【SFC大学院対策】「スマートモビリティ(社会)」面接対策:制度設計を提示するプロポーザル
院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは「【SFC大学院対策】『スマートモビリティ(社会)』面接対策:制度設計を提示するプロポーザル」です。
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科(SFC)の入試では、研究計画書(プロポーザル)と面接が合否を大きく左右します。SFCには約50のアカデミックプロジェクトが設置されており、情報技術、政策、経済、デザイン、環境など、専門分野を越えた研究が日常的に行われています。
その中でも「スマートモビリティ(社会)」は、移動手段そのものではなく、人々が安全で快適に移動できる社会の仕組みや制度、地域づくりを研究するプロジェクトです。
自動運転やAIなどの技術が注目される一方で、それらを社会へ普及させるには法律や制度、地域住民の理解、公共交通との連携など、多くの課題があります。SFCでは、技術だけでは解決できない問題に対して、新しい制度や社会システムを提案できる人材が求められています。
この記事では、「スマートモビリティ(社会)」プロジェクトを志望する受験生に向けて、研究計画書の作成方法と面接で評価されるポイントを詳しく解説します。
「スマートモビリティ(社会)」で求められる視点とは
一般的な大学院では、交通政策、都市計画、公共政策など、それぞれの専門分野ごとに研究が行われることが多くあります。
しかしSFCでは、それらを一つにつなげながら社会全体の仕組みを考えることが重視されます。
例えば、自動運転車が普及するために必要な制度設計、高齢化が進む地域における新しい公共交通のあり方、MaaS(Mobility as a Service)の地域導入、環境負荷を減らす交通政策など、社会全体を見据えた研究が対象になります。
そのため、「交通政策を研究したい」というだけでは十分ではありません。
「どのような社会課題を解決したいのか」「そのためにどのような制度や仕組みを提案するのか」を具体的に示すことが重要になります。
研究計画書で評価される3つのポイント
社会課題を起点にテーマを設定する
SFCではPBL(Project Based Learning)の考え方が教育の中心にあります。
研究テーマも、「制度を研究したい」ではなく、「どのような課題を解決したいか」から考える必要があります。
例えば、「地方で公共交通が維持できない」「高齢者が移動手段を失っている」「都市部で交通渋滞やCO2排出が深刻化している」「観光地で交通混雑が慢性化している」といった具体的な課題を設定しましょう。
その課題を選んだ背景として、自身の経験や社会で感じた問題意識を説明できれば、研究テーマに説得力が生まれます。
制度設計を提案する姿勢を示す
「スマートモビリティ(社会)」では、単なる現状分析だけでは評価されません。
SFCでは、新しい制度や社会システムを提案する姿勢が重視されます。
例えば、自動運転バスの地域導入ルール、行政と民間企業が連携する交通プラットフォーム、高齢者向け移動支援制度、データ共有のルールづくりなど、社会全体を改善する提案を盛り込むことが重要です。
「現状では何が課題なのか」「どのような制度へ改善すべきなのか」「期待される効果は何か」という流れで整理すると、研究計画書が読みやすくなります。
分野融合を意識した研究にする
SFCでは「インテグレーテッド・ディシプリン(分野融合)」が教育の基本理念となっています。
スマートモビリティの研究でも、政策だけで完結することはありません。
AI、IoT、データサイエンス、都市計画、経済学、法学、環境学、デザインなど、多様な専門分野を組み合わせることで、新しい価値が生まれます。
例えば、AIによる交通需要予測を政策へ反映する研究、地域住民の移動データを活用した公共交通の再設計、環境政策と交通政策を統合した地域づくりなどは、SFCらしいテーマと言えるでしょう。
異なる分野を組み合わせる理由まで説明できると、高い評価につながります。
社会実装を見据えた計画を示す
SFCでは、研究成果を論文で終わらせるのではなく、実際の社会で活用することが重視されています。
そのため、研究計画書には実証方法まで具体的に記載しましょう。
例えば、自治体との共同研究、交通事業者との実証実験、住民アンケート、地域ワークショップ、企業との共同プロジェクトなど、現場で検証する計画を盛り込むことが重要です。
制度は実際に運用して初めて課題が見えてきます。そのため、改善を繰り返しながら制度をブラッシュアップしていくプロセスまで示せると、研究の実現可能性が高く評価されます。
面接で伝えるべきポイント
面接では、「なぜスマートモビリティ(社会)なのか」「なぜSFCなのか」が必ず質問されます。
その際、「交通に興味があります」という回答だけでは十分ではありません。
「地方で公共交通が減少する様子を見て危機感を持った」「自治体職員として交通政策に携わる中で課題を感じた」「都市計画を学ぶ中で制度面の重要性を実感した」など、自身の経験と研究テーマを結び付けて説明しましょう。
また、「研究成果をどのように行政や企業へ提案したいか」「将来的にどのような社会を実現したいか」まで具体的に話せると、研究への熱意が伝わります。
SFCの環境をどう活用するか
政策・メディア研究科では、情報科学、政策、環境、経済、デザインなど、多様な専門分野の教員や学生と共同研究を行えます。
スマートモビリティの研究でも、制度設計だけではなく、AIやIoTなどの技術研究を行うプロジェクトと連携しながら研究を進められる点は大きな魅力です。
また、自治体や企業との共同研究、国内外でのフィールドワーク、社会実験など、研究成果を社会へ展開する環境も充実しています。
森基金などの制度を活用すれば、自ら企画したフィールドワークや研究活動への支援を受けられる場合もあります。
面接では、こうしたSFCならではの環境をどのように活用したいかを具体的に説明できるよう準備しておきましょう。
まとめ
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科「スマートモビリティ(社会)」プロジェクトでは、交通システムを研究するだけではなく、人々が安心して移動できる社会の仕組みや制度を提案することが求められます。
研究計画書では、社会課題を起点としたテーマ設定、分野融合による独自性、そして制度を社会へ実装する具体的な計画を示すことが重要です。
また、面接では「なぜその課題を研究したいのか」「SFCだからこそ実現できることは何か」を、自身の経験と結び付けながら説明できるよう準備しましょう。
スマートモビリティは、これからの社会を支える重要なテーマです。SFCの学際的な研究環境を活かし、人々の暮らしをより豊かにする新しい制度や社会システムを提案する研究計画を作り上げ、合格を目指してください。
※入試制度や募集要項、アカデミックプロジェクトの内容、教員情報などは変更される場合があります。出願前には必ず慶應義塾大学大学院の公式サイトおよび最新の募集要項をご確認ください。
志樹舎
では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、
無料相談
にお気軽にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


