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今回のテーマは、法学研究科の併願戦略と研究計画書の使い分けです。
法学研究科受験で「併願」が一気に難しくなる理由
法学研究科を受験する人の多くが、
併願についてこう考えます。
- 同じ法学なんだから流用できる
- 研究計画書は少し直せば使える
- 本命と滑り止めで考えればいい
しかし、法学研究科の併願は、
他研究科よりも失敗しやすいのが実情です。
理由は明確です。
法学研究科では、
研究計画書と研究環境の適合性が
極めて厳密に見られるから
併願で最も多い失敗は「軸がない」こと
法学研究科の併願で、
最も多い失敗パターンはこれです。
- A大学では解釈論
- B大学では政策論
- C大学では比較法
本人は「柔軟に対応している」つもりでも、
評価側から見ると、
何を研究したい人なのか分からない
となります。
法学研究科では、
研究の一貫性
が非常に重視されます。
併願戦略の基本原則
法学研究科の併願では、
まずこの原則を押さえてください。
併願しても、研究の軸は一つ
- 問いの方向性
- 研究方法
- 基本的な関心
この3点は、
どの大学・研究科でも共通である必要があります。
「使い分ける」と「変える」は違う
併願対策でよくある誤解が、
- 大学ごとにテーマを変える
- 計画書を別物にする
ことです。
しかし正しくは、
同じ研究を、
環境に合わせて書き分ける
です。
- 研究テーマは同じ
- 問いも同じ
ただし、
- どの文献を重視するか
- どの教員との接続を強調するか
を調整します。
研究計画書で「変えていい部分」「変えてはいけない部分」
変えてはいけない部分
- 研究の問い
- 基本的な方法論
- 研究対象の核心
ここを変えると、
研究が別物になる
と見なされます。
変えていい部分
- 先行研究の配置
- 指導教員との接続部分
- 研究の意義の書き方
これは、
研究環境への最適化
です。
法学研究科特有の注意点①「学派・方法論」
法学研究科では、
- 解釈論中心
- 理論構築型
- 比較法・基礎法志向
など、研究方法の色が強く出ます。
併願先によって、
- 方法論の相性
- 学派的背景
が大きく異なる場合、
無理な併願は危険です。
注意点②「指導体制の違い」
同じ法学研究科でも、
- 個人指導が強い
- 研究会中心
- 集団指導が多い
など、指導体制は異なります。
研究計画書では、
その環境で研究が進むか
が常に見られています。
よくある失敗例
併願で評価を落とす典型例を挙げます。
- 研究計画書の冒頭だけ大学名を差し替える
- 指導教員名を並べるだけ
- 研究内容と教員の専門が噛み合っていない
これは、
とりあえず出している
という印象を与えます。
社会人受験生の併願で特に重要な視点
社会人受験生の場合、
- 時間が限られている
- 全部は準備できない
という制約があります。
この場合、
併願数を絞る
ことが、最大の戦略になります。
- 2〜3校
- 研究環境が近いところ
に絞った方が、
合格率は明らかに高くなります。
「本命・滑り止め」発想は危険
法学研究科では、
- レベルが低い=受かりやすい
という単純な構図は成立しません。
むしろ、
研究の適合度が低いと、
どんな大学でも落ちる
という世界です。
そのため、
- 本命
- 滑り止め
ではなく、
適合度が高いかどうか
で併願先を選ぶ必要があります。
併願戦略がうまくいっている人の共通点
併願に成功している人には、
明確な共通点があります。
- 研究の軸が一貫している
- 計画書を「書き分けて」いる
- 無理な併願をしていない
結果として、
どこを受けても説明がブレない
状態になっています。
併願は「保険」ではなく「設計」
最後に、最も重要な考え方を伝えます。
法学研究科の併願は、
落ちたときの保険
ではありません。
合格可能性を最大化するための設計
です。
- 研究テーマ
- 研究環境
- 自分の時間
この3点を同時に見ながら、
戦略的に組む必要があります。
まとめ
法学研究科の併願戦略で重要なのは、
- 研究の軸を一つに保つ
- 計画書は環境に合わせて書き分ける
- 無理な併願をしない
という3点です。
併願に失敗する人ほど、
- たくさん出せば当たる
と考えがちですが、
法学研究科では逆です。
次回は、
法学研究科の社会人受験における併願と時間戦略
を解説します。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


