【教員紹介】金貞銀(Jungeun Elly Kim)助教|韓国政府研究機関から起業家支援へ、国際ビジネスの専門家

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今回のテーマは「【教員紹介】金貞銀(Jungeun Elly Kim)助教|韓国政府研究機関から起業家支援へ、国際ビジネスの専門家」です。

KMD(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)教員紹介シリーズの第19回では、韓国の政府系研究機関での政策研究と、企業経営・コンサルティングの実務経験を持つ金貞銀(Jungeun Elly Kim)助教を紹介します。

金助教の特徴は、国際ビジネスや経営戦略を理論として研究するだけでなく、産業政策、企業経営、起業家支援といった異なる立場を経験してきた点です。スタートアップや新規事業に関心のある受験生にとって、新しいアイデアをどのように事業へつなげるのか、さらにその事業を取り巻く政策や制度をどう考えるのかという視点を学ぶ上で参考になる研究者です。


金貞銀助教はどのような研究者なのか

金貞銀助教の専門分野は、国際ビジネス、経営戦略論、起業家活動、スタートアップ戦略です。オーストラリアのシドニー大学で国際関係学を学び学士号を取得した後、韓国のソウル大学国際大学院で修士課程・博士課程を修了し、国際学博士の学位を取得しました。

オーストラリアと韓国という異なる国で学んできた経歴からも、国際的な経済やビジネスを考える上で複数の視点を持っていることが分かります。企業の経営だけを見るのではなく、国家の政策や産業構造、国ごとのビジネス環境なども含めて考えることが、金助教の研究領域につながっています。

国際ビジネスを研究する場合、単に海外市場へ進出する方法を考えるだけでは十分ではありません。国によって法律や政策、産業構造、企業文化、消費者の価値観は異なります。そうした違いを理解した上で、企業がどのように意思決定するのかを捉えることが必要になります。


政府系研究機関で経済・産業政策を研究

金助教は、韓国の保健産業振興院や租税財政研究院などの政府系研究機関で、経済・産業政策に関する研究に携わってきました。

政府系研究機関では、個別企業の利益だけではなく、産業全体や国の経済をどのように発展させるかという視点が求められます。新しい産業を育成するにはどのような政策が必要なのか、企業活動を促進するためにどのような制度が必要なのかといった、社会全体を視野に入れた問題を扱います。

その後は、韓国の中央大学や高麗大学のエグゼクティブプログラムで、日本型経営やオンラインマーケティング戦略についても学びました。さらに、GDM ConsultingやBiotech Holdingsなどの企業で役員を務めるなど、政策を研究する立場から、企業経営やコンサルティングの現場へと活動の幅を広げています。

政策を考える側と企業を経営する側では、同じ産業を見ても課題の捉え方が異なります。金助教はその両方を経験しているため、制度と企業行動を切り離さずに考えられる点が特徴です。


起業家活動とスタートアップ戦略を研究する

金助教の専門領域である起業家活動やスタートアップ戦略では、新しい企業がどのように生まれ、成長していくのかを考えます。

優れたアイデアがあれば必ず事業として成功するわけではありません。誰にどのような価値を提供するのか、競合と何が異なるのか、どのように収益を得るのか、事業を継続するための資金や人材をどう確保するのかなど、多くの課題があります。

さらに、スタートアップを取り巻く環境は、国や地域によって異なります。起業支援制度、投資環境、規制、税制、人材市場などが、新しい企業の成長に影響することがあります。

金助教のキャリアは、こうした企業側の意思決定というミクロな視点と、産業政策というマクロな視点を行き来してきたものです。そのため、スタートアップそのものだけでなく、それを支える社会の仕組みまで含めて研究できることが強みといえます。


国際ビジネスと日本型経営を比較して考える

金助教は韓国で研究や実務を重ねる一方、日本型経営についても学んできました。国際ビジネスを考える上では、それぞれの国の企業文化や経営スタイルを比較する視点が重要です。

たとえば、企業内での意思決定の速さ、雇用に対する考え方、取引先との関係、組織内のコミュニケーションなどは、国や企業によって異なります。海外で成功した事業の方法をそのまま日本へ持ち込んでも、同じ結果になるとは限りません。

反対に、日本で成立している経営方法が、海外市場でも同様に機能するとは限りません。国際ビジネスでは、どの要素が共通し、どの部分を現地に合わせる必要があるのかを考えることが求められます。

KMDには異なる国籍や専門分野を持つ人が集まるため、こうした国際比較の視点は、ビジネス分野だけでなく、サービスやメディアを海外へ展開する研究にもつながります。


受験生はアイデアを事業として具体化する視点を持つ

金助教の研究に関心がある受験生は、「起業したい」「スタートアップを研究したい」という段階から、自分が解決したい問題を具体化することが重要です。

たとえば、新しい教育サービスを考えている場合、サービスの内容だけでなく、誰が料金を支払うのか、既存のサービスと何が違うのか、どのように利用者を増やすのかまで考える必要があります。また、新しいテクノロジーを使った事業であれば、規制や行政制度が普及の妨げになる可能性もあります。

研究計画では、新規事業そのものを提案するだけでなく、なぜその事業が必要なのか、現在の市場や制度にはどのような課題があるのか、どのような方法で検証したいのかを整理することが大切です。

社会人受験生であれば、自分がこれまで働いてきた業界で感じた問題を研究テーマにつなげることもできます。営業、商品企画、マーケティング、経営企画などの経験から、企業が新しい事業を生み出す際の課題を見つけることも可能です。

志望理由や面接では、KMDで考えたアイデアを研究だけで終わらせず、社会の中でどのように継続可能な形へつなげたいのかまで考えておくと、自分の目的を説明しやすくなります。


まとめ

金貞銀助教は、韓国の政府系研究機関での経済・産業政策研究と、企業経営・コンサルティングの実務経験を持ち、国際ビジネス、経営戦略、起業家活動、スタートアップ戦略を研究する研究者です。

政策という社会全体を見る視点と、企業や起業家が行う意思決定を見る視点を併せ持っていることが大きな特徴です。また、オーストラリアや韓国での学び、日本型経営への理解など、国際比較の観点からビジネスを考えられる点も注目できます。

KMDへの進学を検討している方で、スタートアップ、新規事業、国際ビジネス、産業政策などに関心がある場合は、自分のアイデアを「どのように社会で継続できる事業にするのか」という視点から考えてみてください。市場、制度、利用者、収益など複数の観点を整理することが、研究計画や志望理由、面接の準備にもつながります。


※本記事は記事作成時点の情報をもとに作成しています。入試制度、出願資格、提出書類、カリキュラム、教員の所属・役職・研究内容などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず慶應義塾大学および慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の公式サイト、最新の入学試験要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。