慶應SFC「建築領域の拡張と融合」院試対策:空間デザインにおける新しいイシューの発見法

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今回のテーマは「慶應SFC『建築領域の拡張と融合』院試対策:空間デザインにおける新しいイシューの発見法」です。

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科(SFC)の入試では、研究計画書(プロポーザル)と面接が合否を大きく左右します。SFCには約50のアカデミックプロジェクトが設置されており、それぞれが分野の枠を超えた研究を推進しています。

その中でも「建築領域の拡張と融合」は、建築を単なる建物の設計として捉えるのではなく、人・社会・テクノロジー・環境との関係まで含めて考えるプロジェクトです。

建築学科出身でなければ挑戦できないと思われがちですが、SFCでは多様な専門分野を持つ学生が集まり、新しい価値を創造することが期待されています。そのため、社会人や異分野出身者にも十分チャンスがあります。

この記事では、「建築領域の拡張と融合」を志望する受験生に向けて、研究計画書の作り方や面接で評価されるポイントについて詳しく解説します。


建築を「建物」ではなく「社会の仕組み」として考える

一般的な建築系大学院では、構造設計や意匠設計、都市計画など、それぞれの専門分野を深く学ぶことが中心になります。

一方、SFCでは建築をもっと広い視点で捉えます。

建物そのものではなく、人々の暮らしやコミュニティ、環境、情報技術、移動、医療、防災など、多様な分野と建築を組み合わせながら新しい空間の価値を創造することが重視されています。

例えば、人口減少時代の地域づくり、スマートシティ、災害に強い都市、ウェルビーイングを高める空間設計、AIを活用した建築デザインなど、研究対象は非常に幅広く設定できます。

つまり、「建物を設計したい」だけではなく、「空間を通じて社会課題をどのように解決するか」を考えることが重要になります。


研究計画書で評価される3つのポイント

社会課題からイシューを見つける

SFCではPBL(Project Based Learning)の考え方が教育の中心にあります。

そのため、研究計画書でも最初に求められるのは、社会の中に存在する課題を自ら発見する力です。

例えば、空き家問題、高齢化による地域コミュニティの衰退、観光地のオーバーツーリズム、災害時の避難環境、子育て世代が暮らしやすい街づくりなど、建築と深く関わる課題は数多く存在します。

重要なのは、「建築を研究したい」ではなく、「この社会課題を建築や空間デザインを通じて解決したい」という順番で研究テーマを組み立てることです。

自身の経験や問題意識と結び付けながらテーマを設定すると、研究の説得力が高まります。


インテグレーテッド・ディシプリンを意識する

SFCの特徴は、「インテグレーテッド・ディシプリン(分野融合)」という考え方です。

建築だけを学ぶのではなく、情報科学、データサイエンス、環境工学、心理学、デザイン、経済学、政策学など、さまざまな分野を組み合わせて研究を進めます。

例えば、IoTを活用したスマートビル、AIによる都市解析、VRを用いた建築シミュレーション、人流データを活用した都市計画、バイオフィリックデザインによる健康促進などは、SFCらしいテーマといえるでしょう。

「建築×AI」「建築×福祉」「建築×教育」「建築×防災」など、複数分野を横断する視点を研究計画書に盛り込むことで、SFCとの親和性を示すことができます。


社会実装まで描くことが重要

SFCでは、研究成果を論文だけで終わらせることは求められていません。

実際の社会で活用され、人々の生活を改善することが大切です。

そのため、研究計画書では「どのように検証するか」「誰と連携するか」「研究成果をどのように社会へ展開するか」まで具体的に示す必要があります。

例えば、自治体との共同プロジェクト、企業との実証実験、地域住民へのアンケートやワークショップ、建築模型やVRによる検証など、具体的な方法を書くことで実現可能性が高まります。

現場との接点を持つ研究であることを示せると、SFCらしい研究計画になります。


面接で評価されるポイント

面接では、「なぜSFCなのか」という質問が高い確率で聞かれます。

建築を学ぶのであれば建築専門の大学院も数多くあります。その中で、なぜSFCを選ぶのかを説明できなければなりません。

その際は、「建築だけでなく情報科学や政策、環境分野とも連携できる環境だから」「社会実装を重視した研究を行いたいから」といったSFCならではの特徴を踏まえて説明すると説得力が増します。

また、「どのような教員やプロジェクトと協力したいのか」「研究成果を将来どのような仕事に生かしたいのか」まで具体的に話せるよう準備しておくことが重要です。

研究テーマについて質問された際には、社会課題、研究方法、期待される成果まで一貫して説明できるよう練習しておきましょう。


SFCならではの研究環境を活用する

政策・メディア研究科では、建築だけでなく、環境、情報、デザイン、医療、ロボティクスなど、多様な専門分野の研究者と共同研究を行うことができます。

さらに、企業や自治体との共同研究、国内外でのフィールドワーク、インターンシップなど、社会と接点を持ちながら研究を進められることも大きな魅力です。

森基金などの支援制度を活用すれば、自ら企画したフィールドワークや研究活動、国際学会での発表などに対して支援を受けられる可能性もあります。

こうした環境を研究計画書や面接でどのように活用したいかを具体的に示すことで、入学後の研究イメージを明確に伝えることができます。


まとめ

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科「建築領域の拡張と融合」プロジェクトでは、建築技術そのものではなく、建築を通じて社会課題を解決する視点が求められます。

研究計画書では、現代社会のイシューを明確に設定し、建築と他分野を融合させるインテグレーテッド・ディシプリンの考え方を取り入れ、さらに社会実装まで見据えた研究プロセスを具体的に示すことが重要です。

面接では、「なぜSFCなのか」「なぜこの研究テーマなのか」を自分の経験と結び付けながら、自分の言葉で説明できるよう準備しましょう。

建築は、人々の暮らしや社会の未来を形づくる重要な分野です。SFCならではの自由な発想と分野融合の環境を活かし、未来の空間や都市を創造する、あなただけの研究計画を完成させてください。


※入試制度や募集要項、アカデミックプロジェクトの内容、担当教員などは変更される場合があります。出願前には必ず慶應義塾大学大学院の公式サイトおよび最新の募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。