【慶應SFC院試】「プラットフォームとイノベーション」研究計画書:社会を変える新構想の描き方

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今回のテーマは「【慶應SFC院試】『プラットフォームとイノベーション』研究計画書:社会を変える新構想の描き方」です。

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科、いわゆるSFC大学院の入試では、研究計画書であるプロポーザルと面接が合否を大きく左右します。特に「プラットフォームとイノベーション」に関心がある受験生は、既存の企業やサービスを分析するだけでなく、社会の中にある課題を発見し、それを解決する新しい仕組みを提案する力が求められます。

プラットフォームとは、人や企業、情報、サービスなどをつなぎ、新しい価値を生み出すための基盤です。SNSや通販サイトのような大規模なサービスだけでなく、地域の移動支援、医療情報の共有、子育て支援、学習機会の提供など、さまざまな分野でプラットフォームの考え方を活用できます。

この記事では、「プラットフォームとイノベーション」を志望する受験生に向けて、社会を変える新構想の作り方と、評価されるプロポーザル、面接で伝えたいポイントを分かりやすく整理します。


求められるのは、既存サービスの分析ではなく新しい仕組みの提案

一般的な経営学や情報工学の大学院では、既存企業のビジネスモデル、利用者行動、システムの仕組み、収益構造などを分析することが中心になる場合があります。もちろん、こうした基礎的な理解は重要です。

一方で、SFCでは、既存の成功事例を調べるだけでなく、社会課題を解決する新しい仕組みを自ら構想し、実際に試す姿勢が重視されます。

例えば、地域の人材や資源を共有するサービス、医療機関と福祉施設をつなぐ情報基盤、学習支援を必要とする子どもと支援者を結ぶ仕組みなども、プラットフォーム研究の対象になります。

そのため、プロポーザルでは「巨大IT企業の経営戦略を研究したい」「シェアリングエコノミーを調べたい」と書くだけでは不十分です。誰が、どのような課題を抱えていて、既存の仕組みではなぜ解決できないのかを明確にする必要があります。


合格するプロポーザルに必要な3つの視点

社会課題から具体的なイシューを設定する

SFCのプロポーザルでは、自分自身で課題を発見し、解決策を提案する姿勢が重視されます。大きなテーマをそのまま掲げるのではなく、対象者、地域、場面、既存制度の限界を絞り込むことが大切です。

例えば、「医療分野のプラットフォームを作りたい」というテーマだけでは、研究の焦点が見えにくくなります。一方で、「在宅医療を利用する高齢者の情報が医療機関、介護事業者、家族の間で十分に共有されない課題を調査し、必要な情報を安全に連携できる仕組みを提案する」とすれば、対象、課題、方法、社会的意義が明確になります。

また、「地域のシェアリングサービスを研究したい」という場合も、「人口減少地域で使われていない車や施設、人材を住民同士で共有する仕組みを設計し、移動や生活支援の不足を補えるか検証する」と具体化すると、SFCらしい実践的な研究テーマになります。

分野融合の視点を取り入れる

プラットフォームの研究では、経営学や情報工学だけでなく、経済学、法学、社会学、心理学、公共政策、福祉、医療、デザインなどを組み合わせることができます。

例えば、利用者をつなぐシステムを作る場合でも、技術だけでは十分ではありません。誰が費用を負担するのか、個人情報をどう守るのか、参加者同士の信頼をどう築くのか、継続的に運営できるのかといった視点が必要です。

AIを使ったマッチング、データ分析による需要予測、ブロックチェーンを用いた履歴管理などの技術も活用できます。ただし、技術を導入すること自体を目的にしてはいけません。自分が設定した社会課題を解決するために、なぜその技術や分野が必要なのかを説明することが重要です。

社会実装までの検証計画を描く

SFCでは、アイデアを考えて論文にまとめるだけでなく、実際の社会で試し、結果を検証する姿勢が重視されます。

プロポーザルには、どのような仕組みやサービスを試作するのか、誰に使ってもらうのか、どのような方法で効果を確かめるのかを具体的に書きましょう。自治体、企業、NPO、医療機関、学校、地域住民など、研究テーマに応じた連携先を想定しておくことが大切です。

例えば、地域の移動支援プラットフォームを試作する場合は、住民や交通事業者へのヒアリングを行い、小規模な地域で実証実験を実施する方法があります。利用件数だけでなく、外出機会の変化、利用者の安心感、運営側の負担なども検証できます。

作って終わりではなく、現場で得た反応をもとに改善し、持続可能な運営方法まで検討することで、プロポーザルの実現可能性が高まります。


面接ではSFCの環境をどう活かすかを語る

書類審査を通過した後の面接では、「なぜそのテーマなのか」「なぜプラットフォームとイノベーションなのか」「なぜSFCで研究する必要があるのか」が問われます。

自分の研究テーマとアカデミックプロジェクトの問題意識がどのようにつながるのかを説明できるようにしておきましょう。ただ参加したいと伝えるだけでなく、自分が持つ実務経験、技術、調査力、問題意識をチームにどう持ち込みたいのかまで語ることが大切です。

また、社会課題の解決と事業の継続性を両立させたい場合は、社会イノベーション、経営、政策などの学びを研究計画と結び付けることができます。海外での展開や国際比較を考えている場合は、国際的な学修環境や海外大学との交流を活用する構想も考えられます。

プロトタイプの開発や実証実験、国際会議での発表を目指す場合は、研究支援制度の活用も視野に入ります。ただし、制度名を並べるだけでは十分ではありません。その制度を使って何を開発し、どこで検証し、どのような成果につなげたいのかまで説明しましょう。


まとめ

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科の「プラットフォームとイノベーション」では、既存の企業やサービスを分析する力だけでなく、社会の課題を発見し、新しい仕組みとして形にする力が求められます。

合格につながるプロポーザルを作るためには、対象者や現場を絞った具体的なイシュー設定、テクノロジーと社会科学を組み合わせる分野融合の視点、そして実証実験と改善までを含めた社会実装の計画を一貫して示すことが重要です。

自分自身の経験や社会に対する違和感を出発点にしながら、SFCだからこそ実現できる新しいプラットフォームを丁寧に構想していきましょう。誰と誰をつなぎ、どのような価値を生み出し、社会をどう変えたいのかを自分の言葉で伝えることが、説得力のあるプロポーザルへの第一歩になります。


※入試制度や募集要項、研究領域、アカデミックプロジェクト、教員情報、各種制度の内容は変更される場合があります。出願前には必ず慶應義塾大学大学院の公式サイトおよび最新の募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。