【SFC大学院入試】「日常のなかの創造」アート志望者向け研究計画・ポートフォリオ面接対策
院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは「【SFC大学院入試】『日常のなかの創造』アート志望者向け研究計画・ポートフォリオ面接対策」です。
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科(SFC)の入試では、研究計画書(プロポーザル)と面接が合否を左右します。「日常のなかの創造」アカデミックプロジェクトを志望する場合は、それに加えて、自身の制作活動や表現について具体的に説明できることも重要です。
「作品を作ることが好きだから」「アートを学びたいから」という理由だけでは、SFCで評価される研究計画にはなりません。SFCでは、芸術表現そのものよりも、アートを通じて社会の課題をどのように発見し、新しい価値を生み出せるかという視点が重視されています。
この記事では、「日常のなかの創造」プロジェクトを志望する受験生に向けて、研究計画書の考え方、ポートフォリオのまとめ方、面接対策について詳しく解説します。
「日常のなかの創造」とはどのような研究なのか
一般的な芸術系大学院では、絵画やデザイン、映像などの作品制作そのものが研究の中心になることがあります。しかし、SFCの「日常のなかの創造」では、作品を制作することだけが目的ではありません。
日常生活の中にある違和感や課題、人々の行動や文化、地域社会との関わりなどを観察し、その中から新しい表現やコミュニケーションの可能性を見つけ出すことが重要になります。
例えば、公共空間でのアート、地域コミュニティとの共同制作、デジタル技術を活用した参加型作品、日常の行動を変えるデザインなど、社会との接点を持つ研究が数多く行われています。
つまり、「美しい作品を作る」だけではなく、「作品によって社会にどのような変化を生み出せるか」という視点が求められるのです。
研究計画書で評価される3つのポイント
日常の課題を研究テーマにする
SFCではPBL(Project Based Learning)の考え方を重視しています。
そのため、研究テーマも自分自身で課題を発見することから始めます。
例えば、「アートを研究したい」というテーマでは漠然としています。
「高齢者が地域で交流するきっかけとなるアートイベントをデザインしたい」「子どもたちが地域文化に興味を持つ参加型作品を制作したい」「デジタルアートによって障害の有無に関係なく楽しめる展示空間を作りたい」といったように、社会課題と結び付いたテーマへ具体化することが重要です。
研究計画書では、なぜその課題に関心を持ったのか、自分自身の経験や活動と関連付けて説明すると説得力が高まります。
制作だけで終わらない研究方法を示す
「作品を制作します」という内容だけでは、研究計画としては不十分です。
制作後にどのような効果を検証するのかまで計画に含めましょう。
例えば、展示会を開催して来場者へのアンケートを実施する、ワークショップを行い参加者の変化を観察する、インタビューや行動分析を行うなど、研究として成果を検証する方法を具体的に示します。
アートとリサーチを組み合わせることで、SFCらしい実証的な研究になります。
分野融合を積極的に取り入れる
SFCでは「インテグレーテッド・ディシプリン(分野融合)」が教育の大きな特徴です。
アートだけで完結する研究よりも、情報科学やデザイン、心理学、教育学、地域政策などを組み合わせた研究が高く評価されます。
例えば、AIを活用した作品制作、VRやARによる没入型アート、センサー技術を利用したインタラクティブ作品、地域デザインと芸術活動を組み合わせたプロジェクトなどは、SFCらしい研究テーマになります。
「アート×○○」という視点を持つことで、自分だけの独自性を打ち出すことができます。
ポートフォリオで意識したいポイント
作品数を多く並べることよりも、一つひとつの作品について「なぜ制作したのか」「どのような課題意識があったのか」「何を学んだのか」を説明できることが重要です。
ポートフォリオには完成作品だけでなく、アイデアスケッチや試作、制作プロセス、改善の過程なども掲載すると、思考力や研究姿勢が伝わります。
また、地域イベントへの参加、ワークショップの企画運営、共同制作など、社会との接点がある活動は積極的に盛り込みましょう。
SFCでは、完成度だけではなく、課題発見から改善までのプロセスも重視されています。
面接でよく聞かれる質問
面接では作品について詳しく質問されるだけではありません。
「なぜこのテーマを選んだのですか」「作品によって誰を幸せにしたいのですか」「制作後にどのような効果を検証しますか」「なぜSFCでなければならないのですか」といった質問にも答えられるよう準備しておきましょう。
また、「アートは社会にどのような価値を提供できると考えていますか」という質問も想定されます。
自分の作品だけを語るのではなく、社会との関係や将来の展望まで説明できることが重要です。
SFCだからこそ実現できる研究を伝える
面接では、「入学後にどのような研究活動を行いたいか」も必ず聞かれます。
SFCには多様なアカデミックプロジェクトがあり、芸術分野だけでなく、情報科学、環境デザイン、コミュニティデザイン、教育など幅広い分野の研究者と交流できます。
さらに、フィールドワークや地域との共同研究、国内外でのプロジェクト活動など、教室の外で学ぶ機会も豊富です。
「作品制作だけではなく、多様な専門家と協力しながら社会に新しい価値を生み出したい」という姿勢を伝えることで、SFCとの相性をアピールできます。
また、研究成果を地域社会や公共空間、企業との共同プロジェクトなどで実践したいというビジョンを示すことも効果的です。
まとめ
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科「日常のなかの創造」では、芸術作品そのものではなく、アートを通じて社会課題を発見し、新しい価値を生み出す姿勢が求められます。
研究計画書では、日常生活の中にある課題を明確にし、その解決方法としてアートやデザインをどのように活用するのかを具体的に示しましょう。また、作品制作だけで終わらず、フィールドワークや実証研究を取り入れ、社会実装まで見据えた計画にすることが重要です。
ポートフォリオでは作品の完成度だけでなく、制作の背景や課題意識、改善の過程を丁寧にまとめることで、自分の研究姿勢を伝えることができます。
面接では「なぜSFCなのか」「作品によって社会をどう変えたいのか」を自分の言葉で語れるよう準備し、自信を持って入試に臨みましょう。
※入試制度や募集要項、アカデミックプロジェクト、教員情報などは変更される場合があります。出願前には必ず慶應義塾大学大学院の公式サイトおよび最新の募集要項をご確認ください。
志樹舎
では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、
無料相談
にお気軽にお申し込みください。
※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


