慶應SDM志望理由書の書き方|研究科の理念と自分の目標をどう結びつけるか

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今回のテーマは「慶應SDM志望理由書の書き方|研究科の理念と自分の目標をどう結びつけるか」です。


慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科、通称慶應SDMへの出願準備において、多くの受験生が悩むのが志望理由のまとめ方です。

これまでの経歴や将来の夢を書くだけでは、慶應SDMを志望する理由として十分とはいえません。自分がどのような課題に問題意識を持ち、その課題を解決するために、なぜ慶應SDMの学びが必要なのかを一貫した流れで説明することが求められます。

特に重要なのが、慶應SDMの特徴であるシステム思考やデザインに関する考え方と、自分の研究目的を無理なく結びつけることです。研究科の言葉を並べるのではなく、自分の経験に引き寄せて説明できるようにしましょう。


最初に慶應SDMの理念を自分なりに理解する

志望理由を書く前に、慶應SDMがどのような人材を育てようとしているのかを確認する必要があります。

公式サイトに掲載されている研究科の理念、コンセプト、3つのポリシー、育成する学生像などを読み、共通している考え方を整理しましょう。

慶應SDMの学びでは、目の前の一部分だけを見るのではなく、人、組織、技術、制度、環境などの関係を含めて、課題を全体から捉える視点が重視されています。

また、現状を分析するだけで終わるのではなく、利用者や関係者の立場を踏まえ、新しい仕組みや価値を生み出し、それを実現へつなげていく姿勢も重要です。

ただし、志望理由書に「システム思考とデザイン思考を学びたい」と書くだけでは、ほかの受験生との差は生まれません。なぜ自分の課題にその考え方が必要なのかまで説明する必要があります。


自分の経験から問題意識を掘り起こす

説得力のある志望理由は、自分自身の経験から始まります。

社会人であれば、仕事の中で感じた課題、既存の方法では解決できなかった経験、複数の部署や関係者との調整で苦労した経験などを振り返ってみましょう。

学生であれば、大学での学び、ゼミ、卒業研究、インターンシップ、課外活動などを通じて、どのような疑問や課題意識を持ったのかを整理します。

例えば、「新規事業がなかなか進まなかった」という経験がある場合、単に自社の問題として書くのではなく、技術、経営判断、組織文化、顧客理解などが複雑に関係する問題として捉え直します。

自分の経験を出発点にしながら、ほかの企業や社会にも共通する研究課題へ広げることで、大学院で扱う意味が生まれます。


従来の方法では解決できない理由を説明する

志望理由書では、なぜ慶應SDMで学ぶ必要があるのかを示さなければなりません。

そのためには、自分が抱える課題について、現在の知識や従来の方法だけでは解決できない理由を整理することが重要です。

例えば、業務効率化を目的に新しいシステムを導入しても、利用する人の意識や組織のルールが変わらなければ、期待した効果が得られない場合があります。

この場合、技術的な改善だけでなく、組織、人間行動、費用、運用方法などを含めて全体を考える必要があります。その課題の複雑さを説明した上で、慶應SDMの学際的な学びが必要であるとつなげると、志望理由に納得感が生まれます。


研究科の理念をそのまま書き写さない

公式サイトに掲載されている理念やポリシーは、志望理由書を考える上で重要な資料です。しかし、文章をそのまま引用したり、表現を少し変えて並べたりするだけでは、自分の考えは伝わりません。

大切なのは、理念のどの部分が自分の問題意識と関係しているのかを説明することです。

例えば、「多様な関係者と協働する力」に共感したのであれば、これまでの経験の中で、専門性や立場の異なる人と協力する必要性を感じた具体的な場面を示しましょう。

研究科の理念、自分の経験、今後の研究という3つを結びつけることで、慶應SDMでなければならない理由が伝わります。


志望理由書の基本的な構成

志望理由書は、問題意識、これまでの経験、慶應SDMを志望する理由、入学後の研究、修了後の目標という順番でまとめると、内容が伝わりやすくなります。

最初に、自分がどのような課題を解決したいと考えているのかを明確にします。次に、その問題意識を持つようになった経験や背景を説明します。

続いて、その課題がなぜ一つの専門分野だけでは解決できないのかを示し、慶應SDMの考え方や教育環境が必要であることを伝えます。

その上で、入学後に何を研究し、どのような方法で課題を明らかにしたいのかを説明します。最後に、研究成果を修了後の仕事や社会へどのように活かしたいのかを記載しましょう。


入学後に何を学びたいかを具体化する

志望理由書では、「幅広く学びたい」「実践力を身につけたい」といった抽象的な表現を避けることが大切です。

教員の研究内容、担当授業、ラボや研究プロジェクト、特色ある講義などを確認し、自分の研究に必要な学びを具体的に整理しましょう。

ただし、授業名や制度名を並べるだけでは十分ではありません。その授業や研究環境を活用して、何を身につけ、研究のどの部分に活かしたいのかまで説明します。

希望する教員についても、単に専門分野が近いからではなく、どの研究方法や知見が自分の研究に必要なのかを示すことが重要です。


将来の目標は研究成果とつなげる

修了後のキャリアについて書く場合は、「転職したい」「昇進したい」「起業したい」という個人的な希望だけで終わらせないようにしましょう。

慶應SDMでの研究を通じて何を明らかにし、その成果をどのような現場や社会課題に活かしたいのかを説明します。

例えば、新規事業を進める組織の意思決定を研究する場合は、研究成果を活用して、企業内で挑戦しやすい仕組みをつくりたいという将来像につなげられます。

研究テーマ、大学院での学び、修了後の目標が一本の線でつながっていることが、説得力のある志望理由書の条件です。


事前コンタクトとの一貫性を保つ

慶應SDMでは、出願にあたって教員との事前コンタクトが必要です。事前コンタクトで伝えた研究テーマや志望理由と、出願書類の内容に大きな違いがないよう注意しましょう。

事前コンタクト申込みフォームでは希望教員を1名選択しますが、送信内容は専任教員全員に共有されます。

複数の教員へ連絡する場合も、中心となる問題意識や研究目的は一貫させ、その教員に相談したい理由だけを具体的に分けて説明することが大切です。

また、教員からの返信には時間がかかる場合があります。志望理由書が完全に完成するまで待つのではなく、骨子ができた段階から事前コンタクトの準備を進めましょう。


避けたい志望理由書の例

慶應義塾大学の知名度や人脈だけを志望理由の中心にすることは避けましょう。また、「システム思考を学びたい」「社会に貢献したい」といった抽象的な表現だけでは、本人の問題意識が伝わりません。

これまでの経歴を長く説明する一方で、研究テーマとの関係が示されていない文章も注意が必要です。

志望理由書は経歴を紹介する書類ではなく、これまでの経験が、なぜ現在の問題意識と研究目標につながったのかを説明する書類です。

また、慶應SDMで学びたい内容だけでなく、自分の経験や専門性を研究科の学びにどのように活かせるのかという視点も持つとよいでしょう。


まとめ

慶應SDMの志望理由書では、自分の経験、問題意識、研究科の理念、研究テーマ、将来の目標を一貫した流れで結びつけることが重要です。

まずは、自分が現場や学びの中で感じた課題を具体的に整理しましょう。その上で、なぜ従来の方法だけでは解決できず、慶應SDMの学際的な視点が必要なのかを説明します。

研究科の理念をそのまま書き写すのではなく、自分の経験に引き寄せ、自分の言葉で表現することが大切です。

入学後に何を研究し、その成果を社会へどのように還元したいのかまで具体化できれば、慶應SDMを志望する必然性が伝わる文章になります。

事前コンタクトやほかの出願書類との一貫性も確認しながら、何度も推敲を重ねて仕上げましょう。


注意事項:本記事は、慶應SDMの志望理由書を作成する際の一般的な考え方を含めて作成しています。出願書類の名称、様式、文字数、記載内容、事前コンタクトの方法、教育方針、教員の研究内容などは変更される場合があります。受験準備を進める際は、必ず慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の公式サイト、最新の入学試験要項、各種提出書類および教員情報をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。