
【KMD面接対策①】回答書の要約を極める:1分・3分・5分それぞれの時間制限対策
院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。今回のテーマは「【KMD面接対策①】回答書の要約を極める:1分・3分・5分それぞれの時間制限対策」です。
KMD(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)の面接対策では、提出した出願書類の内容を自分の言葉で説明できるようにしておくことが重要です。書類では十分に説明できていても、面接になると「何から話せばよいのか分からない」「説明が長くなってしまう」という受験生は少なくありません。
特に意識しておきたいのが、限られた時間の中で内容を要約して伝える練習です。1分、3分、5分では、盛り込める情報量も、求められる説明の深さも変わります。今回は、提出書類や研究テーマについて短時間で説明するための考え方と、具体的な練習方法を解説します。
なぜ時間を意識した要約練習が必要なのか
大学院の面接では、書類に書いた内容を最初から最後まで読み上げればよいわけではありません。面接官が知りたいのは、志願者自身が研究テーマや問題意識を理解し、その要点を自分の言葉で説明できるかどうかです。
限られた時間で説明するためには、「何が最も重要なのか」を自分で判断しなければなりません。つまり、要約する力は、そのテーマに対する理解の深さとも関係しています。
また、KMDでは多様な専門分野を持つ教員や学生とのコミュニケーションが求められます。自分の専門分野について、相手の知識量や与えられた時間に合わせて説明を変える力は、入学後の研究活動やリアルプロジェクトでも重要になります。
そのため、面接対策では一つの長い回答だけを暗記するのではなく、同じ内容を異なる長さで説明できる状態を目指しましょう。
1分版は「研究の核心」だけを伝える
1分で説明する場合は、細かな背景や方法まで盛り込む余裕はほとんどありません。「私は何を問題だと考えているのか」「KMDで何に取り組みたいのか」という核心部分を優先します。
基本的には、問題意識、取り組みたいテーマ、そのテーマに取り組む理由という流れを意識するとまとめやすくなります。
たとえば、自分の仕事で感じた課題が研究の出発点になっているのであれば、その経験を長く説明する必要はありません。「仕事を通じて○○という課題を感じた。そのためKMDでは○○について研究したい」というように、研究テーマにつながる部分だけを残します。
1分版では、説明の網羅性よりも、「この人は何をしたい人なのか」が相手に伝わることを優先しましょう。聞き手がその後に質問したくなる程度の情報量でも構いません。
3分版では背景とアプローチを加える
3分程度の時間がある場合は、1分版の内容に、研究テーマを考えるようになった背景や、どのような方法で取り組みたいのかを加えていきます。
おすすめなのは、「背景・課題」「研究テーマ」「取り組み方」「KMDで学ぶ理由」という流れです。
ここでは、自分自身の経験を具体的に説明する余裕も出てきます。ただし、経歴紹介が中心にならないよう注意が必要です。重要なのは、経験そのものではなく、その経験から何を感じ、どのような問題意識を持ち、それが現在の研究テーマへどうつながったのかという流れです。
また、KMDのリアルプロジェクトや研究環境との接点について触れることで、「なぜKMDなのか」まで自然に説明できると、より説得力のある内容になります。
5分版では研究全体のストーリーを見せる
5分程度の時間が確保されている場合は、研究テーマの背景から将来像まで、より立体的に説明できます。
たとえば、問題意識が生まれた背景、現在どのような課題が存在しているのか、自分は何を明らかにしたいのか、どのような方法で取り組むのか、KMDの環境をどう活用したいのか、そして研究成果を将来どのように社会へつなげたいのか、という流れです。
ただし、5分あるからといって、提出書類の内容をすべて説明する必要はありません。むしろ情報を詰め込みすぎると、聞き手にとって重要なポイントが分かりにくくなります。
5分版でも中心となるメッセージは1分版と同じです。説明時間が長くなった分だけ、その根拠や具体例を追加していくイメージを持つと、話の軸がぶれにくくなります。
まず1分版を作り、そこから広げていく
要約を作る際は、最初から5分版を作るよりも、まず1分版を完成させる方法がおすすめです。
提出した回答書やSoP、研究計画などを読み返し、「絶対に伝えなければならない内容」を抜き出します。その内容だけで1分版を作り、そこに背景や研究方法を加えて3分版へ、さらに社会的意義やKMDとの接点を加えて5分版へと広げていきます。
この方法には、自分の研究テーマの中心部分が明確になるというメリットがあります。
反対に、最初に長い原稿を作ってから削ろうとすると、「これも必要」「あれも必要」となり、結局どこが重要なのか分からなくなりがちです。短い説明から長い説明へ広げるほうが、軸を保ったまま情報量を調整しやすくなります。
英語では「暗記」よりもキーワードを覚える
KMDの面接を想定する場合、英語での説明練習も重要になります。このとき注意したいのが、英文を一字一句暗記しようとしないことです。
原稿を完全に暗記すると、途中で一つの単語を忘れただけで、その後の内容まで出てこなくなることがあります。また、暗記した文章を思い出すことに意識が向きすぎると、面接官との自然なコミュニケーションが難しくなることもあります。
おすすめなのは、「problem」「background」「approach」「why KMD」「future」のように、自分の中で話の順序を示すキーワードを決めておくことです。
同じ内容を毎回少し違う英語で説明できる状態になれば、本番で質問の順番が変わった場合にも対応しやすくなります。
必ず時間を計って声に出す
要約原稿を作っただけでは、面接対策としては十分ではありません。必ず実際に声に出し、時間を計って練習しましょう。
文章で読むと短く感じても、英語で説明すると想像以上に時間がかかることがあります。時間に収めようとして早口になると、発音が崩れたり、聞き手が内容を理解しにくくなったりします。
スマートフォンなどで録画し、自分の話し方を確認する方法も有効です。時間だけでなく、話す速度、視線、表情、声の大きさ、不要な間なども客観的に確認できます。
1分版、3分版、5分版をそれぞれ数回練習し、時間を見なくてもおおよその長さが分かるようになるまで繰り返しておくと、本番でも落ち着いて対応しやすくなります。
要約の後に聞かれる質問まで準備する
要約説明は、それだけで面接が終わるものではありません。説明した内容をきっかけに、教員からさらに質問されることを想定しておきましょう。
「なぜその課題に注目したのですか」「既存の研究との違いは何ですか」「なぜKMDでなければならないのですか」「実現可能性はありますか」といった形で、説明した内容をさらに掘り下げられる可能性があります。
そのため、要約ではすべてを説明し切ろうとする必要はありません。短い説明では研究の骨格を伝え、詳しい内容は質問されたときに答えるという意識を持つと、自然な面接になりやすくなります。
まとめ
KMDの面接対策では、提出した書類の内容をそのまま覚えるのではなく、自分の研究テーマや問題意識を短時間で説明できるよう整理しておくことが重要です。
1分版では研究の核心、3分版では背景やアプローチ、5分版ではKMDとの接点や社会的意義まで含めるというように、同じテーマを異なる情報量で説明できるよう準備しておきましょう。
そして、原稿を作ったら必ず声に出し、実際に時間を計りながら練習してください。最終的には原稿を暗記するのではなく、自分の言葉で柔軟に説明できる状態を目指すことが大切です。
面接官から予定とは異なる時間で説明を求められたとしても、自分の研究の中心が整理できていれば対応しやすくなります。時間制限への対策を通じて、自分の研究テーマそのものへの理解も深めていきましょう。
※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。KMDの面接における質問内容、回答方法、説明時間、面接形式などは、年度や入試期によって変更される可能性があります。実際の面接では、研究科から示された案内や面接官の指示に従ってください。受験の際は、必ず慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の公式サイトおよび最新の募集要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。

