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今回のテーマは、商学研究科で求められる学生像とは何かです。


商学研究科は「できる社会人」を選んでいるわけではない

商学研究科を志望する人の多くが、
どこかで次のように考えています。

  • 実務経験があれば評価されるはず
  • ビジネスの現場を知っている方が有利
  • 成果を出してきた人が選ばれる

しかし、これは半分正しくて、半分誤りです。

商学研究科が選んでいるのは、

「仕事ができる人」ではなく、
「研究としてビジネスを考えられる人」

です。

ここを取り違えると、
どれだけ立派な経歴があっても評価されません。


商学研究科で求められる学生像を一言で言うと

商学研究科が求めている学生像を
一文で表すと、こうなります。

「実務的関心を、理論と方法で問いに変換できる人」

  • 現場感覚がある
    だけでは足りません。
  • 理論を知っている
    だけでも足りません。

この二つを研究として接続できるかが、
評価の分かれ目になります。


求められる学生像①「問いを立てられる人」

商学研究科では、

  • 課題を解決したい人
    よりも
  • 問いを立てられる人

が評価されます。

たとえば、

  • この企業はうまくいっている
  • この施策は成功している

という話は、研究ではありません。

評価されるのは、

  • なぜその成果が生まれたのか
  • 既存理論ではどこまで説明できるのか

といった、問いの形です。


求められる学生像②「実務と距離を取れる人」

商学研究科では、

実務に近すぎる研究

は、評価が伸びにくい傾向があります。

  • ノウハウの整理
  • 改善提案
  • 成功事例の紹介

これらは、

レポート
あるいはコンサル資料

と判断されやすいからです。

評価されるのは、

  • 実務を一度「対象」として捉え
  • 外側から分析できているか

この距離感です。


求められる学生像③「理論を使おうとする人」

商学研究科では、

  • 理論を完璧に理解している
    必要はありません。

しかし、

理論を使って考えようとしているか

は、非常に厳しく見られます。

  • 理論名を挙げるだけ
  • 用語を並べるだけ

では評価されません。

  • なぜこの理論が必要なのか
  • 何を説明するために使うのか

ここが説明できる人は、
高く評価されます。


求められる学生像④「方法を意識できる人」

商学研究科では、

  • データ分析
  • ケーススタディ
  • 文献分析

など、方法は多様です。

ただし評価されるのは、

方法そのものではなく、
問いとの対応関係

です。

  • なぜその方法なのか
  • その方法で何が分かるのか

これを考えられている人は、

研究が進む人

だと判断されます。


求められる学生像⑤「修士論文まで見通せている人」

商学研究科では常に、

この人は、
修士論文を書き切れるか

という視点で見られています。

  • テーマが広すぎないか
  • データは集められるか
  • 分析は現実的か

ここが見通せている計画は、
評価が安定します。


商学研究科で評価されにくいタイプ

ここで、
評価されにくいタイプも整理しておきます。

  • 成果や実績の話が中心
  • 正解を出そうとする
  • 結論を断定しすぎる

これらは、

研究の余地がない

と受け取られやすくなります。


社会人受験生に特に期待されていること

商学研究科は、
社会人受験生が非常に多い研究科です。

その中で差がつくのは、

経験をどう「研究素材」にできているか

です。

  • 経験を誇る
    のではなく
  • 経験を相対化する

この姿勢がある社会人は、
非常に高く評価されます。


面接で学生像はどう見られているか

面接では、

  • この人は優秀か
  • 話がうまいか

よりも、

研究的な対話が成立するか

が見られています。

  • 指摘をどう受け止めるか
  • 未整理な点をどう扱うか

ここに、
学生像がはっきり表れます。


商学研究科が一番嫌う状態

最後に、
商学研究科が最も警戒する状態を
はっきり伝えます。

それは、

「もう答えを持っている人」

です。

  • 結論は出ている
  • あとは検証するだけ

この姿勢は、

研究の余地がない

と判断されやすくなります。


まとめ

商学研究科で求められる学生像は、

  • 実務的関心を持ち
  • 問いに変換でき
  • 理論と方法で考え
  • 修士論文まで見通せる

このような人です。

商学研究科は、
ビジネスの実践者ではなく、
ビジネスを研究できる人
を選びます。

次回は、
商学研究科の筆記試験・小論文は何を見ているのか
を解説します。

ここで、
「試験対策の力点」を具体化していきます。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。