
慶應SDMの神武直彦教授とは ― 街づくりから宇宙まで、社会技術システムをデザインする第一人者
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今回のテーマは「慶應SDMの神武直彦教授とは ― 街づくりから宇宙まで、社会技術システムをデザインする第一人者」です。
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科、いわゆる慶應SDMには、宇宙、教育、医療、防災、スポーツ、地域社会など、さまざまな分野を対象とする研究者が所属しています。その中でも神武直彦教授は、非常に幅広い社会課題を扱っている教員の一人です。今回は、神武教授の経歴や研究領域を整理しながら、どのような問題意識を持つ受験生と接点があるのか、研究計画や事前コンタクトでは何を意識するとよいのかを紹介します。
JAXAやESAでの経験を持つ神武直彦教授

神武直彦教授は、JAXAである宇宙航空研究開発機構やESAである欧州宇宙機関での経験を持つ研究者です。さらに、スタンフォード大学デザインリサーチセンターの招聘教授を歴任するなど、国内外で幅広い活動を行ってきました。論文賞やグッドデザイン賞などの受賞歴もあります。
一方で、神武教授の経歴は宇宙分野だけにとどまりません。慶應義塾横浜初等部長を務めた経験もあり、教育の現場にも深く関わってきました。宇宙開発のような高度な技術領域と、学校教育のように人や社会との関係が中心となる領域の双方を経験していることは、研究対象の幅広さにもつながっています。
そのため、神武教授について調べる際は、宇宙分野の研究者という一面だけを見るのではなく、さまざまな社会課題にシステムズエンジニアリングの考え方を応用している研究者として捉えることが大切です。
街づくりから教育、スポーツ、防災まで広がる研究

神武教授の専門は、自然科学と社会科学を融合させたシステムズエンジニアリングをもとに、社会技術システムについて考えることです。研究対象は非常に幅広く、街づくり、宇宙システム、イノベーション、医療、教育、コミュニティ、スポーツ、都市計画、防災情報、ユーザーエクスペリエンス、IoT、DXなど、多岐にわたります。
これほど多くの分野を扱っていると、それぞれが別の研究のように見えるかもしれません。しかし、根底には共通した考え方があります。それは、一つの技術や一人の利用者だけを見るのではなく、人、組織、技術、情報、制度などの関係を一つのシステムとして捉え、課題を考えていくことです。
例えば防災であれば、防災情報を発信する仕組みだけを考えても十分ではありません。自治体、地域住民、情報を伝える媒体、避難行動など、複数の要素がどのように関係するかを見る必要があります。教育についても、教材やICTだけではなく、子ども、教員、保護者、学校組織などの関係まで視野に入れることができます。このように対象を広く捉える点が、神武教授の研究を理解するポイントです。
宇宙で培われた考え方を社会課題へ応用する
神武教授の研究の特徴として、宇宙分野で培われてきたシステムズエンジニアリングの手法を、身近な社会課題にも応用している点が挙げられます。宇宙開発では、多くの技術や組織が関わる中で、全体の目的を明確にし、それぞれの要素がどのように関係するのかを考えながらプロジェクトを進める必要があります。
この考え方は、地域社会や教育、スポーツ、医療などにも応用できます。例えば、地域活性化を考える場合でも、新しい施設やサービスをつくることだけが答えではありません。行政、住民、企業、利用者など、それぞれの立場や目的を整理しながら、地域全体としてどのような状態を目指すのかを考える必要があります。
神武教授はスポーツ庁や自治体との連携プロジェクトなど、産官学が関わる取り組みにも携わってきました。複数の組織や立場を持つ人が関わる課題を扱ってきた経験があるため、地域社会や公共分野、企業間連携などに関心のある受験生も、自分の経験との接点を見つけられる可能性があります。
複数分野にまたがる研究を考える人との相性

神武教授の研究領域の幅広さは、受験生にとって研究テーマを考える際の大きなヒントになります。特に、一つの学問分野だけでは扱いにくい課題に関心を持っている方は、研究内容を詳しく確認してみるとよいでしょう。
例えば、教育とテクノロジーを組み合わせたい方、スポーツにデータやデジタル技術を活用したい方、地域コミュニティと防災について研究したい方などが考えられます。また、企業でDXを担当しているものの、技術を導入するだけでは組織が変わらないと感じている方も、人や組織を含めたシステム全体を研究対象として捉えることができます。
社会人受験生であれば、これまで担当してきた仕事の中で、複数部署の調整が難しかった経験や、行政、顧客、取引先など多くの関係者を巻き込む必要があった経験を振り返ってみるのもよいでしょう。単なる仕事上の苦労として終わらせず、なぜその問題が起きたのかをシステム全体から考えることで、研究の問いにつながる可能性があります。
事前コンタクトでは研究したい課題を具体化する
神武教授の研究対象は非常に幅広いため、事前コンタクトでは、自分が何に関心を持っているのかを具体的に伝えることが特に重要です。宇宙、教育、スポーツ、DXなど複数の分野に興味があるとしても、興味のある分野を並べるだけでは、自分が大学院で何を研究したいのかが伝わりにくくなります。
まず、自分が解決したいと考えている問題を一つ取り出し、その問題に誰が関わっているのか、どのような技術や制度が関係しているのか、現在どこに課題があるのかを整理してみましょう。そのうえで、神武教授の研究やプロジェクトのどの部分と接点があるのかを説明できるようにすると、事前コンタクトの内容も具体的になります。
また、公開されている研究プロジェクトや論文だけでなく、専任教員の動画紹介などを確認することも参考になります。研究テーマの名称だけでは分からない研究への向き合い方や、社会実装をどのように考えているのかを知る手がかりになるからです。こうした情報を踏まえて研究計画を考えることで、なぜ神武教授のもとで研究したいのか、なぜ慶應SDMなのかという志望理由も整理しやすくなります。
まとめ
神武直彦教授は、JAXAやESAでの宇宙分野の経験を持ちながら、教育、街づくり、スポーツ、防災、医療、コミュニティ、IoT、DXなど、幅広い社会課題を研究対象としています。慶應義塾横浜初等部長として教育現場に関わった経験や、自治体などとの連携にも携わってきた点も特徴です。
研究テーマが複数の分野にまたがっている方や、一つの企業、一つの技術だけでは解決できない社会課題に関心がある方は、自分の問題意識と神武教授の研究との接点を探してみるとよいでしょう。研究領域が広いからこそ、事前コンタクトや研究計画では、自分が扱いたい問題とその背景を具体的に整理することが重要です。これまでの経験を振り返りながら、自分はどの社会課題を、どのような視点から研究したいのかを言葉にしていきましょう。
※本記事は記事作成時点の情報をもとに作成しています。入試制度、出願資格、提出書類、カリキュラム、教員情報などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず慶應義塾大学および対象研究科の公式サイト、最新の入学試験要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


