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今回のテーマは、商学研究科の筆記試験・小論文は何を見ているのかです。
商学研究科の筆記試験は「学力試験」ではない
商学研究科の筆記試験・小論文について、
多くの受験生が次のように誤解しています。
- 専門知識が多いほど有利
- 計算が速い人が評価される
- 正解を書ければ点が取れる
しかし、実際の評価軸はそこではありません。
商学研究科の筆記試験は、
研究に必要な思考ができているか
を確認するための試験です。
筆記・小論文の本当の位置づけ
商学研究科における筆記・小論文は、
研究計画書の補助線
という位置づけです。
- 書類で示した研究の方向性
- 面接で話す予定の内容
これらと、
思考の方向が一致しているか
が、最も重視されます。
商学研究科の筆記で見られる3つの力
商学研究科の筆記試験・小論文では、
主に次の3点が見られています。
1. 問題設定力
2. 論理構成力
3. 理論的視点
① 問題設定力|「何を問われているか」を外さない
商学研究科の試験で最も多い失敗は、
- 問題文を読まずに書き始める
- 知っていることを全部書く
というパターンです。
評価される答案は、
問題文が提示している条件・前提
を、最初に正確に整理しています。
② 論理構成力|「筋の通った答案」になっているか
商学研究科では、
- 正解の有無
よりも - 論理の流れ
が重視されます。
- 前提
- 仮説
- 検討
- まとめ
この流れが崩れている答案は、
知識があっても評価されません。
③ 理論的視点|「理論で考えているか」
商学研究科では、
- 実務的な意見
- 感覚的な判断
だけで書かれた答案は、
ほぼ確実に評価が下がります。
評価されるのは、
理論を使って現象を説明しようとしているか
です。
- 完璧な理論理解
は不要ですが、 - 理論を“道具”として使う姿勢
は必須です。
よくあるNG答案①「実務レポートになる」
社会人受験生に特に多い失敗です。
- 現場での成功事例
- 自分の経験談
これらが中心になると、
研究ではなく業務報告
と判断されます。
よくあるNG答案②「知識の詰め込み」
- 理論名を羅列する
- フレームワークを並べる
一見、勉強しているように見えますが、
なぜそれを使ったか
が説明されていないと、
評価されません。
評価される答案の共通構造
評価されやすい答案には、
明確な共通構造があります。
1. 問題文の整理
2. 論点の限定
3. 理論・枠組みの提示
4. 検討・考察
この構造は、
研究計画書の構造
と、ほぼ同じです。
小論文で「結論」はどこまで必要か
商学研究科では、
- 鋭い結論
- 断定的な答え
は必須ではありません。
むしろ、
検討の過程が丁寧か
が評価されます。
- 何が言えるか
- 何がまだ言えないか
ここを整理できている答案は、
高く評価されます。
筆記試験と研究計画書のズレは致命的
注意してほしい点があります。
- 計画書では理論研究
- 筆記では実務的意見
このようにズレていると、
思考が整理されていない
と判断されます。
商学研究科では、
一貫性
が非常に重要です。
商学研究科の正しい筆記対策
商学研究科の筆記対策で、
やるべきことは明確です。
- 過去問で「考え方」を確認する
- 理論を使って説明する練習
- 研究計画と同じ視点で書く
正解探しではなく、
思考確認
として過去問を使うのが正解です。
社会人受験生の筆記対策の注意点
社会人受験生は、
- 実務的な視点が強すぎる
傾向があります。
試験では、
一歩引いた研究者視点
を意識してください。
面接につながる答案を書く
商学研究科の筆記試験は、
面接の材料
にもなります。
- なぜその視点を選んだか
- その考えは計画書とどうつながるか
これを説明できる答案が、
面接でも評価されます。
まとめ
商学研究科の筆記試験・小論文で見られているのは、
- 知識量
- 正解
ではありません。
- 問題設定
- 論理構成
- 理論的視点
- 研究との一貫性
この4点です。
筆記試験は、
研究者としての思考チェックです。
次回は、
商学研究科における英語試験の位置づけ
を解説します。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


