【SFC大学院入試】「芸術と科学」合格者の研究計画書に学ぶ、独創性とインテグレーテッド・ディシプリン

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今回のテーマは「【SFC大学院入試】『芸術と科学』合格者の研究計画書に学ぶ、独創性とインテグレーテッド・ディシプリン」です。

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科(SFC)の入試では、研究計画書(プロポーザル)と面接が合否を左右する重要な要素です。SFCには約50のアカデミックプロジェクトがあり、それぞれが専門分野を越えて社会課題の解決に挑戦しています。

その中でも「芸術と科学」プロジェクトは、アートとテクノロジー、人文学と情報科学、デザインと工学など、異なる分野を横断しながら新しい価値を創造することを目指すプロジェクトです。

「芸術を研究したい」という思いだけでは、SFCらしい研究計画書にはなりません。芸術を通して社会にどのような価値を提供するのか、どのような課題を解決したいのかまで示すことが重要です。

この記事では、「芸術と科学」プロジェクトを志望する受験生に向けて、SFCが求める研究計画書の考え方や、面接で評価されるポイントについて詳しく解説します。


「芸術と科学」はアート作品を制作するだけの研究ではない

一般的な芸術系大学院では、作品制作や表現技法の探究が研究の中心となることが多くあります。

一方、SFCの「芸術と科学」では、作品そのものだけでなく、その作品が社会にどのような影響を与え、新しい体験や価値を生み出すのかが重視されます。

例えば、AIを活用した新しい表現、身体の動きとデジタル技術を融合したインタラクティブアート、地域文化を継承するメディアアート、医療や福祉に応用できる芸術表現など、研究テーマは非常に幅広く設定できます。

つまり、「絵を描きたい」「映像作品を作りたい」というテーマではなく、「芸術によってどのような社会課題を解決できるのか」という視点が必要になります。


研究計画書で評価される3つのポイント

社会課題から研究テーマを組み立てる

SFCではPBL(Project Based Learning)の考え方を重視しています。

まず社会の中に存在する課題を見つけ、その課題を芸術的な視点からどのように解決できるのかを考えることが重要です。

例えば、高齢化社会における孤立の解消、障害の有無に関係なく楽しめる芸術体験、地域文化の継承、教育現場における創造性育成などは、芸術と社会が交わる代表的なテーマです。

研究計画書では、「なぜその課題に興味を持ったのか」「自身の経験とどのようにつながっているのか」を具体的に説明すると説得力が高まります。


インテグレーテッド・ディシプリンを意識する

SFCを象徴する考え方が「インテグレーテッド・ディシプリン(分野融合)」です。

芸術と科学プロジェクトでは、この考え方が特に重要になります。

芸術だけではなく、情報科学、AI、ロボティクス、心理学、認知科学、データサイエンス、建築、環境デザインなど、異なる専門分野と組み合わせることで、新しい研究が生まれます。

例えば、AIが生成する映像作品の評価、脳波を利用したインタラクティブアート、VR空間での没入型展示、生成AIを活用した共同制作などは、現在の社会とも親和性が高いテーマです。

「どの分野を組み合わせるのか」「なぜその組み合わせが必要なのか」を論理的に説明できると、SFCらしい研究計画になります。


社会実装まで見据えた研究にする

SFCでは、研究成果を社会へ還元することが重視されています。

芸術作品を制作して終わるのではなく、その成果を地域社会や教育現場、美術館、企業、福祉施設などで実際に活用する計画まで考えることが求められます。

例えば、学校でのワークショップを実施する、自治体と共同で展示会を企画する、企業との共同開発を行うなど、実証実験まで含めた研究計画にすると評価が高まります。

社会実装のプロセスが具体的であるほど、研究の実現可能性も伝わりやすくなります。


面接で評価されるポイント

面接では、「なぜSFCなのか」「なぜ芸術と科学なのか」という質問はほぼ確実に聞かれます。

その際、「芸術が好きだから」という理由だけでは十分ではありません。

芸術を通してどのような社会を実現したいのか、どのような課題を解決したいのかを、自身の経験と結び付けて説明することが重要です。

また、「入学後はどのような研究室やアカデミックプロジェクトと連携したいのか」「どのような技術を身に付けたいのか」「研究成果を誰に届けたいのか」まで具体的に話せるよう準備しておきましょう。

作品制作の経験がある場合は、その作品を通じて何を学び、次の研究へどう発展させたいのかも説明できるようにしておくと好印象につながります。


SFCならではの研究環境を活かす

政策・メディア研究科では、芸術系だけでなく、情報科学、デザイン、環境、医療、社会科学など、多様な分野の教員や学生と共同研究を行うことができます。

また、フィールドワークや企業との共同研究、自治体との連携プロジェクトなど、社会との接点が非常に多いことも特徴です。

さらに、森基金などの制度を活用すれば、自ら企画した研究活動や作品制作、フィールドワークなどへの支援を受けられる可能性があります。

研究室だけで完結するのではなく、多様な専門家と協力しながら社会へ成果を発信できることが、SFCならではの大きな魅力です。


まとめ

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科「芸術と科学」プロジェクトでは、芸術表現そのものではなく、芸術を通して社会課題をどのように解決するかが重要なテーマになります。

研究計画書では、社会課題を起点にしたテーマ設定、インテグレーテッド・ディシプリンによる分野融合、そして社会実装まで見据えた研究プロセスを具体的に示すことが重要です。

また、面接では、自分自身の経験や価値観と研究テーマを結び付け、「なぜSFCでなければならないのか」を自分の言葉で説明できるよう準備しましょう。

芸術と科学は、一見異なる分野のように思えるかもしれません。しかし、その融合から生まれる新しい発想こそが、これからの社会に必要とされています。SFCの自由で学際的な環境を最大限に活用し、あなただけの独創的な研究計画を完成させ、合格を勝ち取りましょう。


※入試制度や募集要項、アカデミックプロジェクトの内容、教員情報などは変更される場合があります。出願前には必ず慶應義塾大学大学院の公式サイトおよび最新の募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。