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今回のテーマは
SDM研究科で評価される『問題設定』の作り方です。

SDM研究科の研究計画書や面接で、
最も差がつくのがこの「問題設定」です。

にもかかわらず、多くの受験生が、

  • 立派な社会課題を書いているのに評価されない
  • アイデアはあるのに研究として弱いと言われる

という状態に陥ります。

その原因は、
SDMで求められる問題設定の水準を取り違えていることにあります。


1. 「社会課題を書けばよい」という誤解

SDM志望者に最も多い出発点が、

  • 社会課題を解決したい
  • 現場で困っている問題がある

という動機です。

これは悪いことではありませんが、
それだけでは研究の問題設定にはなりません。

SDM研究科で求められているのは、

  • 課題の存在
    ではなく
  • 課題がどのような構造で生じているか

を問い直す姿勢です。


2. SDMにおける「問題」とは何か

SDM研究科で言う「問題」とは、

  • 解決すべき対象
    ではありません。

それは、

複数の要素が相互作用することで、
望ましくない状態が生じている構造

のことです。

そのため、

  • 問題=誰が悪いか
  • 問題=何が足りないか

という単純化は、
SDMでは評価されません。


3. 評価されない問題設定の典型例

SDM研究科で評価されにくい問題設定には、
次のような共通点があります。

  • 問題が一文で言い切られている
  • 解決策とセットで語られている
  • ステークホルダーが整理されていない

たとえば、

○○を導入すれば解決できる問題

という書き方は、

  • 問題が設計前提になっている
  • 検討余地がない

と判断されやすくなります。


4. SDMで評価される問題設定の基本構造

評価される問題設定には、
必ず次の要素が含まれています。

  • 1. どのシステムを対象にしているか
  • 2. どの要素が関係しているか
  • 3. 要素同士がどう影響し合っているか
  • 4. どこに不整合・緊張・矛盾があるか

つまり、

  • 現象の説明
    ではなく
  • 構造の説明

になっていることが重要です。


5. 「ステークホルダー整理」が重要な理由

SDMの問題設定で特に重視されるのが、
ステークホルダーの整理です。

なぜなら、多くの社会・組織問題は、

  • 一部の最適化が
  • 他の部分に歪みを生む

という形で生じているからです。

誰にとっての「うまくいっている」が、
誰にとっての「問題」なのか。

この視点が欠けると、
問題は単なる不満や要望に見えてしまいます。


6. 問題設定は「解く前」に終わらせない

SDM研究科で高く評価される受験生ほど、

  • 問題を簡単にまとめない
  • すぐに答えを出そうとしない

傾向があります。

それは、

  • 問題設定そのものが
  • 研究対象である

と理解しているからです。

「問題をどう定義するか」自体が、
SDMにおける研究の核心です。


まとめ|SDMの問題設定は「構造を切り出す作業」

システムデザイン・マネジメント研究科で評価される問題設定とは、

  • 大きな社会課題を書くこと
    でも
  • 斬新なアイデアを出すこと

でもありません。

それは、

複雑な現象の中から、
研究として検討可能な構造を切り出すこと

です。

問題を急いで解こうとするのではなく、
一度立ち止まり、
「なぜこの状態が生じているのか」を
構造として捉え直す。

この姿勢こそが、
SDM研究科で最も評価される資質です。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。