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今回のテーマは「駒形哲哉教授(中国経済・中小企業論)と『現場の知見から理論を問い直す力』」です。
慶應義塾大学大学院への進学を目指す皆さん。経済学を学んでいると、数式や理論モデルの美しさに魅力を感じる一方で、「本当に現実はこんなに単純なのだろうか」と疑問を持つことはないでしょうか。
特に、中国のように急速な経済発展を遂げながら、地域差や制度の違い、政治との結びつきが複雑に絡み合う社会では、教科書通りの理論だけでは見えてこない現実があります。
そうした「理論だけでは捉えきれない現場のリアル」に向き合い、中国経済や中小企業の実態を丁寧に分析しているのが、経済学部および経済学研究科で教授を務める駒形哲哉教授です。
本記事では、駒形教授の研究内容と、研究室で求められる「現場から考える力」について整理していきます。
「自転車産業」から中国経済を読み解く
駒形教授の専門分野は、「中国経済論」「中小企業論」「地域経済論」です。
特に特徴的なのは、中国経済という巨大なテーマを、「自転車産業」や「地域の中小企業」といった具体的な対象から分析している点です。
例えば、中国の自転車産業は、改革開放以降の産業発展や都市化、さらには近年のシェアリング・エコノミーの拡大とも深く結びついています。
駒形教授は、こうした産業の変化を通じて、中国社会そのものがどのように変化してきたのかを読み解いています。
著書『中国の自転車産業―「改革・開放」と産業発展』は高い評価を受け、義塾賞や樫山純三賞を受賞しています。
また近年では、シェアサイクルの普及や、新型コロナ禍における産業変化など、現代中国のリアルタイムな動きにも積極的に切り込んでいます。
「中国経済」というと国家レベルの統計や政策論をイメージしがちですが、駒形教授の研究は、現場で動いている企業や地域社会の視点から経済を捉えている点が大きな特徴です。
「理論」と「現場」を往復する研究姿勢
駒形教授は、学生に対して「理論だけで終わらず、現場の知見から論理を組み立ててほしい」と語っています。
経済学では、理論モデルを用いて社会を分析することが重要です。しかし、実際の地域経済や企業活動は、理論通りには動かないことも少なくありません。
例えば、中国では地域ごとに制度や文化、商習慣が異なり、同じ政策でも全く違う結果を生むことがあります。
そのため、既存理論をそのまま当てはめるのではなく、「なぜ現実では異なる結果になるのか」を考え続ける必要があります。
駒形教授は、この「理論と現場のズレ」を非常に重視しています。
フィールドワークや企業調査など、現場から得られる一次情報をもとに、理論を問い直していく姿勢は、大学院で研究を行う上でも非常に重要です。
中国経済を「現場」から理解する意味
中国は世界第2位の経済大国であり、日本企業とも深く関わっています。
しかし、中国市場は単純ではありません。
急速な都市化、地方格差、国有企業と民間企業の関係、政治との距離感など、多くの要素が複雑に絡み合っています。
そのため、中国経済を理解するには、統計データだけではなく、現場の企業や地域社会の実態を知る必要があります。
駒形教授は、中国経済経営学会や中小企業学会などでも中心的な役割を担っており、学術研究と実社会を結びつけながら研究を進めています。
また、中国経済だけでなく、日本の中小企業がグローバル市場でどう生き残るかという実務的な視点にもつながっています。
研究計画書で意識したいポイント
駒形教授の研究室を志望する場合、研究計画書では「現場」と「理論」をどう結びつけるかが重要になります。
例えば、中国の特定地域の産業や、中小企業、シェアリング・エコノミー、地域産業など、具体的な対象を設定することが考えられます。
その上で、産業集積論や地域経済論、移行経済論などの既存理論を踏まえつつ、「現場では何が起きているのか」を実証的に検証する姿勢を示すことが重要です。
また、単なる現状分析にとどまらず、その研究が日本企業の対中戦略や、中小企業政策にどのような示唆を与えるのかまで論じられると、研究計画書の説得力が増します。
まとめ:現場から経済を考える
駒形哲哉教授の研究は、中国経済や中小企業を「現場」の視点から分析し、既存理論を問い直していく点に大きな特徴があります。
理論だけに依存するのではなく、フィールドワークや企業調査を通じて得られるリアルな情報を重視し、そこから新たな視点を構築していく姿勢は、大学院で研究を行う上でも非常に重要です。
「現場を知らずに経済は語れない」「理論とリアルを往復しながら社会を理解したい」という方にとって、駒形教授の研究室は非常に刺激的な環境と言えるでしょう。
中国経済や中小企業論、地域経済に関心がある方は、ぜひ駒形教授の著書や論文に触れ、自分自身の問いを深めてみてください。
※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。最新の研究内容や募集要項については、必ず公式サイトをご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


