院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは「松浦寿幸教授(国際経済・実証分析)はどんな人? データ分析でグローバル化と地域創生を読み解く研究者」です。
慶應義塾大学大学院への進学を目指している方の中には、国際経済やデータ分析に関心を持っている方も多いのではないでしょうか。
グローバル化は、私たちの生活を豊かにする一方で、国内産業の空洞化や地域格差、雇用への影響など、さまざまな課題も生み出しています。
では、グローバル化は実際に企業や地域経済にどのような影響を与えているのでしょうか。
また、地方創生や観光振興といった政策は、本当に効果を上げているのでしょうか。
こうした問いに対して、理論だけでなく、データを用いた実証分析によって答えを出そうとしているのが、慶應義塾大学産業研究所および大学院経済学研究科で教授を務める松浦寿幸教授です。
本記事では、松浦教授の研究内容や研究室の特徴、大学院受験生が研究計画書で意識したいポイントについて解説します。
国際経済とデータ分析を専門とする教授
松浦教授の専門分野は、国際貿易、海外直接投資、企業の国際競争力に関する実証分析です。
国際経済というと、貿易額や為替、関税といった大きなテーマを思い浮かべるかもしれません。
しかし、松浦教授の研究では、企業や地域といった具体的な単位に注目し、グローバル化が実際にどのような影響を与えているのかをデータで検証していきます。
例えば、企業が海外へ進出することで国内の雇用はどう変わるのか。貿易の自由化は地域経済にどのような影響を与えるのか。観光政策は本当に地域を活性化させているのか。
こうした問いを、統計データや計量経済学の手法を使って分析している点が大きな特徴です。
グローバル化の影響を実証的に読み解く
松浦教授の研究の大きな柱の一つが、グローバル化が社会経済に与える影響の分析です。
グローバル化については、「経済を成長させる」という肯定的な見方もあれば、「国内産業を弱める」「格差を広げる」という否定的な見方もあります。
しかし、どちらの主張も印象論だけでは十分ではありません。
重要なのは、実際のデータを用いて、どのような影響がどの程度あったのかを検証することです。
松浦教授は、企業データや地域データなどを用いながら、グローバル化の効果を数量的に明らかにする研究を行っています。
国際経済を感覚で語るのではなく、データに基づいて論じる姿勢が、松浦教授の研究の中心にあります。
地方創生や観光振興の政策評価にも取り組む
松浦教授の研究は、国際貿易や海外直接投資だけにとどまりません。
近年は、地方創生や観光振興に関する政策評価にも取り組んでいます。
地方創生という言葉はよく使われますが、実際にどの政策がどれだけ地域に効果をもたらしたのかを測ることは簡単ではありません。
観光客が増えたとしても、それが政策の効果なのか、別の要因によるものなのかを見極める必要があります。
そこで重要になるのが、因果推論を含むデータ分析の手法です。
松浦教授の研究では、政策の効果を数量的に評価し、地域や都市の競争力向上に役立つ知見を導き出すことを目指しています。
StataやRによるデータ分析の著者
松浦教授は、データ分析を学ぶ学生や研究者にとっても非常に身近な存在です。
『Stataによるデータ分析入門』や『Rによるデータ分析入門』など、統計ソフトを用いたデータ分析の入門書を執筆しています。
大学院で実証分析を行う場合、理論を理解するだけではなく、実際にデータを扱う力が必要になります。
StataやRなどの統計ソフトを使いこなし、データを整理し、モデルを組み、結果を解釈する力が求められます。
松浦教授の研究室では、こうした実践的な分析スキルを重視している点も大きな魅力です。
理論・実証・フィールドワークを組み合わせる研究環境
松浦教授の研究室では、国際経済学や空間経済学などの理論を学びながら、実証分析のスキルも身につけていきます。
さらに、フィールドワークやスタディツアーなどを通じて、現場に触れる機会も重視されています。
データ分析というと、パソコンの前だけで完結する研究を想像するかもしれません。
しかし、現実の経済や地域課題を理解するためには、データの背景にある現場の状況を知ることも重要です。
理論、データ、現場をつなげながら研究できる点は、松浦教授の研究室の大きな特徴と言えるでしょう。
どんな学生に向いているか
松浦教授の研究室に向いているのは、次のような方です。
- 国際経済や貿易に関心がある
- 海外直接投資や企業の国際競争力を研究したい
- 地方創生や観光振興の政策評価に興味がある
- StataやRを使ったデータ分析を学びたい
- 因果推論や計量経済学に関心がある
- 理論だけでなく実際の政策課題を扱いたい
- 現場感のある研究に取り組みたい
特に、国際経済とデータ分析の両方に関心がある受験生にとって、非常に魅力的な研究環境だと言えます。
研究計画書では何を意識するべきか
松浦教授を志望する場合、研究計画書では「国際経済」と「データ分析」の接点を明確に示すことが重要です。
例えば、貿易自由化が国内産業に与える影響、海外直接投資が企業の生産性に与える影響、観光政策が地域経済に与える効果など、具体的なテーマを設定するとよいでしょう。
そのうえで、どのようなデータを使い、どのような手法で分析するのかをできるだけ具体的に書くことが大切です。
単に「グローバル化に興味があります」と書くだけでは、研究計画としては弱くなります。
グローバル化の何を、どの地域や産業を対象に、どのデータで検証するのかを明確にすることで、説得力のある研究計画になります。
政策評価につながる研究の意義
松浦教授の研究の魅力は、データ分析の結果が現実の政策課題とつながっている点にあります。
国際貿易や海外直接投資の分析は、産業政策や通商政策に関係します。
地方創生や観光振興の分析は、自治体の政策立案や地域経済の活性化にも関係します。
つまり、研究成果が社会の意思決定に直接役立つ可能性があるのです。
大学院で実証分析を学び、将来的に政策立案やシンクタンク、コンサルティング、国際機関、自治体などで活躍したい方にとっても、非常に実践的な学びが得られる分野です。
まとめ
松浦寿幸教授は、国際貿易、海外直接投資、企業の国際競争力、地域政策などを対象に、データ分析を用いた実証研究を行っている研究者です。
グローバル化が社会経済に与える影響を数量的に分析するだけでなく、地方創生や観光振興といった現代的な政策課題にも取り組んでいます。
また、StataやRによるデータ分析の著書を通じて、実践的な分析スキルの教育にも力を入れています。
国際経済をデータで読み解きたい方、政策の効果を実証的に評価したい方、地域創生に関心がある方にとって、松浦教授の研究室は非常に魅力的な環境と言えるでしょう。
興味を持った方は、ぜひ松浦教授の著書や論文に触れ、自分自身の研究テーマとの接点を探してみてください。
※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。研究内容や担当科目、入試制度等は変更される場合があります。出願を検討される際は、必ず慶應義塾大学大学院の公式サイトをご確認ください。
志樹舎
では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、
無料相談
にお気軽にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


