
慶應SDM面接でよく聞かれる質問とは?質問の意図と回答準備のポイントを解説
院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは「慶應SDM面接でよく聞かれる質問とは?質問の意図と回答準備のポイントを解説」です。
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科、通称慶應SDMの1次選考を通過すると、次に待っているのが2次選考です。
面接対策というと、想定質問に対する回答を暗記することを思い浮かべる方もいるでしょう。しかし、大学院入試の面接では、準備した文章を滑らかに話せるかどうかだけが見られているわけではありません。
面接官は、受験生がどのような問題意識を持ち、なぜ慶應SDMで研究したいのか、研究計画を自分の言葉で説明できるかを確認します。また、質問への応答を通じて、考えを整理する力や、指摘を受け止めて対話できる姿勢も見られると考えられます。
この記事では、一般的な大学院面接で想定される質問をもとに、慶應SDMの2次選考に向けて準備したい回答の考え方を解説します。
なぜ慶應SDMを志望したのですか
志望理由は、面接で最も基本となる質問の一つです。
この質問では、研究科の知名度や環境への憧れではなく、自分の問題意識と慶應SDMの教育・研究内容がどのようにつながっているかを説明する必要があります。
「実践的に学びたい」「幅広い分野を学べるから」という回答だけでは、ほかの大学院でもよいのではないかと思われる可能性があります。
自分が解決したい課題には、技術、組織、人間、制度など複数の要素が関係しており、一つの専門分野だけでは十分に扱えないことを説明しましょう。その上で、慶應SDMのどのような考え方や研究環境が必要なのかを具体的に伝えます。
なぜMBAやほかの研究科ではないのですか
社会人受験生の場合は、MBAや経営系大学院との違いを聞かれる可能性があります。理系分野の研究を希望する方であれば、一般的な工学系研究科との違いを問われることも考えられます。
この質問の意図は、ほかの研究科を批判させることではなく、受験生が自分の研究目的に合った進学先を選べているかを確認することにあります。
経営知識だけを学びたいのではなく、技術や利用者、社会制度まで含めて課題を捉えたいことや、技術そのものだけでなく社会へ実装する仕組みまで研究したいことを説明するとよいでしょう。
自分の課題に対して、なぜ慶應SDMの学際的なアプローチが必要なのかを答えることが重要です。
研究テーマを簡潔に説明してください
研究計画書を提出していても、面接では研究テーマを短く説明するよう求められる可能性があります。
この質問では、研究内容を自分自身が理解しているか、専門外の相手にも分かりやすく説明できるかが確認されます。
研究計画書をそのまま読み上げるのではなく、研究背景、問題意識、研究目的、方法、期待する成果を要約しましょう。
最初に「私は〇〇という課題について研究したいと考えています」と結論を示し、なぜその課題が重要なのか、何を明らかにしたいのかを続けます。
一分程度と三分程度の両方で説明できるように練習しておくと、質問に合わせて調整しやすくなります。
その研究にはどのような社会的意義がありますか
研究テーマが本人にとって興味深いだけでなく、社会や組織にどのような価値をもたらすのかを確認する質問です。
「社会に貢献したい」という抽象的な回答ではなく、誰が抱えているどのような課題を改善できるのかを説明しましょう。
例えば、業務システムの導入を研究する場合は、企業の効率化だけでなく、現場の負担、利用者の行動、意思決定の仕組みなどへの影響も考えます。
研究成果が活用された場合に何が変わるのかを具体的に説明することで、研究の必要性が伝わります。
なぜその研究方法を選んだのですか
研究方法に関する質問では、研究目的と調査方法が正しく対応しているかが確認されます。
アンケート、インタビュー、事例分析、データ分析などの方法を挙げるだけではなく、その方法によって何を明らかにできるのかを説明してください。
例えば、利用者の意識や行動の背景を知りたいのであれば、インタビューが有効かもしれません。一方、問題の規模や傾向を確認したい場合は、アンケートや数値データの分析が必要になることがあります。
現時点で細部まで決まっていない場合も、現在考えている方法と、入学後に検討したい課題を分けて答えるとよいでしょう。
研究計画の弱点や限界は何ですか
面接では、研究計画に対する厳しい質問を受けることもあります。
これは受験生を否定するためではなく、自分の計画を客観的に見られているか、指摘に柔軟に対応できるかを確認する質問と考えられます。
対象者の確保、データ収集の難しさ、研究期間、結果の一般化など、想定される限界を整理しておきましょう。
弱点がないと答えるのではなく、課題を認識した上で、どのように補うかを説明する方が説得力があります。
これまでの経験は研究にどうつながりますか
社会人であれば職務経験、学生であれば大学での研究や課外活動と、研究テーマとの関係を問われる可能性があります。
この質問では、経歴の華やかさよりも、経験からどのような問題意識を持ったのかが重要です。
成果だけでなく、現場でうまくいかなかった経験や、自分の知識では解決できなかった課題も研究動機につなげられます。
どのような場面で問題を感じ、何を試み、何が不足していたのかを整理すると、慶應SDMで学ぶ必要性を説明しやすくなります。
異なる意見を持つ人と協働した経験はありますか
慶應SDMには、専門、年齢、職歴などが異なる多様な学生が集まることが想定されます。そのため、他者との協働経験について聞かれる可能性があります。
この質問では、リーダー経験の有無だけではなく、自分と異なる意見をどのように理解し、合意形成へつなげたかが重要です。
対立を押し切った話ではなく、相手の立場を確認し、目的を共有し、役割や計画を調整した過程を具体的に説明しましょう。
結果が完全な成功でなくても、何を学び、その後の行動をどう変えたかを伝えられれば、成長する姿勢を示せます。
仕事や学業と大学院を両立できますか
社会人受験生や、ほかの活動を続けながら進学する方には、学業との両立について質問される可能性があります。
ここでは、熱意だけではなく、現実的な計画があるかを確認されます。
勤務時間、通学方法、平日と休日の学習時間、職場や家族の理解などを具体的に整理しておきましょう。
「忙しくても頑張ります」ではなく、研究時間をどのように確保するのか、繁忙期にはどう対応するのかを説明することが大切です。
修了後に何を実現したいですか
修了後の進路については、転職や昇進といった個人的な目標だけでなく、研究成果をどのように社会へ活かすのかを説明しましょう。
例えば、現在の組織で新しい仕組みを導入したい、特定業界の課題改善に携わりたい、研究を継続したいなど、研究テーマとつながる将来像を示します。
入学前の問題意識、大学院での研究、修了後の活動が一本の線でつながっていると、志望理由に説得力が生まれます。
最後に質問はありますか
面接の最後に、教員への質問を求められる場合があります。
無理に難しい質問を用意する必要はありませんが、公式サイトを見れば分かることだけを質問するのは避けた方がよいでしょう。
自分の研究テーマと関係する学び方、研究プロジェクトへの参加、複数分野の教員から指導を受ける方法など、入学後の研究を具体的に考えた質問を準備します。
ただし、質問の機会が設けられるとは限りません。入試情報や面接形式については、研究科からの案内に従ってください。
回答を丸暗記しない
想定質問への回答を文章として準備することは有効ですが、一字一句暗記するのはおすすめできません。
暗記した回答は、質問の表現が変わっただけで答えにくくなったり、追加質問に対応できなくなったりする可能性があります。
質問ごとに、結論、理由、具体例、慶應SDMとの接点という要点を整理し、自分の言葉で話す練習をしましょう。
回答は最初に結論を示し、その後に理由を説明すると分かりやすくなります。長く話しすぎず、面接官の反応を見ながら必要に応じて補足してください。
模擬面接では深掘り質問まで練習する
一人で回答を読むだけでなく、第三者に面接官役を依頼し、模擬面接を行いましょう。
「なぜですか」「具体的にはどういう意味ですか」「その方法で本当に調査できますか」といった深掘り質問をしてもらうことで、自分の説明が不足している部分に気づけます。
録音や録画を行い、話す速度、表情、視線、結論までの長さを確認する方法も有効です。
分からない質問へ無理に答えを作るのではなく、現時点で分かることと今後の検討課題を分けて説明する練習もしておきましょう。
出願書類と事前コンタクトを読み返す
慶應SDMでは、出願前に教員との事前コンタクトが必要です。申込みフォームで送信した内容は、専任教員全員に共有されます。
面接前には、事前コンタクトで伝えた内容、研究計画書、志望理由、経歴書をすべて読み返しましょう。
研究テーマや希望教員、将来の目標に大きな矛盾がないかを確認し、変更した部分がある場合は、その理由を説明できるようにします。
また、各期の出願締切日から2次選考の合格発表までは、事前コンタクト申込みフォームが閉鎖されます。面接直前に教員へ相談することはできないため、手元の資料をもとに準備を進めてください。
面接日時の変更はできない
2次選考の試験時間は、1次選考の合格発表時に慶應SDM研究科から指定されます。受験生の希望による時間変更や調整は行われません。
受験する期を決めた段階で、2次選考日は終日空けておきましょう。
社会人受験生は勤務先への共有、遠方から受験する方は宿泊や交通機関の手配も早めに検討することが大切です。
まとめ
慶應SDMの2次選考に向けては、想定質問の答えを覚えるのではなく、質問の意図を考えながら準備することが重要です。
志望理由、研究テーマ、研究方法、これまでの経験、修了後の目標を、自分の言葉で一貫して説明できるようにしましょう。
研究計画の弱点や反対意見についても考え、厳しい質問を受けたときに落ち着いて対話できる状態をつくることが大切です。
事前コンタクト、出願書類、面接回答の内容を一致させ、模擬面接では深掘り質問まで練習してください。
面接は用意した正解を発表する場ではなく、自分の研究構想を教員へ説明し、質問を通じて考えを深める対話の場です。十分な準備を行い、研究への熱意と学ぶ姿勢を落ち着いて伝えましょう。
注意事項:本記事で紹介した質問は、一般的な大学院入試やシステムデザイン・マネジメント分野の特性をもとに想定したものであり、実際に慶應SDMの面接で出題されることを保証するものではありません。面接形式、所要時間、質問内容、実施方法、試験時間、事前コンタクトなどは変更される場合があります。受験準備を進める際は、必ず慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の公式サイト、最新の入学試験要項および1次選考合格後に通知される案内をご確認ください。
志樹舎
では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、
無料相談
にお気軽にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


