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今回のテーマは、社会学研究科の専攻・分野別試験内容一覧と対策の考え方です。


社会学研究科は「分野の違い」を知らないと対策がズレる

社会学研究科を目指す受験生の多くが、最初にここでつまずきます。

  • 社会学なら、どれも同じ対策でいいのでは
  • 専攻の違いはテーマの違いだけ
  • 試験内容も大差ないだろう

しかし、これは大きな誤解です。

社会学研究科は、
専攻・分野ごとに「見ている力」が異なる研究科です。

そのため、

分野を意識しない対策
=評価軸を外した対策

になりやすいのです。


まず押さえるべき前提:「社会学」は一枚岩ではない

社会学研究科と一口に言っても、
中身はかなり多様です。

代表的には、次のような分野があります。

  • 理論社会学
  • 社会調査・社会統計
  • 社会心理学
  • メディア・文化研究
  • 地域・都市・家族・ジェンダー研究

これらは、

  • 扱うテーマ
  • 研究方法
  • 評価される思考

が大きく異なります。


分野別に異なる「試験で見られている力」

社会学研究科の試験は、
共通問題であっても、

分野ごとに違う観点で読まれている

という点が重要です。

以下、代表的な分野ごとに整理します。


理論社会学系|「概念と思考の筋」を見る

理論社会学系では、
次の点が特に重視されます。

  • 社会理論の理解
  • 概念の使い方
  • 論理展開の一貫性

試験で見られるポイント

  • 用語を知っているか
    ではなく
  • 概念をどう使って考えているか

対策の考え方

  • 理論名の暗記は不要
  • 理論を使って「説明」する練習
  • 問題文の前提を読み取る訓練

が効果的です。


社会調査・社会統計系|「方法理解」を見る

調査系分野では、
評価軸がかなり明確です。

  • なぜその方法を使うのか
  • 何が分かり、何が分からないか

試験で見られるポイント

  • 調査方法の妥当性理解
  • データの限界認識

対策の考え方

  • 手法の丸暗記は不要
  • 「なぜこの方法か」を説明できる
  • 調査結果の読み取り練習

が重要です。


社会心理学系|「仮説思考」を見る

社会心理学系では、

  • 問題設定
  • 仮説
  • 検証の筋道

が特に重視されます。

試験で見られるポイント

  • 現象→仮説→検討
    という流れが作れているか

対策の考え方

  • 現象をそのまま書かない
  • 「なぜそうなるのか」を考える
  • 心理学的概念との接続を意識

これが評価につながります。


メディア・文化研究系|「切り口」を見る

メディア・文化系分野では、

  • 対象自体の面白さ
    ではなく
  • どこをどう切るか

が評価されます。

試験で見られるポイント

  • 日常的な事象を
    社会学的に捉え直せているか

対策の考え方

  • 感想文にならない
  • 社会構造との関係を示す
  • 視点を一段抽象化する

これができると評価が上がります。


分野を問わず共通して見られること

分野ごとに違いはありますが、
共通して見られている点もあります。

  • 問題文を正確に読む力
  • 論点を整理する力
  • 答えを急がない姿勢

社会学研究科では、

「正解」を出すこと

よりも、

どう考えたか

が重視されます。


「専攻別対策」をやりすぎると失敗する

ここで注意点があります。

分野別の特徴を意識することは重要ですが、

  • 分野ごとに別人のような答案
  • 研究テーマと関係ない対策

をしてしまうと、逆効果です。

社会学研究科では、

研究テーマとの一貫性

が最重要です。


正しい対策の順序

社会学研究科の試験対策は、
次の順序が最も効率的です。

  1. 自分の研究分野を大まかに定める
  2. その分野で「何が見られるか」を知る
  3. 研究計画書と同じ思考で試験対策する

この順序を守ると、

  • 答案
  • 書類
  • 面接

すべてが噛み合い始めます。


よくある失敗パターン

最後に、よくある失敗を整理します。

  • 全分野に対応しようとする
  • 知識を詰め込みすぎる
  • 研究テーマと無関係な答案を書く

これらはすべて、

評価軸を外している

状態です。


まとめ

社会学研究科の専攻・分野別試験対策で重要なのは、

  • 分野ごとの評価視点を理解する
  • 研究テーマと一貫した対策をする
  • 思考プロセスを示す

この3点です。

「社会学だから自由」ではありません。
社会学だからこそ、構造的な対策が必要です。

次回は、社会学研究科で求められる学生像とは何かを解説します。
ここで、「なぜこの人が選ばれるのか」を
評価者視点で整理します。

志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。