研究計画を教員に魅力的に伝えるプレゼン術|慶應SDM面接で差がつく話し方

院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。

今回のテーマは「研究計画を教員に魅力的に伝えるプレゼン術|慶應SDM面接で差がつく話し方」です。


慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科、通称慶應SDMの2次選考では、出願時に提出した研究計画や志望理由について、教員へ口頭で説明する場面が想定されます。

研究計画書では十分に説明できていた内容でも、面接で話すとなると、うまくまとめられない方は少なくありません。背景から順番に長く話してしまったり、専門用語が多くなったりすると、研究の目的や面白さが伝わりにくくなります。

面接で重要なのは、話を大きく見せることではありません。自分がどのような課題に関心を持ち、何を研究し、どのような価値を生み出したいのかを、限られた時間の中で分かりやすく伝えることです。

この記事では、慶應SDMの面接に向けて、研究計画を簡潔かつ魅力的に伝えるための構成や話し方、質疑応答への備え方を解説します。


研究計画書を最初から読み上げない

口頭説明で避けたいのが、提出した研究計画書を最初から順番に読み上げることです。

文章として読む場合と、耳で聞く場合では、理解しやすい構成が異なります。長い背景説明が続くと、面接官は研究の中心がどこにあるのかをつかみにくくなります。

最初に研究テーマと目的を伝え、その後に背景、方法、期待される成果を説明しましょう。

例えば、「私の研究テーマは、地域医療における情報共有の課題を明らかにし、医療機関と自治体が連携できる仕組みを検討することです」と結論から始めます。

冒頭で研究の全体像を示すことで、その後の説明を理解してもらいやすくなります。


説明は「課題・目的・方法・成果」で組み立てる

研究計画の口頭説明は、課題、研究目的、研究方法、期待される成果という流れで整理すると伝わりやすくなります。

最初に、誰がどのような問題を抱えているのかを説明します。次に、その問題について研究を通じて何を明らかにしたいのかを示します。

続いて、インタビュー、アンケート、事例分析、データ分析など、どのような方法で研究するのかを説明します。

最後に、研究によってどのような知見が得られ、社会や現場へどのように活用できるのかをまとめます。

この四つの要素を一分程度で説明できるようにしておくと、面接の冒頭でも落ち着いて話し始められます。


背景説明は必要な情報に絞る

研究テーマへの思いが強いほど、業界の状況やこれまでの経緯を詳しく説明したくなるものです。

しかし、面接時間には限りがあります。統計データや制度の歴史を長く説明すると、自分が本当に研究したいことへ到達する前に時間を使い切ってしまいます。

背景では、現在どのような問題があり、なぜ既存の対応では十分でないのかが分かれば十分です。

詳しい情報は、面接官から質問されたときに補足できるよう準備しておきましょう。


なぜ慶應SDMで研究するのかを示す

研究テーマの説明では、課題の内容だけでなく、なぜ慶應SDMで取り組みたいのかも伝える必要があります。

例えば、技術開発だけではなく、利用者、組織、制度、費用などを含めた仕組み全体を研究したいのであれば、その点を明確にします。

「システム思考やデザイン思考を学びたい」と言うだけではなく、自分の研究のどの部分に必要なのかを具体的に説明しましょう。

「関係者間の利害や情報の流れを整理し、現場への導入を妨げる要因を明らかにしたい」「利用者への聞き取りを通じてニーズを把握し、試行と改善を重ねたい」と説明すると、研究方法とのつながりが伝わります。


専門用語は相手に伝わる言葉へ置き換える

研究内容を正確に説明しようとして、専門用語が多くなることがあります。しかし、面接官全員が自分と同じ専門分野であるとは限りません。

専門用語を使う場合は、短い説明を添えましょう。また、一般的な言葉に置き換えられる部分は、できるだけ簡潔な表現を選びます。

専門的な内容を分かりやすく伝えられることは、研究への理解が深いことの表れでもあります。

自分の家族や友人など、研究分野を知らない人に説明し、内容を理解できるか確認してもらう方法も有効です。


一分版と三分版を用意する

面接で研究計画を説明する時間がどの程度与えられるかは、当日の指示によって異なる可能性があります。

そのため、一分程度で説明する短い版と、三分程度で説明する詳しい版の両方を用意しておきましょう。

一分版では、研究テーマ、問題意識、目的、成果を中心にします。三分版では、研究方法や慶應SDMで学ぶ理由まで加えます。

長い説明を無理に短縮するのではなく、最初から時間別に構成を作っておくと、本番で調整しやすくなります。


話す速度と間を意識する

緊張すると、普段よりも早口になりやすくなります。早く話せば多くの情報を伝えられるように感じますが、聞き手が理解できなければ意味がありません。

普段より少しゆっくり話し、研究テーマや結論など重要な部分の前後では、短い間を取りましょう。

語尾まで明確に話し、声が小さくならないように意識します。ただし、必要以上に大きな声を出したり、演説のように話したりする必要はありません。

落ち着いて相手の反応を見ながら話すことで、対話しやすい印象になります。


原稿を丸暗記しない

研究計画の説明文を作成することは大切ですが、一字一句を暗記するのはおすすめできません。

暗記した文章は、一部を忘れたときに続きが出てこなくなったり、面接官から途中で質問されたときに対応しにくくなったりします。

課題、目的、方法、成果などの要点を覚え、それぞれを自分の言葉で説明する練習をしましょう。

話す順番を示した短いメモを作り、原稿を見なくても説明できる状態を目指してください。


図表は使用できる場合に限って準備する

研究対象となる関係者や要素が多い場合は、図にすると理解しやすくなることがあります。

例えば、利用者、企業、行政、技術の関係を示す図や、現在の問題構造と研究後に目指す仕組みを比較する図が考えられます。

ただし、面接で補足資料の持ち込みや画面共有が認められるとは限りません。資料を使用したい場合は、最新の入学試験要項や研究科からの案内を必ず確認してください。

資料が使えない場合でも説明できるよう、図に頼りすぎない準備が必要です。


質疑応答では質問に直接答える

研究計画の説明後は、面接官から内容を深掘りされる可能性があります。

質問を受けたら、最初に結論を述べ、その後に理由を説明しましょう。質問と関係のない背景から話し始めると、回答が長くなります。

質問の意味が分からない場合は、無理に答えず、「〇〇という意味でよろしいでしょうか」と確認します。

研究方法や実現可能性について厳しく聞かれても、否定されたと受け取る必要はありません。指摘を踏まえて考えを修正できる柔軟性も、大学院で研究を進める上では重要です。


分からないことを知っているふりをしない

面接で想定していなかった質問を受けることもあります。

分からない場合に、曖昧な知識で答えを作ると、さらに矛盾を指摘される可能性があります。

「現時点では十分に検討できていません」と認めた上で、「今後は〇〇の文献や事例を確認し、研究方法を検討したい」と答えましょう。

知らないことを認めながら、今後どのように調べるかを示す方が、誠実な印象につながります。


提出書類と口頭説明の一貫性を確認する

面接官は、研究計画書や志望理由書などの提出書類を確認しながら質問する可能性があります。

提出後に考えが深まり、研究方法などを修正することはありますが、書類と面接で研究の目的が全く異なる状態は避けましょう。

変更した点がある場合は、何をきっかけに考えが変わったのかを説明できるようにします。

また、慶應SDMでは出願前に教員との事前コンタクトが必要であり、申込み内容は専任教員全員に共有されます。事前コンタクト、提出書類、面接での説明に一貫した軸があるかを確認してください。


録音や模擬面接で改善する

頭の中で説明できていても、実際に声に出すと長くなったり、同じ表現を繰り返したりすることがあります。

スマートフォンなどで録音し、研究テーマが冒頭で伝わっているか、専門用語が多すぎないか、時間内に収まっているかを確認しましょう。

可能であれば、第三者に面接官役を依頼し、研究方法や社会的意義について質問してもらいます。

聞き手が理解できなかった部分を確認し、説明を修正することで、より伝わりやすいプレゼンになります。


2次選考の日程も早めに確保する

慶應SDMの2次選考の試験時間は、1次選考の合格発表時に研究科から指定されます。受験生の希望による時間変更や調整は行われません。

そのため、2次選考日は終日予定を空け、仕事やほかの用事を入れないようにしましょう。

また、各期の出願締切日から2次選考の合格発表までは、事前コンタクト申込みフォームが閉鎖されます。面接直前に教員へ研究内容を相談することはできません。

手元にある提出書類や事前コンタクトの記録をもとに、自分自身で説明を整理して本番へ臨む必要があります。


まとめ

慶應SDMの面接で研究計画を魅力的に伝えるためには、研究計画書をそのまま読み上げるのではなく、聞き手に伝わる形へ再構成する必要があります。

冒頭で研究テーマと目的を示し、課題、方法、期待される成果の順番で簡潔に説明しましょう。

専門用語は必要最小限にとどめ、なぜ慶應SDMで研究する必要があるのかを具体的に伝えることが大切です。

一分版と三分版を準備し、録音や模擬面接を通じて、話す速度や分かりにくい表現を改善してください。

面接は一方的に発表する場ではなく、研究計画について教員と対話する場です。質問を落ち着いて受け止め、自分の考えを分かりやすく伝えられるよう、繰り返し練習しましょう。


注意事項:本記事は、慶應SDMの2次選考に向けた一般的な研究計画の口頭説明や面接対策を含めて作成しています。研究計画のプレゼンテーション実施の有無、説明時間、補足資料や図表の使用可否、面接形式、質問内容、試験時間、実施方法などは年度や入試区分によって変更される場合があります。受験準備を進める際は、必ず慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の公式サイト、最新の入学試験要項および1次選考合格後に通知される案内をご確認ください。

志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、 無料相談 にお気軽にお申し込みください。


※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。