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今回のテーマは「笹原彰准教授(国際貿易・国際マクロ経済学)と『複雑な世界から真の効果を抽出する厳密なリサーチ力』」です。


慶應義塾大学大学院への進学を目指す皆さん。

ニュースでは毎日のように、「米中貿易摩擦」「気候変動による経済損失」「国家の債務危機」といった国際経済の話題が取り上げられています。しかし、現実の経済は非常に複雑で、さまざまな出来事が同時に発生しています。

そのため、「本当にその政策や出来事が原因だったのか」を証明することは簡単ではありません。

こうした複雑な世界の中から、“本当の因果関係”を厳密に見抜こうとする研究を行っているのが、経済学部および経済学研究科で准教授を務める笹原彰准教授です。

本記事では、国際経済と実証分析を組み合わせた笹原准教授の研究アプローチや、研究室で求められる力について整理していきます。


国際貿易とマクロ経済をデータで分析する

笹原准教授の専門分野は、「国際貿易」および「国際マクロ経済学」です。

研究テーマは非常に現代的で、世界経済の大きな変化を対象にしています。

例えば、中国経済の急成長によって各国の雇用がどのような影響を受けたのか、いわゆる「チャイナショック」に関する分析があります。

また、国家のデフォルトや債務危機がGDPや貿易に与える影響、さらに自然災害や気候変動が国際物流や経済活動に与える影響なども研究対象となっています。

近年では、災害時に税関がどのような対応を行えば貿易を維持できるのかといった、非常に実務的なテーマにも取り組んでいます。

特徴的なのは、単に「経済が悪化した」という結果を見るのではなく、「なぜその結果が起きたのか」をデータから厳密に分析している点です。


世界標準の実証経済学を学べる環境

笹原准教授は、慶應義塾大学を卒業後、アメリカのカリフォルニア大学デービス校でPh.D.を取得しています。

その後、アメリカの大学でAssistant Professorとして教鞭をとり、計量経済学などを指導した経験も持っています。

国際学術誌への英語論文の発表も多く、まさに世界標準の実証経済学を実践している研究者の一人です。

大学院で研究を進める上では、「海外の研究と接続できるか」は非常に重要なポイントになります。

笹原准教授の研究室では、グローバルな研究コミュニティを意識しながら、国際経済を実証的に分析する力を磨くことができます。


重要なのは「因果関係」をどう見抜くか

笹原准教授が特に重視しているのが、「厳密なリサーチ・デザイン」です。

現実社会では、多くの要因が同時に動いています。

例えば、ある国で失業率が悪化したとしても、それが本当に貿易政策の影響なのか、それとも景気後退や別の政策変更の影響なのかは簡単には分かりません。

だからこそ、実証経済学では「どうすれば特定の要因だけの効果を抽出できるか」を徹底的に考えます。

これは現代の因果推論や計量経済学の核心部分でもあります。

大学院入試においても、「データを使いたいです」というレベルでは不十分です。

「なぜその分析方法を使うのか」「どうやって他の要因を排除するのか」といった、分析設計そのものを論理的に説明する力が求められます。


研究計画書で意識したいポイント

笹原准教授の研究室を志望する場合、研究計画書では「国際経済」と「実証分析」の両方を意識することが重要です。

例えば、貿易政策、気候変動、金融危機、サプライチェーン問題など、現代的な国際経済の課題を設定した上で、それをどのようなデータや計量手法で分析するのかを具体的に示す必要があります。

また、「相関関係」ではなく「因果関係」を分析したいという視点も重要です。

単に「AとBが同時に起きている」という話ではなく、「Aが原因でBが起きた」とどのように証明するのかまで考える必要があります。

さらに、その研究成果が政策立案や社会課題の解決にどのように役立つのかを示せると、研究計画書として説得力が増します。


まとめ:複雑な世界を論理とデータで読み解く

笹原彰准教授の研究は、複雑に絡み合った世界経済の中から、「本当に重要な因果関係」を厳密に抽出しようとする点に大きな特徴があります。

国際貿易、マクロ経済、気候変動、自然災害など、現代社会の重要課題に対して、理論とデータの両方から切り込む研究スタイルは、これからの時代にますます重要になるでしょう。

また、「研究のデザイン」を重視する姿勢は、単なるデータ分析スキルを超えた、本質的な研究力につながっています。

「世界経済の複雑な現象を、自分の手で論理的に解き明かしたい」「因果推論や計量経済学を武器に社会課題へ挑みたい」という方にとって、笹原准教授の研究室は非常に刺激的な環境と言えるでしょう。

国際経済や実証分析に興味がある方は、ぜひ笹原准教授の論文や研究テーマを調べ、自分自身の問いを深めてみてください。


※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。最新の研究内容や募集要項については、必ず公式サイトをご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。