院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは、法学研究科の研究室訪問・事前相談はどこまで必要かです。
「研究室訪問は必須ですか?」という永遠の質問
法学研究科を目指す受験生から、
ほぼ必ず聞かれる質問があります。
- 研究室訪問は行った方がいいですか
- 事前相談しないと不利ですか
- 行かないと落ちますか
この問いに対する答えを、
最初に明確にしておきます。
研究室訪問・事前相談は、
「必須ではないが、使い方を誤ると不利になる」
という位置づけです。
なぜ研究室訪問が話題になるのか
そもそも、なぜこれほど研究室訪問が話題になるのでしょうか。
理由は単純です。
法学研究科の入試は、
研究テーマ × 指導教員 × 研究環境
の適合性で合否が決まるからです。
そのため受験生は、
- 顔を出した方が有利なのでは
- 事前に覚えてもらうべきでは
と不安になります。
しかし、
ここで発想を間違えると逆効果になります。
法学研究科における事前相談の本来の役割
まず押さえておくべき前提があります。
法学研究科における研究室訪問・事前相談は、
- 面接の前倒し
- 顔見せ
- 熱意アピール
の場ではありません。
本来の役割は、
研究として成立するかの確認
です。
- このテーマは法学研究として妥当か
- この範囲で修士論文が書けるか
- 指導可能な領域か
これを双方で確認する場です。
研究室訪問が「プラス」に働くケース
研究室訪問・事前相談が
明確にプラスに働くのは、次のようなケースです。
- テーマがかなり具体化している
- 指導教員との専門的な重なりがある
- 研究方法について確認したい点がある
この場合、
- テーマの微調整ができる
- 不安要素を事前に潰せる
- 研究計画書の精度が上がる
という実利があります。
研究室訪問が「不要」なケース
一方で、
無理に研究室訪問をしなくてもよいケースもあります。
- 研究テーマがまだ固まっていない
- 文献整理が不十分
- 相談内容が抽象的
この状態で訪問すると、
まだ早い
まずは計画を練ってから
という印象を与えやすくなります。
結果として、
- 指導が大変そう
- 研究として未成熟
と見られてしまうこともあります。
やってはいけない研究室訪問の典型例
研究室訪問で評価を下げてしまうケースには、
共通点があります。
- 「どんなテーマがいいでしょうか」と聞く
- 研究計画書がない
- 目的が曖昧
これは、
教えてもらう前提
受け身の姿勢
と受け取られます。
法学研究科では、
自分で考え、整理し、持ってくる姿勢
が前提です。
評価される相談内容とは何か
評価される研究室訪問・事前相談では、
- 研究テーマの仮説
- 問いの立て方
- 研究範囲の切り方
が明確になっています。
そして質問は、
- この問いは法学的に成立しますか
- この範囲は修士研究として妥当ですか
- 文献の方向性は合っていますか
といった、研究の妥当性確認に集中しています。
「会ったことがある=有利」ではない
重要な誤解を一つ解いておきます。
研究室訪問をしたからといって、
- 顔見知り
- 好印象
だけで合格することはありません。
最終的に評価されるのは、
提出された研究計画書の中身
です。
むしろ、
- 事前相談の内容
と - 提出書類の内容
がズレていると、
話が変わっている
整理できていない
とマイナス評価になることもあります。
社会人受験生が特に注意すべき点
社会人受験生は、
- 忙しい中で時間を作って訪問する
- 実務経験を評価してほしい
という気持ちを持ちがちです。
しかし法学研究科では、
実務経験そのものは評価軸ではない
という点を忘れてはいけません。
評価されるのは、
- 実務経験を
- 法学的な問いに
- どう変換しているか
この一点です。
研究室訪問に行く前の最低条件
研究室訪問・事前相談を考えるなら、
最低限、次の準備が必要です。
- 研究テーマの仮設定
- 先行研究の整理
- 研究計画書の骨子
これが揃っていない場合、
無理に行く必要はありません。
研究室訪問は「戦略の一部」
最後に、最も重要な視点を伝えます。
研究室訪問・事前相談は、
合格の必須条件ではない
一方で、
使い方次第で、合格確率を安定させる武器
になります。
- 行くこと自体が目的
ではなく - 研究を前に進めるための手段
として位置づけることが重要です。
まとめ
法学研究科における研究室訪問・事前相談は、
- 必須ではない
- しかし、軽く考えると危険
という位置づけです。
- テーマが固まっているか
- 相談内容が研究的か
- 書類と整合しているか
この3点を満たす場合にのみ、
大きな意味を持ちます。
次回は、
法学研究科の面接で必ず聞かれる質問と意図
を解説します。
ここから、
面接対策の核心に入っていきます。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


