数理モデルで「売れる仕組み」を科学する!井上哲浩教授が切り拓くマーケティング・サイエンスの最前線

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今回のテーマは「数理モデルで『売れる仕組み』を科学する!井上哲浩教授が切り拓くマーケティング・サイエンスの最前線」です。

慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)への進学を目指す皆さんを応援する教員紹介シリーズ。今回は、マーケティング・サイエンス、マーケティング・マネジメント、マーケティング・コミュニケーションを専門とする井上哲浩教授をご紹介します。

マーケティングと聞くと、広告のセンスや企画力、ひらめきが重要な分野だと感じる方も多いかもしれません。

もちろん、消費者の心を動かす発想力は大切です。しかし、現代のマーケティングでは、感覚や経験だけに頼ることはできません。

消費者の行動は多様化し、購買チャネルも複雑になっています。SNS、検索エンジン、動画広告、ECサイト、店舗体験など、消費者はさまざまな接点を行き来しながら商品やサービスを選んでいます。

そのような時代に求められるのが、データと数理モデルを用いて「売れる仕組み」を科学的に考える力です。

井上教授の研究は、まさにこのマーケティングの本質に迫るものです。

UCLAで磨かれたマーケティング研究の専門家

井上哲浩教授は、関西学院大学商学部を卒業後、同大学大学院商学研究科で学ばれました。

その後、アメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校、いわゆるUCLAでPh.D.を取得されています。

UCLAは、経営学やマーケティング研究において世界的に高い評価を受けている大学です。

その環境で、井上教授は高度な統計学や数理モデル、消費者行動分析の手法を学び、研究を深めてきました。

帰国後は関西学院大学で教育・研究に携わり、2006年にKBS教授として着任されています。

世界水準のマーケティング研究を日本のビジネススクール教育に還元していることが、井上教授の大きな魅力です。

マーケティング・サイエンスとは何か

井上教授の専門であるマーケティング・サイエンスとは、マーケティング上の意思決定を、データや統計、数理モデルを用いて科学的に分析する分野です。

例えば、広告を出すべき媒体はどこなのか。

価格を変えると売上はどの程度変化するのか。

どの顧客層にどのメッセージを届けるべきなのか。

ブランド価値はどのように測定できるのか。

こうした問いに対して、勘だけで判断するのではなく、データを使って検証していきます。

マーケティングは、人の感情や選好を扱うため、完全に数式だけで説明できるものではありません。

しかし、だからこそデータを使って丁寧に分析することが重要です。

井上教授の研究は、マーケティングを感覚の世界から、再現性のある科学の世界へと近づけるものだと言えるでしょう。

直感をデータで裏付ける力

ビジネスの現場では、「この広告は効きそうだ」「この商品は若者に受けそうだ」といった直感が大切にされることがあります。

直感そのものが悪いわけではありません。

しかし、その直感が本当に正しいのかを検証しなければ、意思決定の精度は高まりません。

井上教授は、統計学や情報工学などの数理的アプローチを用いて、コミュニケーション戦略、製品戦略、ブランド戦略を分析されています。

過去の購買データ、広告接触データ、顧客属性データ、Web上の行動データなどを活用することで、マーケティング施策の効果をより客観的に捉えることができます。

これは、限られた予算で最大の成果を出すためにも重要です。

経営者やマーケティング責任者には、感覚とデータの両方を使いこなす力が求められます。

ビッグデータとAI時代のマーケティング

井上教授の研究テーマは、時代の変化に合わせて広がっています。

インターネットマーケティング、データベースマーケティング、クロスメディア戦略、統計系と機械学習系を組み合わせたハイブリッド手法など、現代のマーケティングに直結するテーマが数多く扱われています。

現在の消費者は、テレビCMを見て、SNSで評判を確認し、検索エンジンで比較し、ECサイトや店舗で購入するといった複雑な行動を取ります。

このような行動を理解するには、単一の媒体だけを見るのでは不十分です。

複数のメディアを横断して、消費者がどのように意思決定しているのかを分析する必要があります。

また、AIや機械学習を活用することで、大量のデータの中から人間では見つけにくいパターンを発見することも可能になります。

井上教授の研究は、こうしたビッグデータ時代のマーケティングにおいて、非常に実践的な示唆を与えてくれます。

感情や体験も分析対象になる

マーケティングでは、消費者の感情や印象も重要です。

商品を見たときのわくわく感、広告を見たときの好感度、ブランドに対する信頼感などは、購買行動に大きく影響します。

しかし、感情や体験は数値化しにくいものです。

井上教授の研究では、こうした感情的な反応や消費者の評価にも科学的にアプローチしています。

人間の感覚を完全に数値だけで説明することは難しいものの、データ分析の手法を用いることで、これまで見えにくかった消費者心理の一部を捉えることができます。

これは、広告やブランド戦略を考えるうえで非常に重要です。

マーケティングは、数字だけを見る分野ではありません。

人の感情や体験を理解し、それをデータと結びつけて考える分野なのです。

KBSで学ぶ勝つためのマーケティング戦略

KBSでは、井上教授が「マーケティング」「マーケティング・コミュニケーション論」「マーケティング理論特論」などの授業を担当されています。

これらの授業では、マーケティングの基本理論だけでなく、データを活用した戦略的な意思決定について学ぶことができます。

MBAやEMBAで学ぶ学生にとって、マーケティングは非常に重要な科目です。

どれほど優れた製品やサービスであっても、顧客に価値が伝わらなければ市場では選ばれません。

また、売上を伸ばすためには、顧客理解、ブランド構築、広告効果測定、チャネル設計などを総合的に考える必要があります。

井上教授の授業では、感覚的なマーケティングではなく、データと理論に基づくマーケティングを学ぶことができます。

これは、将来マーケティング職を目指す人だけでなく、経営者や事業責任者を目指す人にとっても大きな武器になるでしょう。

まとめ

今回は、マーケティング・サイエンスを専門とする井上哲浩教授をご紹介しました。

井上教授の研究は、マーケティングをひらめきや経験だけに頼るものではなく、データと数理モデルを用いて科学的に考える分野として捉えています。

消費者の選択行動、広告効果、ブランド戦略、クロスメディア、ビッグデータ、機械学習など、扱うテーマは現代のビジネスに直結するものばかりです。

これからのリーダーには、顧客の心を理解する感性と、データを読み解く論理性の両方が求められます。

KBSには、その両方を本格的に学べる環境があります。

ぜひ井上教授の研究や授業にも注目しながら、自分がKBSでどのようなマーケティング力を身につけたいのかを考えてみてください。


※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。教員の役職、研究内容、担当科目、カリキュラム等は変更される場合があります。最新情報については、必ず慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)公式サイトをご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。