「顧客感動」と「サプライズ」を科学する!多田伶准教授が探求する体験価値のマーケティング

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今回のテーマは「『顧客感動』と『サプライズ』を科学する!多田伶准教授が探求する体験価値のマーケティング」です。

慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)への進学を目指す皆さんを応援する教員紹介シリーズ。今回は、消費者行動、顧客マネジメント、ブランド・マネジメント、マーケティング・リサーチを専門とする多田伶准教授をご紹介します。

現代のビジネスでは、商品やサービスの機能だけで差別化することが難しくなっています。

品質が高い、価格が安い、便利である。それだけでは、顧客に選ばれ続ける理由として十分ではない時代です。

そこで重要になるのが、顧客がどのような体験をし、どのような感情を抱き、どのようにブランドとの関係を深めていくのかという視点です。

多田准教授の研究は、顧客の感動やサプライズ、セレンディピティといった、これからのマーケティングに欠かせないテーマを科学的に読み解こうとするものです。

慶應義塾大学から研究者として歩んだキャリア

多田伶准教授は、慶應義塾大学商学部を卒業後、同大学大学院商学研究科で修士課程を修了されています。

その後、大阪大学大学院経済学研究科へ進学し、博士(経済学)を取得されました。

小樽商科大学や横浜国立大学で教育・研究に携わった後、2026年より慶應義塾大学大学院経営管理研究科の准教授として着任されています。

マーケティングや消費者行動の分野で、若くして実績を積み重ねてきた研究者です。

新しい消費者心理や顧客体験に関する研究をKBSに持ち込む存在として、今後の授業や研究にも大きな注目が集まります。

顧客体験マネジメントとは何か

多田准教授の研究を理解するうえで重要なのが、顧客体験マネジメントという考え方です。

顧客体験とは、顧客が商品やサービス、ブランドと関わる中で得る一連の体験を指します。

商品を知る、比較する、購入する、使う、誰かに勧める。

このすべてが顧客体験の一部です。

例えば、店員の一言、商品の包装、購入後のフォロー、アプリの使いやすさ、予想外の気配りなどが、顧客の印象を大きく変えることがあります。

つまり、マーケティングは商品を売るところで終わるのではありません。

顧客との接点全体をどう設計し、どのような感情を生み出すかが重要になります。

多田准教授の研究は、この体験価値をどのように作り、ブランドや顧客関係へとつなげるかを考えるものです。

定性と定量を組み合わせる研究アプローチ

多田准教授の研究の特徴は、定性的アプローチと定量的アプローチを組み合わせている点です。

定性的アプローチとは、インタビューやフィールドワークなどを通じて、顧客の生の声や行動の背景を深く理解する方法です。

一方、定量的アプローチとは、質問紙調査や実験、統計的なデータ解析などを用いて、仮説を検証する方法です。

顧客の感動やサプライズといったテーマは、数字だけでは捉えきれません。

しかし、感覚的な理解だけでは、再現性のあるマーケティング戦略にはつながりません。

だからこそ、顧客の声を丁寧に聞き取りながら、同時にデータで検証することが重要です。

多田准教授の研究は、感情や体験といった見えにくいものを、学術的に扱える形へと整理していく点に大きな魅力があります。

サプライズとセレンディピティをマーケティングに活かす

多田准教授が取り組むテーマの一つに、サプライズ・マーケティングがあります。

顧客は、期待通りのサービスを受けると満足します。

しかし、期待を良い意味で超える体験をした時には、強い感動が生まれることがあります。

例えば、思いがけない心遣い、予想以上の対応、偶然出会った魅力的な商品などが、顧客の記憶に残る体験になります。

また、セレンディピティとは、偶然の出会いや予期しない発見によって価値を感じることです。

店舗やサービスの中で、顧客が「思いがけず良いものに出会えた」と感じる瞬間は、ブランドへの好意や愛着につながる可能性があります。

こうしたサプライズやセレンディピティを偶然任せにするのではなく、どのように設計し、顧客体験に組み込むか。

これが多田准教授の研究の大きなテーマです。

顧客感動を価値共創へつなげる

多田准教授の研究では、顧客感動と価値共創も重要なテーマです。

価値共創とは、企業が一方的に価値を提供するのではなく、顧客とともに価値を作り上げていく考え方です。

例えば、地酒メーカーと顧客の関係を考えてみましょう。

顧客は商品を買うだけでなく、蔵元の思いや地域の背景、製造の物語に触れることで、より深い体験を得ることがあります。

その体験を周囲に伝えたり、イベントに参加したりすることで、顧客自身もブランド価値を作る一員になります。

このように、顧客が感動する体験は、単なる満足にとどまりません。

企業と顧客の関係を深め、ブランドへの愛着や継続的な関与につながっていきます。

デザインと無意識の反応を読み解く

多田准教授は、プロダクトデザインが消費者に与える影響についても研究されています。

人は商品を選ぶ時、必ずしも意識的にすべてを判断しているわけではありません。

色、形、素材、雰囲気、違和感、安心感などが、無意識のうちに印象を左右することがあります。

デザインは単なる見た目の問題ではありません。

商品への期待やブランドイメージ、使用体験にも深く関係します。

多田准教授の研究は、こうした無意識の反応や創造性への評価を、消費者行動の視点から捉えようとしています。

これは、商品開発やブランド戦略を考えるうえで非常に重要な学びになります。

KBSで学ぶ次世代のマーケティング

KBSでは、多田准教授が「マーケティング」「マーケティング戦略」「消費者行動」などを担当されています。

これらの科目では、顧客を理解し、ブランドを育て、市場で選ばれ続けるための考え方を学ぶことができます。

MBAやEMBAで学ぶ学生にとって、マーケティングは事業成長の中核にある分野です。

特にこれからの時代は、機能や価格だけでなく、体験価値や感情的なつながりが重要になります。

多田准教授の授業では、顧客の思考モードや無意識の反応、感動体験の創出など、従来のマーケティングだけでは捉えきれない領域まで学ぶことができます。

これは、将来ブランドづくりや顧客体験設計に関わりたい人にとって、大きな武器になるでしょう。

まとめ

今回は、消費者行動、顧客マネジメント、ブランド・マネジメント、マーケティング・リサーチを専門とする多田伶准教授をご紹介しました。

多田准教授の研究は、顧客感動、サプライズ、セレンディピティ、価値共創、デザインといった、現代マーケティングの重要テーマに迫るものです。

顧客の心を動かす体験をどのように設計するか。

感動をどのようにブランド価値へつなげるか。

偶然の出会いや無意識の反応を、どのようにマーケティング戦略に活かすか。

こうした問いは、これからのビジネスリーダーにとって欠かせないものです。

KBSには、次世代のマーケティングを学べる環境があります。

将来、顧客体験やブランド戦略、マーケティング・リサーチに関わりたい方は、ぜひ多田准教授の研究や授業にも注目してみてください。


※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。教員の役職、研究内容、担当科目、カリキュラム等は変更される場合があります。最新情報については、必ず慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)公式サイトをご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。