慶應SFC「リーガル・プラクティス」プロジェクト対策!社会実装を提案する研究計画書の書き方

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今回のテーマは「慶應SFC『リーガル・プラクティス』プロジェクト対策!社会実装を提案する研究計画書の書き方」です。

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科、いわゆるSFC大学院の入試では、研究計画書であるプロポーザルと面接が合否を大きく左右します。特に「リーガル・プラクティス」に関心がある受験生は、法律や判例に関する知識を示すだけでなく、現代社会で起きている法的な課題を発見し、具体的な解決策として提案する力が求められます。

AI、自動運転、ドローン、スタートアップ、オンラインサービスなど、新しい技術や事業が次々と生まれる一方で、法整備や支援体制が追いついていない分野も少なくありません。また、法律上は権利が認められていても、費用や情報不足によって必要な支援へたどり着けない人もいます。

この記事では、「リーガル・プラクティス」を志望する受験生に向けて、SFCらしい研究テーマの作り方と、社会実装までを見据えたプロポーザル、面接で伝えたいポイントを分かりやすく整理します。


リーガル・プラクティスで求められるのは、法律を現場で機能させる視点

一般的な法学系大学院では、法律の条文、判例、法理論、制度の歴史などを丁寧に研究することが中心になる場合があります。もちろん、こうした法学の基礎は欠かせません。

一方で、SFCの「リーガル・プラクティス」では、法律を理解するだけでなく、それが現場でどのように使われ、どのような課題が残っているのかを捉える姿勢が重視されます。

例えば、法的な支援を必要としている人が専門家へ相談できない問題、新しい技術に対する責任の所在が明確でない問題、スタートアップが必要な法務支援を受けにくい問題などが考えられます。制度が存在していても、利用しにくければ十分に機能しているとはいえません。

そのため、プロポーザルでは「〇〇法について研究したい」と書くだけでは不十分です。誰が、どのような場面で困っているのか、既存の法律や支援の仕組みではなぜ解決できないのかを具体的に示す必要があります。


合格するプロポーザルに必要な3つの視点

社会の変化から具体的なイシューを設定する

SFCのプロポーザルでは、自分自身で課題を発見し、研究として提案する姿勢が重視されます。法律分野の大きなテーマをそのまま扱うのではなく、対象者、技術、利用場面、制度上の問題を絞り込むことが大切です。

例えば、「リーガルテックを研究したい」というテーマだけでは、研究の目的が見えにくくなります。一方で、「低所得者や地方在住者が初期の法律相談へアクセスしにくい課題を調査し、AIを活用した相談案内システムの有効性と限界を検証する」とすれば、対象、課題、方法、社会的意義が明確になります。

また、「自動運転の法制度を研究したい」という場合も、「自動運転車による事故が発生した際、運転者、メーカー、システム提供者の責任をどのように分担すべきかを検討する」と具体化すると、現代的な課題として伝わりやすくなります。

法学と異分野を組み合わせる

リーガル・プラクティスを研究する際は、法学だけでなく、情報科学、データ分析、経営学、公共政策、社会学、デザイン、心理学などを組み合わせることができます。

例えば、法律相談サービスを研究する場合は、法制度の分析に加えて、利用者が相談をためらう心理、情報の伝わりやすさ、システムの操作性、個人情報の保護まで検討する必要があります。

スタートアップ支援を扱う場合は、会社法や知的財産法だけでなく、事業の成長段階、資金調達、契約実務、組織運営などの視点も欠かせません。AIを利用したサービスであれば、精度や説明可能性、誤回答が生じた場合の責任についても考える必要があります。

大切なのは、異分野の要素を加えること自体ではありません。自分が発見した法的課題を解決するために、なぜその技術や分野が必要なのかを明確に説明することが重要です。

社会実装までの検証方法を描く

SFCでは、制度やサービスを提案して論文にまとめるだけでなく、現場の意見を取り入れながら実現可能性を検証する姿勢が重視されます。

プロポーザルには、どの現場で調査するのか、誰にヒアリングするのか、どのような仕組みを試すのかを具体的に書きましょう。法律事務所、企業、自治体、NPO、支援機関、サービス利用者など、研究テーマに応じた関係者を想定することが大切です。

例えば、法的な情報提供サービスを提案する場合は、利用者や専門家への聞き取りを行ったうえで、案内画面や相談フローのプロトタイプを作り、分かりやすさや安全性を検証する方法があります。

また、新しいガイドラインを提案する場合は、企業や行政、専門家に意見を求め、実務上の負担や問題点を確認することも必要です。理想的な制度を示すだけでなく、誰が運営し、費用をどう負担し、どのようなリスクがあるのかまで考えることで、プロポーザルの説得力が高まります。


面接では研究の実現可能性を説明する

書類審査を通過した後の面接では、「なぜその課題なのか」「なぜリーガル・プラクティスなのか」「なぜSFCで研究する必要があるのか」が問われます。

面接では、自分の提案に対する反対意見や課題も想定しておきましょう。例えば、AIによる法律相談で誤った案内が出た場合に誰が責任を負うのか、サービスを使えない人が新たに取り残されないか、個人情報をどのように守るのかといった点です。

自分の研究テーマとアカデミックプロジェクトの問題意識がどのようにつながるのかも整理しておく必要があります。ただ参加したいと伝えるだけでなく、これまでの経験や専門性をチームにどう持ち込み、どのような研究に貢献したいのかまで語ることが大切です。

また、行政、企業、NPOなどと協働して制度やサービスの実現を目指す場合は、社会イノベーションや政策形成に関する学びを研究計画と結び付けることもできます。海外の法制度と比較したい場合は、国際的な学修環境や海外大学との交流を活用する構想も考えられます。

フィールドワークやプロトタイプ開発、海外での調査や研究発表を考えている場合は、研究支援制度の活用も視野に入ります。ただし、制度名を並べるだけではなく、何を実施し、どのような成果につなげたいのかまで具体的に説明しましょう。


まとめ

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科の「リーガル・プラクティス」では、法律を正しく理解する力だけでなく、現代社会にある法的課題を発見し、実際に利用できる制度やサービスへ落とし込む力が求められます。

合格につながるプロポーザルを作るためには、対象者や利用場面を絞った具体的なイシュー設定、法学と情報技術などを組み合わせる分野融合の視点、そして現場での検証と改善までを含めた社会実装の計画を一貫して示すことが重要です。

自分自身が社会の中で感じた法的な疑問や不便を出発点にしながら、SFCだからこそ実現できる研究計画を丁寧に組み立てていきましょう。法律や法的支援を、必要とする人へどのように届けたいのかを自分の言葉で伝えることが、説得力のあるプロポーザルへの第一歩になります。


※入試制度や募集要項、研究領域、アカデミックプロジェクト、教員情報、各種制度の内容は変更される場合があります。出願前には必ず慶應義塾大学大学院の公式サイトおよび最新の募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。