KMDは不合格でも再受験できる?「出願回数に制限なし」のルールと再挑戦のポイント

院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。今回のテーマは「KMDは不合格でも再受験できる?『出願回数に制限なし』のルールと再挑戦のポイント」です。

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科、通称KMDを目指している方の中には、「もし一度不合格になったら、もう受験できないのではないか」「同じ年度にもう一度挑戦することはできるのだろうか」と不安を感じている方もいるでしょう。

KMDでは、不合格となった場合の再出願について、公式FAQで明確なルールが示されています。現在の案内では、再度出願できる回数に制限はなく、何度でも出願することが可能です。また、以前に不合格となった受験生が再出願する場合には、前回提出した出願書類をすべて改めて提出する必要があります。

再受験の道が用意されていることは受験生にとって心強いポイントですが、同じ準備をそのまま繰り返せばよいわけではありません。今回は、KMDの再出願ルールと、再挑戦を合格につなげるために考えておきたいポイントを解説します。


KMDは再出願の回数に制限がない

KMD公式の入試FAQには、「不合格となった場合、再度出願できる回数に制限はありますか」という質問に対して、「ありません。出願は何度でも可能です」と明記されています。

そのため、一度KMDを受験して不合格になったとしても、それだけで受験の機会がなくなるわけではありません。自分の状況や募集日程を確認しながら、改めてKMDを目指すことができます。

KMDの修士課程入試は年度内に複数のApplication Periodが設定されることがあります。実際に2026年度の修士課程入試についても複数の出願期が設定されています。ただし、入学時期や各期の募集内容、出願資格などは年度によって異なる可能性があるため、「次の期なら必ず再受験できる」と自己判断するのではなく、その都度最新の募集要項を確認することが必要です。


再受験でも出願書類はすべて提出し直す

再出願を考える際に、特に注意したいのが書類の扱いです。

KMD公式FAQでは、不合格後に再受験する場合、以前提出した出願書類についても、すべて再提出が必要とされています。前回提出した書類が大学側に残っているからといって、それを次回の出願に流用してもらえるわけではありません。

そのため、卒業証明書や成績証明書など、発行に時間がかかる書類については早めに準備しておく必要があります。また、一度しか発行できない書類の原本については提出しないよう、KMD側からも注意が示されています。再発行できない書類については、募集要項に従って適切な方法を確認しましょう。

再受験だから手続きが簡略化されるとは考えず、新規出願と同じような意識で準備を進めることが重要です。


不合格になったら、まず前回の出願を振り返る

再受験を考えるのであれば、最初にやっておきたいのが前回の振り返りです。

「運が悪かった」「次はもっと頑張ろう」だけで終わらせるのではなく、一次選考で不合格だったのか、二次選考まで進んだのかによって、改善すべき部分を整理してみましょう。

一次選考で不合格だった場合は、出願書類を改めて確認します。研究テーマは具体的だったか、なぜKMDでなければならないのかが伝わっていたか、自分の経験と研究テーマが自然につながっていたか、KMDでの学びを理解した内容になっていたかなどを見直してみてください。

自分では十分に書けていると思っていた文章でも、第三者が読むと研究目的が分かりにくかったり、「なぜKMDなのか」が弱かったりすることがあります。自分の文章を一度離れた視点から読むことが大切です。


面接まで進んだ場合は質問と回答を記録する

二次選考まで進んだうえで不合格になった場合は、面接直後の記憶が残っているうちに質問内容を書き出しておくことをおすすめします。

どのような質問をされたのか、自分はどう答えたのか、回答に詰まった質問は何だったのか、追加質問が多かった部分はどこだったのかを整理してみましょう。

たとえば、研究の新規性について十分に説明できなかったのであれば、先行研究の調査が不足していた可能性があります。研究の実現可能性について何度も確認されたのであれば、研究方法やスケジュールが具体的ではなかった可能性もあります。

KMDでは英語による入試が実施されているため、「内容は分かっていたが英語で説明できなかった」というケースも考えられます。その場合は、英語力だけを漠然と鍛えるのではなく、自分の研究内容を英語で説明する練習を増やすなど、課題を具体的にしたほうが次回の対策につながります。


同じ書類をそのまま出すのは避けたい

制度上、何度でも出願できるからといって、前回の志望理由や研究内容をそのまま提出することはおすすめできません。

前回から研究テーマ自体を変更する必要があるとは限りません。しかし、同じテーマで挑戦する場合でも、問題設定、研究方法、社会的意義、KMDとの接点などを改めて見直すことが大切です。

たとえば、前回の受験後に関連する論文を読み直したり、実際の利用者へヒアリングしたり、小さなプロトタイプを制作したりすることもできます。こうした行動を通じて研究テーマへの理解が深まれば、出願書類の内容にも具体性が加わります。

「もう一度受けたい」という気持ちだけではなく、「前回から何を学び、何を改善したのか」を自分自身で説明できる状態を目指しましょう。


再受験までの期間をどう使うかが重要

再受験では、不合格になったことそのものよりも、その後の時間をどのように使ったかが重要です。

たとえば、自分が研究したいテーマについて追加調査を行う、関連イベントに参加する、KMDのリアルプロジェクトを改めて調べる、英語面接の練習を増やすなど、改善できることはさまざまあります。

社会人であれば、仕事の中で自分の研究テーマに関連する課題をより深く観察することもできます。学生であれば、卒業研究や授業、インターンシップなどを通じて研究テーマにつながる経験を増やすこともできるでしょう。

再受験までの期間を単なる「待ち時間」にせず、自分の研究や問題意識を深める時間として活用することが大切です。


再出願でも締切は厳守

再受験の際には、出願手続きにも注意が必要です。KMD公式FAQでは、すべての出願書類を出願期間内に提出する必要があり、期間終了後に追加書類を提出することは認められていないと明記されています。

「前回受験しているから手続きは分かっている」と油断すると、募集要項の変更や必要書類の違いを見落とす可能性があります。

入試制度や提出方法は変更されることがありますので、再出願のたびに、その年度・その入試期の最新募集要項を最初から確認してください。


一人で原因を決めつけないことも大切

不合格になると、「研究テーマが悪かったのだろう」「英語が原因だったに違いない」と、自分なりに理由を決めつけてしまうことがあります。しかし、実際の選考は複数の要素から総合的に判断されるため、本人の推測だけで原因を特定するのは難しいものです。

そこで、前回提出した書類や面接での回答を第三者に見てもらい、客観的な意見を受ける方法もあります。

志樹舎でも、研究テーマ、志望理由、出願書類、英語面接などを個別に確認しながら、再受験に向けて改善すべきポイントを整理することができます。大切なのは、前回と同じ対策を繰り返すのではなく、自分に不足していた部分を見つけ、次の受験までに具体的に改善することです。


まとめ

KMDでは、不合格となった場合でも再出願の回数に制限はなく、公式FAQでも「出願は何度でも可能」と明記されています。

ただし、再受験できることと、同じ内容で何度も挑戦すればよいということは別です。再出願する場合には、以前提出した書類もすべて改めて提出する必要があります。

一度不合格になった場合は、まず前回の出願書類や面接を振り返り、自分の研究テーマ、志望理由、KMDとの接点、英語での説明力などを一つずつ確認してみましょう。そして、再受験までの期間に新しい調査や経験を積み、「前回の自分から何が変わったのか」を説明できる状態にすることが重要です。

KMDへの挑戦は、一度の結果だけで終わる必要はありません。制度として再出願が認められているからこそ、結果を冷静に振り返り、次の出願をより完成度の高いものにしていきましょう。


※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。現在、KMD公式サイトでは不合格後の再出願回数に制限はないと案内されていますが、出願回数、必要書類、募集時期、出願資格、選考方法などの規定は今後変更される場合があります。再受験を検討される際は、必ず慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の公式サイトおよび受験する入試期の最新募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。