【慶應SFC院試】「ヒューマンサービスとコミュニティ」対策:現場主義を活かした研究テーマの作り方

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今回のテーマは「【慶應SFC院試】『ヒューマンサービスとコミュニティ』対策:現場主義を活かした研究テーマの作り方」です。

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科、いわゆるSFC大学院の入試では、研究計画書であるプロポーザルと面接が合否を大きく左右します。特に「ヒューマンサービスとコミュニティ」に関心がある受験生は、福祉や医療、地域社会の制度を理解するだけでなく、現場で起きている課題を発見し、新しい支援の仕組みとして提案する力が求められます。

ヒューマンサービスとは、人々の生活を支える福祉、医療、教育、子育て支援、就労支援、地域活動などを幅広く含む考え方です。制度が整っていても、必要な人に支援が届いていなかったり、複数の課題を抱える人が制度の間に取り残されたりすることもあります。

この記事では、「ヒューマンサービスとコミュニティ」を志望する受験生に向けて、現場主義を活かした研究テーマの作り方と、評価されるプロポーザル、面接で伝えたいポイントを分かりやすく整理します。


ヒューマンサービスとコミュニティで求められるのは、生活者の視点

一般的な社会福祉学や社会学の大学院では、福祉制度、社会保障、地域コミュニティ、支援方法などを文献や統計から分析することが中心になる場合があります。もちろん、こうした学術的な基礎は重要です。

一方で、SFCでは、制度を外側から評価するだけでなく、実際に支援を受ける人や支援する人の立場から課題を捉える姿勢が重視されます。例えば、ヤングケアラーが学校や相談機関につながりにくい問題、高齢者が移動手段を失って通院や買い物が難しくなる問題、外国人住民が言語の壁によって福祉サービスを利用しにくい問題などが考えられます。

そのため、プロポーザルでは「高齢者福祉について研究したい」「地域コミュニティを活性化したい」と書くだけでは不十分です。どの地域で、誰が、どのような場面で困っているのか、その背景にどのような制度や環境の問題があるのかを具体的に示す必要があります。


合格する研究テーマに必要な3つの視点

現場から具体的なイシューを見つける

SFCのプロポーザルでは、自分自身で課題を発見し、研究として提案する姿勢が重視されます。大きな社会問題をそのまま掲げるのではなく、対象者、地域、利用場面を絞り込むことが大切です。

例えば、「ヤングケアラーを支援したい」というテーマだけでは、研究の焦点が見えにくくなります。一方で、「家族の介護や家事を担う高校生が、学校内で悩みを相談しにくい背景を調査し、学校と地域の支援機関をつなぐ仕組みを提案する」とすれば、課題、対象、方法、社会的意義が明確になります。

また、「地方の医療アクセスを研究したい」という場合も、「公共交通が少ない地域で高齢者が通院を続けるために、自治体、医療機関、地域住民が連携する移動支援モデルを検討する」と具体化すると、SFCらしい実践的な研究テーマになります。

分野融合の視点を取り入れる

ヒューマンサービスを扱う研究では、社会福祉学だけでなく、医療、教育、心理学、情報科学、データ分析、都市計画、交通、経営、デザインなどを組み合わせることができます。

例えば、高齢者の見守りを扱う場合は、地域福祉の視点に加えて、IoT機器やセンサーを活用する方法があります。孤立の問題を研究する場合は、インタビューだけでなく、地域活動への参加状況やオンライン上のつながりを分析することも考えられます。

また、相談支援につながりにくい人に対して、チャット相談や情報案内サービスを試作する研究も可能です。ただし、技術を入れること自体を目的にしてはいけません。誰のどのような困りごとを解決するために、その方法が必要なのかを明確にすることが重要です。

社会実装までの計画を具体的に描く

SFCでは、研究成果を論文としてまとめるだけでなく、実際の現場で試し、効果を検証する姿勢が重視されます。ヒューマンサービスの研究では、当事者、支援者、自治体、NPO、医療機関などとの連携が欠かせません。

プロポーザルには、どの地域や施設で調査するのか、誰にヒアリングするのか、どのようなサービスや仕組みを試すのかを具体的に書きましょう。対象者への負担や個人情報、倫理的な配慮についても考えておく必要があります。

例えば、地域の居場所づくりを研究する場合は、住民や支援者への聞き取りを行い、小規模な交流プログラムを試したうえで、参加者の変化や継続性を検証する流れが考えられます。調査して終わりではなく、現場から得た反応をもとに改善する過程まで描くことで、実践的なプロポーザルになります。


面接ではSFCで学ぶ必然性を語る

書類審査を通過した後の面接では、「なぜそのテーマなのか」「なぜヒューマンサービスとコミュニティなのか」「なぜSFCで研究する必要があるのか」が問われます。

自分の研究テーマとアカデミックプロジェクトの問題意識がどのようにつながるのかを説明できるようにしておきましょう。ただ参加したいと伝えるだけでなく、自分が持つ経験や専門性をチームにどう持ち込み、どのような役割を果たしたいのかまで語ることが大切です。

また、行政、企業、NPOなどと連携して新しい支援の仕組みを作りたい場合は、社会イノベーションや事業運営に関する学びを研究計画と結び付けることもできます。東アジアの福祉課題を比較したい場合は、国際的な学修環境や海外大学との交流を活用する構想も考えられます。

フィールドワークや実証実験を行いたい場合は、研究支援制度の活用も視野に入ります。ただし、制度名を並べるだけでは十分ではありません。どの地域で何を調べ、その成果を誰にどのように返したいのかまで説明しましょう。


まとめ

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科の「ヒューマンサービスとコミュニティ」では、福祉や医療の制度に関する知識だけでなく、生活者の視点から現場の課題を発見し、新しい支援の仕組みを形にする力が求められます。

合格につながるプロポーザルを作るためには、対象者や地域を絞った具体的なイシュー設定、分野融合の視点、そして現場での検証と社会実装までの計画を一貫して示すことが重要です。支援する側の都合だけで考えるのではなく、当事者が本当に必要としているものを丁寧に捉える姿勢も欠かせません。

自分自身の経験や現場で感じた違和感を出発点にしながら、SFCだからこそ実現できる研究計画を組み立てていきましょう。誰もが地域の中で孤立せず、必要な支援につながれる社会をどのように実現したいのかを、自分の言葉で伝えることが合格への第一歩になります。


※入試制度や募集要項、研究領域、アカデミックプロジェクト、教員情報、各種制度の内容は変更される場合があります。出願前には必ず慶應義塾大学大学院の公式サイトおよび最新の募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。