【SFC大学院対策】「こころの健康・臨床心理」PBL型研究に適合する研究計画書の作り方

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今回のテーマは「【SFC大学院対策】『こころの健康・臨床心理』PBL型研究に適合する研究計画書の作り方」です。

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科、いわゆるSFC大学院の入試では、研究計画書であるプロポーザルと面接が合否を大きく左右します。特に「こころの健康・臨床心理」に関心がある受験生は、心理学の理論や臨床への関心を示すだけでなく、現代社会の中でどのような心の問題が生じているのかを捉え、実践的な研究計画としてまとめることが重要です。

心の健康に関する課題は、学校、職場、家庭、地域、オンライン空間など、さまざまな場所で生じています。若者の孤立、働く人のストレス、不登校、家族関係、SNSによる心理的負担など、背景には複数の要因が重なっています。

この記事では、「こころの健康・臨床心理」を志望する受験生に向けて、SFCが重視するPBLの考え方を踏まえながら、評価される研究計画書の作り方と面接で伝えたいポイントを整理します。


「こころの健康・臨床心理」で求められるのは、現場から課題を発見する力

一般的な心理学系大学院では、心理検査、カウンセリング理論、発達心理、認知行動療法、統計分析などを学びます。もちろん、これらは心理学研究の重要な基礎です。

一方で、SFCでは、既存の理論を学ぶだけでなく、現場にある課題を自ら発見し、解決へつなげる姿勢が重視されます。PBLとは、与えられた課題に答えるのではなく、学生自身が問題を見つけ、研究や実践を通じて解決策を考える学び方です。

例えば、「大学生のメンタルヘルスを研究したい」というだけでは、研究テーマとして広すぎます。どのような学生が、どのような状況で困っているのか、既存の相談支援ではなぜ届かないのかを具体的に考える必要があります。

プロポーザルでは、「誰の、どのような心の問題に注目するのか」「なぜ今その問題を研究する必要があるのか」を明確に示しましょう。


合格する研究計画書に必要な3つの視点

具体的なイシューを設定する

SFCの研究計画書では、問題発見の力が重視されます。心の健康という大きなテーマをそのまま扱うのではなく、対象者、場面、背景、支援の不足を絞り込むことが大切です。

例えば、「若者の孤独を研究したい」というテーマだけでは、焦点がぼやけてしまいます。一方で、「SNS上では他者とつながっているにもかかわらず孤独を感じる大学生の心理的背景を明らかにし、相談につながる仕組みを提案する」とすれば、課題と研究目的が明確になります。

また、「職場のストレスを研究したい」という場合も、「在宅勤務が続く若手社員が相談相手を失い、心理的な不調を抱えやすくなる過程を調査し、オンライン上での早期支援モデルを検討する」と具体化すると、SFCらしい実践的な研究テーマになります。

大切なのは、既に知られている社会問題を並べることではありません。自分がどの現場を見て、どこに支援の空白があると感じたのかを示すことです。

心理学と異分野を組み合わせる

SFCでは、心理学だけに閉じず、情報科学、教育学、社会学、福祉、医療、デザイン、データ分析などを組み合わせる分野融合が重視されます。

例えば、メンタルヘルスの早期支援を研究する場合は、心理尺度やインタビューに加えて、スマートフォンの利用データや生活記録を分析する方法があります。学校での支援を扱う場合は、教育制度、教員の負担、家庭環境、相談窓口の使いやすさまで視野に入れる必要があります。

また、オンライン相談の画面設計や、相談をためらう人が使いやすいチャットサービスを研究する場合は、臨床心理学だけでなく、UXデザインや情報倫理の知識も必要です。

ただし、技術を使うこと自体を目的にしてはいけません。自分が発見した心理的課題を理解し、支援へつなげるために、なぜその方法が必要なのかを説明することが重要です。

現場で検証する社会実装の計画を描く

SFCでは、研究成果を論文にまとめるだけでなく、実際の現場で試し、改善へつなげる姿勢が重視されます。

プロポーザルには、どの現場で調査を行うのか、誰に協力を依頼するのか、どのような方法で効果を確かめるのかを具体的に書きましょう。学校、大学、企業、医療機関、相談機関、NPO、地域の支援団体など、研究テーマに応じたフィールドを想定しておくことが大切です。

例えば、大学生向けの相談支援を研究する場合は、学生へのインタビューやアンケートを行ったうえで、相談案内の方法やオンライン窓口の試作を行い、利用しやすさを検証する方法があります。

職場のストレス対策を扱う場合は、企業の人事担当者や産業保健スタッフにヒアリングを行い、早期支援の仕組みを試験的に導入することも考えられます。

ただし、心理分野の研究では、個人情報の保護、調査協力者への説明、研究参加による心理的負担への配慮が欠かせません。倫理面をどのように守るかまで示すことで、研究計画の信頼性が高まります。


面接では研究者としての立場と限界を問われる

書類審査を通過した後の面接では、「なぜそのテーマなのか」「なぜあなたが取り組むのか」「どのように対象者の安全を守るのか」といった質問が考えられます。

自分自身に似た経験がある場合、その経験は問題意識の出発点になります。ただし、自分の経験をすべての人に当てはめない姿勢も必要です。面接では、自分とは異なる背景を持つ人の語りを丁寧に聞き、複数の視点から分析する姿勢を伝えましょう。

また、心理的な不調を抱える人を研究対象とする場合は、研究と支援の境界を理解しておくことが大切です。研究者として何ができ、どこからは専門的な支援機関へつなぐ必要があるのかを説明できるようにしておきましょう。

少人数のインタビュー結果だけで社会全体を説明できるわけではありません。定性研究と量的調査をどう組み合わせるのか、研究の限界をどのように捉えるのかも整理しておく必要があります。


SFCで研究する必然性を具体的に示す

志望理由や面接では、なぜSFCでなければならないのかを明確にする必要があります。

「こころの健康・臨床心理」に関する研究は、心理学だけで完結するものではありません。教育、福祉、医療、地域社会、情報技術、デザインなど、複数の分野と関わります。SFCの学際的な環境で、異なる専門を持つ教員や学生と協働しながら、実践的な支援の仕組みを作りたいという流れを示すとよいでしょう。

また、自分の研究テーマと関連するアカデミックプロジェクトや教員の研究内容を調べ、どのような指導を受けたいのか、チームにどのような視点を持ち込めるのかまで整理しておくことが大切です。

フィールドワークや実証実験を考えている場合は、どの機関と連携し、どのような成果を社会へ返したいのかを具体的に伝えましょう。


まとめ

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科の「こころの健康・臨床心理」に関心を持つ受験生は、心理学の知識だけでなく、現場から課題を発見し、実践的な支援へつなげる力が求められます。

合格につながる研究計画書を作るためには、対象者や場面を絞った具体的なイシュー設定、心理学と異分野を組み合わせる視点、そして現場での検証と倫理的配慮を含めた社会実装の計画を一貫して示すことが重要です。

自分自身の経験や現場で感じた違和感を出発点にしながら、誰のどのような心の問題に向き合い、どのような支援の仕組みを提案したいのかを丁寧に言語化していきましょう。PBL型の研究に適合する、具体的で実現可能なプロポーザルを作ることが、合格への大きな一歩になります。


※入試制度や募集要項、研究領域、アカデミックプロジェクト、教員情報、各種制度の内容は変更される場合があります。出願前には必ず慶應義塾大学大学院の公式サイトおよび最新の募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。