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今回のテーマは、医学研究科で評価される研究テーマの作り方です。
医学研究科の合否は「テーマ設定」でほぼ決まる
医学研究科の受験において、
研究計画書と並んで、いやそれ以上に重要なのが
研究テーマの設計
です。
なぜなら医学研究科では、
- どれだけ努力しているか
- どれだけ経験があるか
よりも、
そのテーマは“研究として育つか”
が最初に見られるからです。
医学研究科でいう「良いテーマ」とは何か
まず誤解を解きます。
医学研究科で評価されるテーマは、
- 画期的である
- スケールが大きい
- 医学界を変える
こうしたものではありません。
評価されるのは、
小さくても、問いとして強いテーマ
です。
評価される研究テーマの定義
医学研究科で評価される研究テーマは、
次の条件を満たしています。
- 医学的に意味がある
- 先行研究の文脈に位置づけられる
- 「まだ分かっていない点」が明確
- 方法で検証可能
- 修士・博士期間内に完結可能
この5点が揃っているテーマは、
非常に評価が安定します。
テーマ設定で最初にやるべきこと
テーマ設定で最初にやるべきことは、
「何をやりたいか」を考えることではありません。
やるべきなのは、
「何が、どこまで分かっているか」を知ること
です。
つまり、
先行研究の把握がスタート地点になります。
医学研究科のテーマは「疑問」からではなく「空白」から作る
多くの受験生は、
- この治療は本当に有効なのか
- なぜこの症例はうまくいかなかったのか
といった
臨床的疑問からテーマを考えます。
これは悪くありませんが、
そのままでは研究テーマになりません。
研究テーマは、
先行研究を整理した結果、
見えてくる「空白」
から作られます。
良いテーマが生まれる思考プロセス
評価されるテーマは、
次の流れで作られています。
- この分野では何が議論されてきたか
- どこまでは明らかになっているか
- どこが十分に検証されていないか
- そこをどう検証できるか
この④まで到達して、
初めて「研究テーマ」になります。
医学研究科で落ちやすいテーマの特徴①
テーマが「広すぎる」
- ○○疾患の病態解明
- ○○治療の有効性検証
一見よさそうですが、
評価者の目にはこう映ります。
「どこを扱うのか分からない」
テーマは、
一点に絞るほど、研究になる
と考えてください。
落ちやすいテーマ②
テーマが「現場寄りすぎる」
- 臨床改善の提案
- 治療プロトコルの検討
これらは、
研究ではなく実務改善
と判断されやすいテーマです。
医学研究科では、
なぜそうなるのか
を問う視点が不可欠です。
落ちやすいテーマ③
「やれば分かる」型のテーマ
- とりあえずデータを集める
- 見てみないと分からない
これは研究ではありません。
評価されるテーマには、
事前の仮説
が必ず存在します。
評価されるテーマのサイズ感
医学研究科で評価されるテーマは、
- 地味
- ニッチ
- 一見すると小さい
ものがほとんどです。
しかし、
論文として積み上がる強度
を持っています。
- 条件を限定している
- 対象が明確
- 結果の解釈が想定できる
これが重要です。
テーマ設定でよくある誤解
よくある誤解を整理します。
- 新規性が高ければよい
→ ✕ - 他に誰もやっていない方がよい
→ ✕
医学研究科での新規性とは、
既存研究の文脈の中で、
どこを一歩進めるか
です。
指導教員との関係を意識したテーマ設計
医学研究科では、
指導教員が扱えるテーマか
も、非常に重要です。
- 技術
- データ
- 実験環境
これらと無関係なテーマは、
実現可能性が低い
と判断されます。
良いテーマは「修士論文」まで見えている
評価されるテーマは、
- 修士論文
- 博士論文
まで、
うっすらと見通せます。
- 修士ではここまで
- 博士でこう広げられる
この構造があるテーマは、
非常に評価が高くなります。
テーマ設定で迷ったときの判断基準
迷ったときは、
次の問いを自分に投げてください。
- このテーマは問いになっているか
- 仮説は立てられているか
- 方法で検証できるか
- 2〜3年で終わるか
すべてに「はい」と言えれば、
テーマとして成立しています。
まとめ
医学研究科で評価される研究テーマのポイントは、
- 先行研究の空白から作る
- 小さく、具体的に設定する
- 仮説と方法が対応している
- 修了まで見通せる
この4点です。
医学研究科のテーマ設定は、
センスではなく、設計
で決まります。
次回は、
医学研究科の先行研究レビューで見られている視点
を解説します。
ここで、
「読むだけの文献整理」と
「評価される先行研究整理」の違いを
はっきりさせます。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


