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今回のテーマは「須田伸一教授はどんな人なのか」です。
慶應義塾大学大学院を目指している方の中には、「経済学をもっと理論的に深く学びたい」と考えている人もいるかもしれません。
経済学というと、ニュース分析やデータサイエンスのイメージを持たれることも多いですが、その土台には「なぜ市場は均衡するのか」「人々の行動が集まると社会全体はどう動くのか」という非常に根本的な問いがあります。
そうした経済学の“核”を、数学を用いて厳密に探究しているのが、慶應義塾大学経済学部・大学院経済学研究科の須田伸一教授です。
須田教授は、一般均衡理論や数理経済学を専門とし、経済現象を高度な理論モデルで分析している研究者です。
この記事では、須田教授がどんな研究をしているのか、どんな学生を求めているのかについて、できるだけわかりやすく紹介していきます。
「一般均衡理論」を研究する先生
須田教授の専門分野は、「理論経済学」「一般均衡理論」「数理経済学」です。
一般均衡理論とは、経済全体がどのようにバランスを取っているのかを分析する理論です。
例えば、消費者、企業、労働市場、金融市場など、さまざまな市場が同時に存在する中で、価格や需要・供給がどのように決まるのかを数学的に考えていきます。
教科書では「市場は均衡する」と簡単に説明されることもありますが、現実の社会はそれほど単純ではありません。
将来の不確実性が存在したり、情報格差があったり、市場が完全ではなかったりするからです。
須田教授は、こうした“現実世界の不完全さ”を数理モデルに組み込みながら、経済のメカニズムを理論的に解明しています。
景気循環やカオスも研究対象
須田教授の研究は、一般均衡理論だけにとどまりません。
特に特徴的なのが、「非線形マクロ経済モデル」に関する研究です。
景気循環というと、「景気が良くなったり悪くなったりする現象」というイメージがありますが、その背後には非常に複雑な動きがあります。
須田教授は、数学を使ってそうした複雑な景気変動を分析しています。
研究テーマには、「内生的景気循環」や「カオス理論」を扱ったものもあります。
つまり、経済が単純な直線的変化ではなく、小さな変化が大きな変動を生み出すような複雑系として動く可能性を理論的に探究しているのです。
これは、現代経済学の中でもかなり高度で専門的な領域です。
経済学史にも強い研究者
須田教授の特徴は、純粋な数理分析だけではありません。
経済学史や理論史にも深い関心を持っています。
例えば、サミュエルソンやパレートといった経済学史に残る研究者たちの理論を再検討する研究も行っています。
つまり、「新しいモデルを作る」だけではなく、「過去の偉大な理論をどう理解するか」という視点も大切にしているのです。
この点は、慶應経済らしい学問の深さとも言えるかもしれません。
ペンシルベニア大学で博士号を取得
須田教授は、慶應義塾大学大学院で修士号を取得した後、アメリカのペンシルベニア大学でPh.D.(博士号)を取得しています。
ペンシルベニア大学は、世界的にも非常に評価の高い大学です。
そのため、須田教授は国際水準の理論経済学を本格的に学んできた研究者と言えます。
また、『数学で考える経済学』などの著書もあり、「経済学を数学的に理解する重要性」を一貫して発信しています。
経済学を単なる暗記科目ではなく、“論理体系”として学びたい人にとっては非常に刺激的な研究者です。
「基礎を徹底しなさい」というメッセージ
須田教授は学生に対して、「基礎を大切にしてほしい」と強く語っています。
特に印象的なのが、「研究を効率よく進めるためには、1・2年生のうちに基礎をしっかり身につけることが必要」というメッセージです。
これは理論経済学の世界では本当に重要です。
高度な研究になるほど、微積分、線形代数、最適化、確率論など、数学の基礎力が必要になります。
また、ミクロ経済学やマクロ経済学の基本概念を曖昧なままにしてしまうと、上級理論についていくことが難しくなります。
つまり、須田教授の研究室は「一発逆転型」というより、「地道に積み上げられる人」に向いている研究環境とも言えます。
須田教授の研究室に向いている人とは?
須田教授の研究室に向いているのは、以下のようなタイプの人です。
- 数学を使って経済を深く理解したい人
- 理論経済学に強い興味がある人
- ミクロ・マクロ経済学が好きな人
- 景気循環や市場均衡に関心がある人
- 抽象的な理論を考えるのが好きな人
- 基礎をコツコツ積み上げられる人
逆に、「とにかくすぐ使えるスキルだけ欲しい」というタイプよりは、「理論そのものに魅力を感じる人」の方が相性は良いでしょう。
研究計画書では何を書くべきか
須田教授を志望する場合、研究計画書では「理論的な問い」を明確にすることが重要です。
例えば、以下のようなテーマが考えられます。
- 不完備市場における一般均衡分析
- 景気循環モデルの理論的研究
- 金融摩擦を含むマクロモデル
- 非線形動学モデルの分析
- 市場均衡の安定性に関する研究
また、「なぜその理論的問題に興味を持ったのか」をしっかり書くことも大切です。
単なる数式遊びではなく、「現実社会のどんな問題を理解したいのか」という視点があると、研究の説得力が増します。
まとめ:経済学を“本気で理論から学びたい人”に向いている研究者
須田伸一教授は、一般均衡理論や数理経済学を通して、経済システムの根本を探究している研究者です。
表面的な現象分析ではなく、「なぜそうなるのか」を数学的に厳密に考えるスタイルが特徴です。
また、経済学史や理論史にも強く、経済学そのものを深く理解したい人にとって非常に魅力的な研究環境と言えるでしょう。
理論経済学は簡単な分野ではありません。
しかし、その分だけ「経済学の本質」に触れられる学問でもあります。
「データ分析だけでは物足りない」「経済学を理論から極めたい」と考えている方は、ぜひ須田教授の研究や著書に触れてみてください。
※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。最新の研究内容や募集要項については、必ず公式サイトをご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。

