AIからスピリチュアリティまで!消費者の「なぜ買うのか」を科学する坂下玄哲教授の世界
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今回のテーマは「AIからスピリチュアリティまで!消費者の『なぜ買うのか』を科学する坂下玄哲教授の世界」です。
慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)への進学を目指す皆さんを応援する教員紹介シリーズ。今回は、消費者行動と小売マネジメントを専門とする坂下玄哲教授をご紹介します。
企業にとって、「なぜ消費者はその商品を選ぶのか」という問いは、永遠のテーマです。
価格が安いから買うのか。品質が良いから買うのか。ブランドが好きだから買うのか。友人の口コミに影響されるのか。それとも、自分の価値観や生き方と合っているから選ぶのか。
消費者の行動は、単純な理屈だけでは説明できません。
坂下教授の研究は、AIやデジタル技術から、サステナビリティ、宗教性、スピリチュアリティまで、非常に幅広い視点から消費者の意思決定を読み解こうとするものです。
世界基準のマーケティング研究を歩んできたキャリア
坂下玄哲教授は、神戸大学経営学部を卒業後、同大学大学院経営学研究科で商学を学び、博士号を取得されています。
その後、上智大学経済学部での教育・研究を経て、KBSの准教授として着任され、現在は教授として教鞭をとられています。
さらに、マーケティング研究で世界的に知られる米国ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院で客員研究員を務めるなど、国際的な研究活動にも積極的に取り組まれています。
また、同大学のRetail Analytics CouncilやSpiegel Digital & Database Research Centerにも関わり、小売データやデジタル・マーケティングの最前線に触れてきました。
こうした世界水準の研究経験が、坂下教授の消費者行動研究に深みを与えています。
消費者行動と小売マネジメントとは何か
坂下教授の専門である消費者行動とは、人が商品やサービスをどのように認知し、比較し、選択し、購入し、利用するのかを研究する分野です。
小売マネジメントは、その消費者行動を踏まえながら、店舗やEC、アプリ、ショッピングモールなどの場で、どのように顧客体験を設計するかを考える分野です。
現代の消費者は、オンラインとオフラインを行き来しながら購買を行います。
店頭で商品を見て、スマートフォンで口コミを調べ、アプリでクーポンを受け取り、ECで購入することもあります。
こうした複雑な購買行動を理解するには、従来型のマーケティングだけでは不十分です。
デジタル接点、リアル店舗、消費者心理、社会的価値観を組み合わせて考える必要があります。
AIやモバイルが購買行動を変える
坂下教授は、AIやモバイル技術が消費者行動に与える影響にも注目されています。
例えば、リアルタイムのモバイルメッセージや、ショッピングアプリの利用が、店舗への来訪や購買にどのような影響を与えるのかを研究されています。
スマートフォンは、消費者と企業をつなぐ非常に重要な接点です。
適切なタイミングで情報を届けることができれば、購買行動を後押しすることがあります。
一方で、通知が多すぎたり、消費者の状況に合っていなかったりすると、逆に不快感を与えることもあります。
また、AI搭載音声アシスタントの利用についても研究されています。
音声アシスタントは便利な技術ですが、消費者が必ずしも購買や取引に積極的に使うとは限りません。
なぜ人は便利な技術を目の前にしても利用をためらうのか。
その背景には、信頼、不安、慣れ、意思決定の先延ばしといった人間らしい心理があります。
サステナビリティと消費者心理
坂下教授の研究は、デジタル領域だけにとどまりません。
近年注目が高まるグリーン消費やサステナビリティに関する消費者行動についても研究されています。
環境に配慮したアパレルをなぜ買うのか。
オーガニック食品を選ぶ人と選ばない人の違いは何か。
電子廃棄物のリサイクルに対して、消費者はどのような意識を持つのか。
こうしたテーマは、企業のマーケティングだけでなく、社会全体の持続可能性にも関わる重要な課題です。
消費者は環境に良いものを選びたいと思っていても、価格や手間、情報不足などが障壁になることがあります。
そのため、企業は「良い商品を作る」だけでなく、消費者が選びやすい仕組みを設計する必要があります。
坂下教授の研究は、サステナブルな消費を広げるための実践的なヒントを与えてくれます。
宗教性やスピリチュアリティも消費に影響する
坂下教授の研究で特に興味深いのが、宗教性やスピリチュアリティが消費者行動に与える影響です。
消費は、単に商品を手に入れる行為ではありません。
そこには、価値観、信念、人生観、他者との関係性が反映されます。
例えば、シェアリングエコノミーに参加するかどうか、社会的起業に関心を持つかどうか、環境に配慮した商品を選ぶかどうかは、その人の内面的な価値観と深く関係しています。
宗教性やスピリチュアリティは、日本のビジネス議論ではあまり正面から扱われないテーマかもしれません。
しかし、グローバルな市場を考えるうえでは、消費者の信念や文化的背景を理解することは非常に重要です。
坂下教授の研究は、消費者を単なる購買者としてではなく、一人の人間として深く理解する視点を与えてくれます。
家族や人間関係から消費を読み解く
坂下教授は、母娘の消費行動やファッションの共有など、人間関係と消費の関係にも注目されています。
人は一人で消費しているように見えて、実際には家族、友人、社会との関係の中で商品を選んでいます。
親子で同じブランドを使うこと。
友人の影響で新しい商品を試すこと。
家族との思い出が購買行動に影響すること。
こうした行動は、単なる機能や価格だけでは説明できません。
消費には、自己表現や関係性の確認という側面があります。
この視点は、ブランドづくりや顧客体験の設計において非常に重要です。
KBSで学ぶ生きたマーケティングと流通論
KBSでは、坂下教授が「マーケティング」や「流通論」などの授業を担当されています。
これらの授業では、消費者行動の基礎から、小売や流通の現代的な課題まで幅広く学ぶことができます。
MBAやEMBAで学ぶ学生にとって、マーケティングは単に商品を売るための技術ではありません。
顧客を理解し、市場の変化を読み取り、企業がどのように価値を届けるかを考える経営の中核です。
坂下教授の授業では、デジタル技術、AI、サステナビリティ、消費者心理、文化的背景など、多角的な視点からマーケティングを学ぶことができます。
これは、将来どの業界で活躍するにしても大きな力になるでしょう。
まとめ
今回は、消費者行動と小売マネジメントを専門とする坂下玄哲教授をご紹介しました。
坂下教授の研究は、AIやモバイル技術、サステナビリティ、宗教性、スピリチュアリティ、家族関係など、非常に幅広い視点から消費者の「なぜ買うのか」に迫るものです。
現代のマーケティングでは、消費者を単なる数字や属性で見るだけでは不十分です。
人間の価値観、感情、文化、生活背景まで理解することが求められます。
KBSには、そのような深い消費者理解を学べる環境があります。
将来、マーケティングや流通、小売、ブランド戦略に関わりたい方は、ぜひ坂下教授の研究や授業にも注目してみてください。
※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。教員の役職、研究内容、担当科目、カリキュラム等は変更される場合があります。最新情報については、必ず慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)公式サイトをご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


