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今回のテーマは
薬学研究科で研究スケールを間違える人の共通点です。
薬学研究科の研究計画書で、
一見よく書けているのに評価が伸びないケースの多くは、
研究スケールの設定ミスに起因しています。
- テーマが壮大すぎる
- 逆に細かすぎて研究になっていない
- 修士研究としての時間感覚が合っていない
こうしたズレは、能力不足ではなく
設計上の勘違いから生まれています。
1. スケールが大きすぎる研究の典型例
薬学研究科で非常に多いのが、
研究スケールを広く取りすぎてしまうケースです。
- 新薬開発全体を扱おうとする
- 疾患メカニズムを網羅的に解明しようとする
- 応用・実用化まで一気に描く
これらは研究として魅力的に見えますが、
修士2年間で検討できる範囲を明らかに超えています。
評価される研究は、
- 問いが限定されている
- 対象・条件が絞られている
という特徴を持っています。
2. 「全部やりたい」は研究として弱くなる
研究スケールを誤る人に共通する心理があります。
それは、
- せっかくなら幅広くやりたい
- 中途半端だと思われたくない
という思いです。
しかし研究評価では、
- 網羅性
- 作業量
は評価の中心ではありません。
むしろ、
- どこを切り取ったか
- なぜそこに焦点を当てたか
という切り出しの判断が評価されます。
3. 逆に「細かすぎる」テーマも危険
一方で、スケールを小さくしすぎるケースもあります。
- 特定条件下の測定結果だけを扱う
- 手法の最適化だけで終わる
- 既知の現象の再確認に留まる
この場合、
- 研究としての新規性が弱い
- 問いが見えにくい
という評価になりやすくなります。
小さくすること自体は正しいですが、
「何を明らかにする研究なのか」
が見えなくなると本末転倒です。
4. 修士研究にちょうどいいスケールとは
薬学研究科の修士研究として、
ちょうどよいスケールには共通点があります。
- 2年間で完結可能
- 仮説検証が1〜2段階で済む
- 結果に複数の解釈があり得る
- 指導によって発展余地がある
つまり、
- 大きな問いの一部分を切り出し
- 限定条件で検討する
という設計になっています。
5. 指導前提の設計が評価を下げる理由
スケールミスと関係して、
次のような設計も評価を下げやすくなります。
- 入学後に先生と相談して決めたい
- 実験内容は指導次第で調整する
一見柔軟に見えますが、
入試段階では、
- 研究としての見通しが立っていない
- 自立して研究を設計できていない
と判断されやすくなります。
修士研究の大枠は、入試時点で設計できているか
が見られています。
6. スケール設計で必ず確認したい問い
研究テーマを決めたら、
次の問いに答えられるかを確認してください。
- 2年間でどこまで明らかにする研究か
- 結果が想定と違っても何が言えるか
- この範囲を選んだ理由は何か
これに答えられない場合、
研究スケールはまだ適切に整理できていません。
まとめ 薬学研究科で落ちるのは「大きすぎる」か「小さすぎる」
薬学研究科の受験で評価を落とす人の多くは、
- テーマが大きすぎる
- あるいは細かすぎる
という、スケール設計のズレを抱えています。
評価されるのは、
大きな関心を、修士研究として検討可能なサイズに切り出せているか
という一点です。
研究スケールは、
研究能力そのものが最も端的に表れる部分です。
ここを正しく設計できるかどうかが、
薬学研究科合否の重要な分かれ目になります。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


