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今回のテーマは、社会学研究科の筆記試験・小論文は何を見ているのかです。


社会学研究科の筆記試験は「知識テスト」ではない

社会学研究科の筆記試験・小論文について、
多くの受験生が次のように考えがちです。

  • 社会学の知識量を問われる
  • 用語をどれだけ知っているかが重要
  • 正解を書ければ評価される

しかし、これは大きな誤解です。

社会学研究科の筆記試験・小論文は、

社会学的に「考えられるか」を見る試験

であって、

知識の暗記量を測る試験

ではありません。


筆記・小論文の位置づけを一言で言うと

社会学研究科の筆記・小論文は、

研究計画書と同じ頭で考えられているか

を確認するための試験です。

  • 出願書類で示した思考
  • 面接で話す予定の内容

これらと、

思考の方向性が一致しているか

が、最も重要な評価ポイントになります。


社会学研究科の筆記・小論文で見られる3つの力

社会学研究科の試験では、
主に次の3点が見られています。

  1. 問題設定力
  2. 論点整理力
  3. 社会学的視点

それぞれを具体的に見ていきましょう。


① 問題設定力|「何が問題なのか」を掴めているか

問題文を読んだとき、

  • すぐに答えを書き始める
  • 自分の意見を述べる

これは、多くの場合マイナスです。

社会学研究科ではまず、

この問題文は、
何を問題として提示しているのか

を正確に読み取れるかが見られます。

評価される答案は、

  • 問題の前提
  • 背景となる社会状況

を一度整理したうえで、
議論に入っています。


② 論点整理力|全部書かない勇気があるか

社会学の小論文で
評価が下がりやすいのが、

  • あれもこれも書こうとする
  • 話題を広げすぎる

という答案です。

社会学研究科では、

論点を絞れるか

が非常に重視されます。

  • 重要な論点は何か
  • 何を扱い、何を扱わないか

この判断ができる人ほど、
高く評価されます。


③ 社会学的視点|「一段引いて見ているか」

社会学研究科の答案では、

  • 正しい主張
  • 共感できる意見

そのものは、
評価の中心ではありません。

見られているのは、

その現象を、
社会学的に捉え直せているか

です。

  • 個人の問題にしない
  • 道徳論にしない
  • 感想で終わらせない

この距離感が非常に重要です。


よくあるNG答案①「意見文になっている」

社会学研究科の小論文で
最も多い失敗がこれです。

  • 私はこう思う
  • こうあるべきだ

という主張が中心になってしまう。

これは、

研究ではなく
意見表明

と判断されやすくなります。


よくあるNG答案②「知識の羅列」

逆に、

  • 理論名を並べる
  • 用語を詰め込む

という答案も評価されません。

なぜなら、

考えているかどうかが見えない

からです。

  • どの理論を
  • なぜ使ったのか

が説明されていない知識は、
評価につながりません。


評価される答案の共通構造

評価される答案には、
共通した流れがあります。

  1. 問題文の整理
  2. 論点の限定
  3. 視点の提示
  4. 検討・考察

この構造は、

研究計画書の構造

と非常によく似ています。


社会学研究科では「結論」は重視されない?

意外に思われるかもしれませんが、
社会学研究科では、

  • 鋭い結論
  • 断定的な答え

は必須ではありません。

むしろ、

どう考えたか

が丁寧に示されている答案の方が、
高く評価されます。


筆記試験と研究計画書の関係

ここで重要な点を一つ。

社会学研究科では、

筆記試験は独立した試験ではない

という意識が必要です。

  • 筆記で書いていること
  • 計画書で書いていること

この間にズレがあると、

思考が整理されていない

と判断されます。


正しい対策の方向性

社会学研究科の筆記・小論文対策で、
やるべきことはシンプルです。

  • 社会学的に考える練習
  • 問題文を分解する練習
  • 論点を削る練習

過去問演習も、

正解を探す
ではなく
思考の確認

として使うのが正解です。


社会人受験生が特に注意すべき点

社会人受験生は、

  • 経験談
  • 現場感覚

を書きたくなりがちです。

しかし評価されるのは、

経験そのもの
ではなく
経験をどう捉え直しているか

です。


まとめ

社会学研究科の筆記試験・小論文で見られているのは、

  • 知識量
  • 正解

ではありません。

  • 問題をどう捉え
  • 論点をどう整理し
  • 社会学的にどう考えたか

この思考プロセスです。

筆記・小論文は、
研究者としての思考チェックです。

次回は、社会学研究科における英語試験の位置づけ
を解説します。

ここで、
「英語はどこまで必要か」を
はっきり整理します。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。