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今回のテーマは「山田篤裕教授(社会政策・労働経済学)の研究室と『社会保障の未来をデザインし、改革を判断する力』」です。
慶應義塾大学大学院への進学を目指している皆さんの中には、「将来、本当に年金は受け取れるのだろうか」「医療制度や生活保護制度は今後も維持できるのだろうか」と考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
少子高齢化が進む日本では、社会保障制度の持続可能性が大きな課題となっています。これらの問題はニュースで頻繁に取り上げられますが、感情的な議論だけでは本質を理解することはできません。制度がどのような仕組みで成り立ち、経済や労働市場とどのようにつながっているのかを客観的に分析する視点が求められています。
こうした課題に真正面から取り組んでいるのが、慶應義塾大学経済学部および大学院経済学研究科で教授を務める山田篤裕教授です。
本記事では、山田教授の研究内容や経歴、そして研究室で求められる視点について詳しく解説していきます。
社会保障制度の未来を考える研究
山田教授の専門分野は、社会政策論、社会保障論、労働経済学です。
研究の中心にあるのは、「社会保障制度をどのように維持し、時代に合わせて改善していくのか」というテーマです。
社会保障制度は、高齢者だけを支える仕組みではありません。医療保険、年金、生活保護、雇用保険など、私たちの生活を支える重要な社会基盤です。
しかし、少子高齢化や人口減少によって制度を支える側の人口は減少しています。一方で支援を必要とする人は増加しており、制度改革の必要性が高まっています。
山田教授は、こうした状況を単なる危機として捉えるのではなく、データや理論に基づいて分析し、より良い制度のあり方を考える研究を行っています。
また、学生に対しても、社会保障制度の意義や役割を体系的に理解し、さまざまな改革案について自ら考え判断できる力を身につけてほしいと語っています。
OECDや厚生労働省でも活躍した実務家研究者
山田教授の大きな特徴は、学術研究だけでなく、政策の現場でも長年活躍してきたことです。
慶應義塾大学を卒業後、国立社会保障・人口問題研究所で研究活動に従事し、その後はフランス・パリに本部を置くOECD(経済協力開発機構)の社会政策課でエコノミストとして勤務しました。
OECDは各国の経済や社会政策を比較・分析する国際機関であり、世界規模の視点から社会保障や雇用政策を研究しています。
さらに山田教授は、厚生労働省の社会保障審議会において、年金部会や生活保護基準部会などの委員を歴任しています。
つまり、大学で理論を研究するだけではなく、日本の社会保障制度の方向性を議論する最前線でも活動している研究者なのです。
こうした経験は、大学院で研究を進める学生にとって非常に大きな学びになります。
実際の政策形成の現場ではどのような議論が行われているのか、制度改革にはどのような課題があるのかを、現場感覚を持ちながら学ぶことができるからです。
研究と実務の両面で高く評価される実績
山田教授は研究者としても高い評価を受けています。
代表的な著書には『高齢者就業の経済学』や『最低生活保障と社会扶助基準』などがあります。
これらの研究は、高齢者雇用や生活保護制度といった、日本社会が直面する重要課題を扱ったものです。
また、「日経経済図書文化賞」や「医療経済研究年間優秀賞」など、数々の学術賞も受賞しています。
研究成果が学術界だけでなく、実際の政策形成にも大きな影響を与えている点は、山田教授の大きな強みといえるでしょう。
大学院で学ぶなら「領域Ⅲ」への理解が重要
慶應義塾大学大学院経済学研究科では、研究テーマがいくつかの領域に分類されています。
山田教授の研究室は、その中でも「領域Ⅲ:産業・労働、制度・政策」に位置づけられます。
そのため、研究室を志望する場合には、労働市場や社会保障制度への関心が不可欠です。
例えば、以下のようなテーマが考えられます。
高齢者雇用のあり方、最低賃金制度の影響、生活保護制度の課題、年金制度の持続可能性、非正規雇用の増加と社会保障の関係などです。
重要なのは、「制度がなんとなく不安だから研究したい」という感覚ではなく、データや経済学の分析手法を用いて客観的に課題を解明しようとする姿勢です。
社会問題を感情論ではなく、エビデンスに基づいて考える姿勢が求められます。
研究計画書で意識したいポイント
山田教授の研究室を志望する場合、研究計画書では社会保障や労働市場に関する具体的な課題意識を明確に示すことが重要です。
まず、自身の研究テーマが「産業・労働」「制度・政策」とどのようにつながるのかを説明しましょう。
そのうえで、高齢者就業、年金、生活保護、貧困問題など、社会保障制度の持続可能性に関わる現実的なテーマを設定すると説得力が高まります。
また、研究によって得られた成果がどのように政策立案や制度改善に役立つのかまで考えられると、より評価されやすくなります。
単なる問題提起で終わるのではなく、「研究成果を社会にどう還元するのか」という視点を持つことが大切です。
まとめ
山田篤裕教授は、社会保障論・社会政策論・労働経済学の第一人者であり、研究と政策実務の両面で豊富な経験を持つ研究者です。
少子高齢化が進む日本において、社会保障制度をどのように維持し改革していくのかという課題は、今後ますます重要になります。
山田教授の研究室では、そうした課題を感覚や印象ではなく、経済学的な分析を通じて理解し、現実的な解決策を考える力を養うことができます。
「社会保障の未来を支える研究がしたい」「政策立案に役立つ分析力を身につけたい」という方にとって、非常に魅力的な研究環境といえるでしょう。
志望を考えている方は、山田教授の著書や論文を読み込み、自分自身が解決したい社会課題を明確にしたうえで研究計画書の作成に取り組んでみてください。
※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。研究内容や所属、入試制度等は変更される可能性があります。出願を検討される際は、必ず慶應義塾大学および各研究科の公式サイトで最新情報をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


