合格者が語る「KMD入試対策の心構え」|不安をワクワクに変えて準備を楽しむために

院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。今回のテーマは「合格者が語る『KMD入試対策の心構え』|不安をワクワクに変えて準備を楽しむために」です。

これまで全40回にわたり、KMD(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)の基本理念から、入試制度、出願書類、英語対策、面接、リアルプロジェクト、学生生活、キャリアまで、さまざまな角度から解説してきました。

ここまで情報を集めると、逆に「準備することが多すぎる」「自分に本当に合格できるのだろうか」と不安になる方もいるかもしれません。

しかし、KMD入試で大切なのは、情報をすべて暗記し、完璧な受験生になることではありません。最後に改めて、自分自身がなぜKMDへ行きたいのか、何を実現したいのかを自分の言葉で語れる状態をつくることが重要です。


KMD入試は「知識量だけ」で決まるものではない

KMDの受験準備を始めると、募集要項、英語スコア、Statement of Purpose、Creative Challenge、面接対策など、確認しなければならない項目が次々と出てきます。

もちろん、それぞれを丁寧に準備することは必要です。しかし、対策項目を埋めること自体が目的になってしまうと、肝心の「自分は何をしたいのか」が見えにくくなることがあります。

KMDは、テクノロジー、デザイン、ビジネス、社会などを横断しながら、新しい価値を生み出すことを目指す研究科です。

そのため、受験生自身が何に問題意識を持ち、どのような未来をつくりたいのかを考えることが、入試対策の中心になります。


「正解を当てよう」としすぎない

受験になると、「KMDが求めている正解を書かなければ」「面接官が喜ぶ答えを言わなければ」と考えてしまいがちです。

しかし、研究テーマや将来像に唯一の正解があるわけではありません。

たとえば、同じ社会課題に関心を持っていても、技術から解決したい人、デザインから考えたい人、ビジネスや制度の側面から取り組みたい人がいます。

大切なのは、「KMDらしい答え」を無理につくることではなく、自分の経験や問題意識を掘り下げた結果として、なぜKMDの環境が必要なのかを説明することです。

誰かの合格体験をそのまま真似するのではなく、自分の言葉で語ることを意識しましょう。


英語への不安は早めに行動へ変える

KMDを目指す方の中には、英語について強い不安を感じている方も多いでしょう。

英語面接、英文の出願書類、入学後の授業や研究活動などを考えると、「自分には難しいのでは」と感じることもあるかもしれません。

ただ、不安を抱えたまま何もしないことが一番もったいないところです。

まずは自分の研究テーマを30秒で英語説明してみる、英語論文を毎日少しずつ読む、想定質問に簡単な英語で答えるなど、小さなところから始めてみましょう。

最初から完璧に話せる必要はありません。できなかった部分が分かれば、次に何を練習すればよいかが見えてきます。


出願書類づくりは「自分の棚卸し」の時間

Statement of Purposeや実績書を作成する作業は、単に提出書類を完成させるためだけのものではありません。

これまで何を経験してきたのか、どのような場面で違和感を持ったのか、何に面白さを感じてきたのかを振り返る機会でもあります。

社会人であれば、日々の業務の中で当たり前だと思っていた経験が、研究テーマの出発点になることがあります。学生であれば、卒業研究やサークル、インターンシップなどから、自分の関心の軸が見えてくるかもしれません。

書類を書く中で「自分は本当はこれに関心があったのか」と気づくこともあります。

入試対策を、自分のキャリアや価値観を見直す時間として活用してみてください。


面接は「答え合わせ」ではなく対話

面接に対して、「間違ったことを言ったら落ちる」と必要以上に身構える方もいます。

もちろん、研究テーマや志望理由について準備することは必要ですが、すべての質問に完璧な答えを用意することはできません。

自分が想定していなかった研究、別の視点、新しい問題点を指摘されることもあるでしょう。

そのときに大切なのは、無理に正解をつくることではなく、相手の質問を受け止め、自分なりに考えて返すことです。

面接官からの質問によって、自分の研究の弱い部分に気づくこともあります。「そんな考え方もあるのか」と感じられる余裕を持つことができれば、面接そのものを前向きな対話として捉えやすくなります。


不安はゼロにしなくていい

「準備が完璧になったら出願しよう」と考えていると、いつまでも準備が終わらないことがあります。

英語力をもっと伸ばしたい、研究テーマをもっと深めたい、面接回答をもっと改善したい。受験直前まで、気になることは必ず残ります。

大切なのは、不安がなくなることではなく、「不安はあるけれど、自分なりに準備してきた」と思える状態をつくることです。

不安を感じること自体は、準備不足の証拠ではありません。それだけ真剣に進学を考えているからこそ、不安になることもあります。

不安が出てきたら、「では今日何をひとつ進めるか」と行動へ置き換えてみましょう。


「KMDに受かること」を最終目的にしない

KMDへの合格は大きな目標ですが、その先には2年間の大学院生活があります。

入学すれば、授業、リアルプロジェクト、英語での議論、研究、中間発表など、新しい課題が始まります。

だからこそ、受験中から「合格した後に何をしたいか」を考えておくことが大切です。

どのようなリアルプロジェクトに関心があるのか、誰と研究したいのか、どのような社会課題に向き合いたいのか、修了後はどのような仕事や活動につなげたいのか。

こうした未来を具体的に考えるほど、入試準備も単なる作業ではなくなります。


不安より「入学したらやりたいこと」を増やす

KMD入試を前向きに乗り切るコツのひとつは、「不合格だったらどうしよう」と考える時間より、「入学したら何をしよう」と考える時間を増やすことです。

気になるリアルプロジェクトを調べる、KMD Forumの研究成果を見る、修了生のStoriesを読む、海外プログラムを調べるなど、入学後の可能性を知ることで、受験へのモチベーションも変わってきます。

「英語面接を乗り越えなければならない」から、「この環境で海外の学生と研究するために英語を使えるようになりたい」と考えられれば、同じ勉強でも意味が変わります。

自分の中で「KMDに行ったら面白そうだ」と思える材料を増やしていきましょう。


一人で考え続けて行き詰まったら他者の視点を借りる

研究計画や志望理由は、自分自身で考えることが基本です。しかし、一人だけで長く考えていると、自分では分かりやすいと思っている文章が他人には伝わらなかったり、論理の飛躍に気づけなかったりします。

そのようなときは、友人や家族など専門外の人に説明してみる方法もあります。

また、研究テーマの整理、出願書類、英語面接など、専門的な対策で行き詰まった場合には、志樹舎のような大学院入試を専門とする予備校を活用することも選択肢のひとつです。

大切なのは、誰かに答えをつくってもらうことではなく、第三者からの質問やフィードバックを通じて、自分の考えをさらに深めることです。


受験準備そのものがKMDでの学びにつながっている

ここまでの40回で扱ってきた内容を振り返ると、KMDの入試対策で必要とされる力は、入学後にもそのまま使われることが分かります。

社会的意義を考えること、新規性を検討すること、研究を2年間の計画に落とし込むこと、他者からの指摘を受けて計画を修正すること、自分の研究を英語で説明すること。

これらはすべて、実際の研究活動でも必要になる力です。

つまり、KMDの入試準備は、合格発表の日までのためだけに行うものではありません。すでにKMDで研究するための基礎トレーニングが始まっていると考えることもできます。

そう考えると、志望理由書の書き直しや模擬面接も、少し違って見えてくるのではないでしょうか。


まとめ

KMD入試では、英語、研究テーマ、出願書類、面接など、準備しなければならないことが多くあります。そのため、不安になるのは自然なことです。

しかし、すべての不安をなくしてから受験する必要はありません。

大切なのは、自分の問題意識を少しずつ深め、KMDで何をしたいのかを自分の言葉で語れる状態へ近づけていくことです。

入試対策を単なる合否のための作業として捉えるのではなく、自分のこれまでを振り返り、これからやりたいことを見つけ、研究テーマを育てていく時間として活用してみてください。

「受かるために仕方なく準備する」のではなく、「KMDでこんな研究をしてみたいから準備する」と考えられるようになると、受験への向き合い方も変わってきます。

ここまで積み重ねてきた準備を信じながら、一つずつ進めていきましょう。2027年度入学を目指す皆さんが、自分らしい研究テーマと志望理由を持ってKMD入試に挑戦できることを願っています。


※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。本記事で紹介した内容はKMD入試の合格を保証するものではなく、実際の出願書類、選考方法、面接形式、英語要件、カリキュラム、リアルプロジェクトなどは年度や入試期によって変更される場合があります。また、合格者・在学生・修了生の経験は個人によって異なります。受験を検討される際は、必ず慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の公式サイトおよび最新の募集要項をご確認ください。

志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、 無料相談 にお気軽にお申し込みください。


※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。