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今回のテーマは、医学研究科の併願戦略と研究計画書の使い分けです。
医学研究科受験において「併願」は前提戦略である
医学研究科を受験する方の多くが、
次のような悩みを抱えています。
- 慶應一本で行くべきか
- 国立や他私大と併願していいのか
- 研究計画書は使い回してよいのか
結論から言うと、医学研究科受験では
併願は例外ではなく、前提として設計すべき戦略
です。
医学研究科は「不確実性が高い入試」である
まず理解しておくべき前提があります。
医学研究科の入試は、
- 定員が少ない
- 研究室ごとの事情が大きい
- 教員側の受入状況に左右される
という特徴があります。
そのため、
どれだけ完成度が高くても
不合格になる可能性は常にある
という現実を前提に、
戦略を立てる必要があります。
医学研究科併願の基本パターン
医学研究科受験で現実的なのは、
次のような併願パターンです。
- 慶應医学研究科 × 国立大学医学系研究科
- 慶應医学研究科 × 私立医学系研究科
- 慶應医学研究科 × 公衆衛生・医療系研究科
重要なのは、
研究テーマの軸をずらさないこと
です。
「併願=テーマを変える」は間違い
よくある誤解があります。
- 大学ごとにテーマを変えた方がいい
- 研究計画書は完全に別物にすべき
これは、医学研究科では
逆効果になることが多いです。
評価される併願戦略は、
テーマの軸は共通、
表現と焦点を調整する
という考え方です。
研究計画書を「使い分ける」とはどういうことか
使い分けとは、
- テーマを変える
ではなく - 評価軸に合わせて強調点を変える
ことです。
具体的には、
- 方法論を厚く書く
- 理論背景を丁寧に書く
- 社会的意義を強調する
など、
研究の中身は同じでも見せ方を変える
という設計です。
慶應医学研究科向け研究計画書の特徴
慶應医学研究科では、
研究としての完成度と自立性
が非常に重視されます。
- 仮説が明確
- 方法が具体的
- 指導を前提にしすぎていない
この要素を、
最も強く打ち出す必要があります。
国立大学との使い分けで注意すべき点
国立大学医学系研究科と併願する場合、
- 国家プロジェクト
- 公的研究との接続
を重視する研究科もあります。
この場合、
研究の社会的位置づけ
をやや厚めに書くと、
評価が安定しやすくなります。
私立医学系研究科との使い分け
私立医学系研究科では、
- 教員との適合性
- 研究室との相性
が、
より強く見られる場合があります。
そのため、
研究環境との整合性
を意識した書き方が有効です。
公衆衛生・医療系研究科との併願
医学研究科と
公衆衛生・医療政策系研究科を
併願する場合は、特に注意が必要です。
- 同じテーマでも
- 評価軸が大きく異なる
ためです。
この場合は、
問いは共通、
方法論と意義を明確に分ける
必要があります。
併願でやってはいけない研究計画書運用
次のような運用は、
ほぼ確実に失敗します。
- 研究計画書を完全コピペ
- 大学名だけを差し替える
- 評価軸を理解せず提出する
これは、
どの大学にも刺さらない計画書
になります。
面接で併願はどう見られるか
医学研究科の面接で、
- 併願しているか
- 他大学はどこか
を聞かれることがあります。
ここで重要なのは、
併願理由が研究として一貫しているか
です。
- 保険です
- どこでもいいです
という答えは、
評価を下げます。
評価される併願理由の伝え方
評価されるのは、
- 研究テーマは一貫している
- 研究環境の違いを理解している
- どこでも研究できる準備がある
という説明です。
併願していること自体が、
不利になることはありません。
社会人・医師受験生の併願戦略
社会人・医師受験生は、
- 時間
- 労力
が限られています。
そのため、
併願校は「管理できる数」に絞る
ことが重要です。
目安は、
- 2〜3校程度
が現実的です。
医学研究科併願戦略の本質
医学研究科の併願戦略の本質は、
合格確率を上げることではありません。
本質は、
研究を確実にスタートさせる場所を確保すること
です。
まとめ
医学研究科の併願戦略と
研究計画書の使い分けを整理します。
- 併願は前提
- テーマの軸は共通
- 表現と強調点を使い分ける
- 完全コピペはNG
- 研究一貫性が最重要
医学研究科受験では、
戦略的に併願できる人ほど、
落ち着いて本命に向き合えます。
次回は、
医学研究科の社会人・医師受験における併願と時間戦略
を解説します。
仕事・臨床と受験をどう両立させるか、
具体的に掘り下げていきます。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


