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今回のテーマは、商学研究科の研究計画書が評価される理由・落ちる理由です。
商学研究科の合否は「研究計画書」でほぼ決まる
商学研究科を受験する人の多くが、
研究計画書について次のように考えています。
- しっかり書けば大丈夫
- 研究テーマが面白ければ評価される
- 実務経験を書けば強い
しかし実際には、
同じように“きちんと書いている”計画書の中で、
評価ははっきり分かれています。
商学研究科の合否は、
研究計画書の「構造」と「視点」
で、ほぼ決まります。
商学研究科の研究計画書は「提案書」ではない
まず最も大きな誤解を整理します。
商学研究科の研究計画書は、
- ビジネス提案書
- 改善計画
- コンサル資料
ではありません。
評価されるのは、
研究として問いが成立しているか
この一点です。
評価される研究計画書の共通点①「問いが明確」
評価される計画書には、
必ず次の特徴があります。
- 何を明らかにしたいのか
- 何がまだ分かっていないのか
この二つが、
はっきりと言語化されています。
逆に落ちる計画書は、
- テーマはあるが問いがない
- 興味は伝わるが焦点がぼやけている
という状態です。
評価される共通点②「実務と研究が切り分けられている」
商学研究科では、
実務経験そのものは評価対象ではありません。
評価されるのは、
実務を“研究対象”として扱えているか
です。
- 現場でこう感じた
→ NG - 現場の現象を、理論的にどう説明できるか
→ OK
この切り分けができていないと、
評価は伸びません。
評価される共通点③「先行研究との関係が整理されている」
商学研究科で高評価を得る計画書は、
- 有名研究を多く挙げている
のではなく - 研究の位置づけが明確
です。
- 先行研究は何を明らかにしたか
- どこに限界があるか
- 自分の研究はどこを扱うのか
この流れが整理されている計画書は、
非常に評価が安定します。
評価される共通点④「方法が問いに対応している」
商学研究科では、
- データ分析
- ケーススタディ
- 文献分析
方法そのものの優劣は、
ほとんど問題になりません。
重要なのは、
その問いに、その方法が必要か
です。
- なぜこの方法なのか
- その方法で何が分かるのか
ここが説明できていない計画書は、
高確率で落ちます。
評価される共通点⑤「修士論文まで見通せる」
商学研究科の評価者は常に、
この計画で修士論文が書けるか
を見ています。
- データは集められるか
- 分析量は現実的か
- テーマは広すぎないか
この見通しが立っている計画書は、
大きく減点されることがありません。
落ちる研究計画書の典型パターン①「実務色が強すぎる」
非常に多い失敗です。
- 改善策の提案
- 成功事例の紹介
- ノウハウの整理
これらが中心になると、
研究ではない
と判断されます。
落ちるパターン②「問いが広すぎる」
- 商学全般を扱いたい
- 幅広く分析したい
一見、意欲的ですが、
修士論文として破綻する
と見なされやすいです。
落ちるパターン③「理論が飾りになっている」
- 理論名を並べる
- フレームワークを列挙する
しかし、
- なぜ使うのか
- 何を説明するのか
が書かれていないと、
理論を理解していない
と判断されます。
落ちるパターン④「完成度を求めすぎる」
商学研究科では、
未完成でも、伸びる計画
の方が評価されます。
- 完璧だが硬直した計画
- 余地のない研究
は、むしろ評価が下がることがあります。
面接で研究計画書はどう使われるか
商学研究科の面接は、
研究計画書の確認
です。
- なぜこの問いなのか
- なぜこの方法なのか
ここを説明できないと、
計画書の評価も下がります。
商学研究科の研究計画書で最も重要な一文
最後に、
最も重要な視点を伝えます。
商学研究科の研究計画書で
最も重要なのは、
「まだ分からないこと」が
明確に書かれているか
です。
研究は、
分からないことを明らかにする行為
だからです。
まとめ
商学研究科の研究計画書が評価される理由・落ちる理由は、
- 問いが明確か
- 実務と研究が切り分けられているか
- 先行研究との位置づけがあるか
- 方法が問いに対応しているか
- 修士論文まで見通せるか
この5点に集約されます。
研究計画書は、
「研究が始まる前の完成品」ではありません。
研究が始まりそうだと思わせる設計
これができた人が、
商学研究科では合格します。
次回は、
商学研究科で評価される研究テーマの作り方
を解説します。
ここから、
テーマ設計をさらに深掘りしていきます。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


