、過去と現在の両方を見なければ考えられないテーマです。
そのため、プロポーザルでは「江戸時代の文化について研究したい」「日本の伝統工芸を調べたい」と書くだけでは不十分です。その研究が、現在のどのような課題と関係し、社会にどのような価値をもたらすのかを明確にする必要があります。
インテグレーテッド・ディシプリンをどう示すか
インテグレーテッド・ディシプリンとは、複数の学問分野を組み合わせ、新しい視点や方法で課題に取り組む考え方です。「学際日本研究」では、人文学だけでなく、情報科学、社会学、都市計画、デザイン、教育学、地域政策、観光、経営などを横断的に組み合わせることができます。
例えば、古文書や文学作品を扱う研究であれば、AIやテキストマイニングを活用して大量の資料から語句や表現の傾向を分析する方法が考えられます。伝統工芸を扱う場合は、デジタルファブリケーションや映像技術を活用し、技術の保存や継承につなげる研究も可能です。
また、地域の祭りや伝統行事を扱う場合は、文化人類学的な調査に加えて、地域政策、観光、コミュニティデザイン、情報発信などを組み合わせることができます。日本の伝統的な共同体の仕組みを、現代のまちづくりや孤立対策に応用する研究も考えられるでしょう。
大切なのは、異分野の要素をただ並べることではありません。自分の研究課題を明らかにするために、なぜその分野や方法が必要なのかを説明することです。分野融合が研究目的と自然につながっていると、SFCらしいプロポーザルになります。
問題発見から始まる研究テーマを作る
SFCのプロポーザルでは、自分自身で課題を発見し、研究として提案する姿勢が重視されます。「好きだから調べたい」という動機だけでなく、現代社会のどのような変化に問題意識を持ったのかを示すことが大切です。
例えば、「地域の伝統行事を研究したい」というテーマを、「少子高齢化によって担い手が不足する地域で、伝統行事を地域外の若者や外国人住民とともに継承する仕組みを提案する」と具体化すると、課題、対象、方法、社会的意義が見えやすくなります。
また、「日本文化の海外発信を研究したい」という場合も、「海外向けの発信で固定的な日本像が作られる過程を分析し、多様な地域文化を伝えるデジタルアーカイブを提案する」とすれば、独自性のある研究計画になります。
面接では、「なぜそのテーマなのか」「既存の日本研究と何が違うのか」を問われる可能性があります。自分の経験や現場での気づきから、具体的な問いを作っておきましょう。
フィールドワークと社会実装を具体的に描く
SFCでは、論文を書いて終わるのではなく、研究成果を社会の中でどう活かすかが重視されます。「学際日本研究」でも、文献調査だけでなく、地域や現場との接点を持つことが大切です。
プロポーザルには、どの地域で調査するのか、誰に話を聞くのか、どのような資料を収集するのかを具体的に書きましょう。地域住民、職人、自治体、NPO、博物館、文化施設、観光事業者など、研究テーマに応じた関係者を想定しておくと、計画に現実味が出ます。
さらに、研究成果をどのような形で社会へ返すのかも考える必要があります。デジタルアーカイブを作るのか、地域でワークショップを行うのか、教育プログラムを提案するのか、政策提言にまとめるのか。出口まで描くことで、実践的な研究計画になります。
面接ではSFCの環境をどう活かすかを語る
書類審査を通過した後の面接では、自分の研究テーマとSFCの環境がどのようにつながるのかを説明する必要があります。「学際日本研究」に参加したい場合は、どのような分野の教員や学生と協働し、自分の研究をどう発展させたいのかを整理しておきましょう。
また、全国各地でのフィールドワークや海外での研究発表を考えている場合は、研究支援制度の活用も視野に入ります。日本を東アジアの中で相対的に捉えたい場合は、海外大学との交流や国際的な学修環境を研究計画に結び付けることもできます。
ただし、制度名を並べるだけでは十分ではありません。その制度を使って何を調べ、どのような成果を生み出したいのかまで説明することが大切です。SFCで学ぶ必然性を、自分の研究計画と一体で語れるよう準備しておきましょう。
まとめ
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科の「学際日本研究」では、日本の文化や歴史を深く理解する力に加えて、その知見を現代社会の課題と結び付ける視点が求められます。
合格につながるプロポーザルを作るためには、人文学だけに閉じず、情報科学、デザイン、地域政策、教育、観光、社会学などを組み合わせたインテグレーテッド・ディシプリンを具体的に示すことが重要です。さらに、自分自身で見つけたイシュー、現場での調査、社会実装までの道筋を一貫して描く必要があります。
過去の日本を調べることを目的にするのではなく、その知見を未来の社会にどうつなげたいのかを丁寧に考えていきましょう。SFCだからこそ実現できる学際的で実践的な日本研究を描くことが、説得力のあるプロポーザルへの第一歩になります。
※入試制度や募集要項、研究領域、アカデミックプロジェクト、教員情報、各種制度の内容は変更される場合があります。出願前には必ず慶應義塾大学大学院の公式サイトおよび最新の募集要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


