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今回のテーマは「松田一茂准教授(マクロ経済学・労働経済学)の研究室と「人的資本から格差と成長のリアルを解き明かす力」」です。

慶應義塾大学大学院への進学を目指している皆さん。「マクロ経済学」と聞くと、GDPやインフレ率、失業率といった数字を扱う学問というイメージを持つ方も多いかもしれません。

しかし実際には、私たち一人ひとりの働き方や学び方、将来のキャリア、さらには教育格差や所得格差といった身近な問題も、マクロ経済学の重要な研究対象です。

こうした人々の生活に直結するテーマを、最先端の経済学モデルとデータ分析によって研究しているのが、慶應義塾大学経済学部・大学院経済学研究科の松田一茂准教授です。

本記事では、マクロ経済学と労働経済学を専門とする松田准教授の研究内容や研究室の特徴、そして大学院受験生が研究計画書を作成する際のポイントについて解説します。


人々の暮らしからマクロ経済を考える研究者

松田准教授の専門分野は、マクロ経済学と労働経済学です。

一般的にマクロ経済学は国家全体の経済活動を分析する学問として知られています。しかし松田准教授は、経済を数字だけで捉えるのではなく、その背後にいる人々の姿に注目しています。

例えば、同じ社会に暮らしていても、安定した仕事に就いている人もいれば、将来に不安を抱えながら働いている人もいます。教育機会に恵まれる人もいれば、十分な学習環境を得られない人もいます。

こうした人々の違いが積み重なることで、経済全体の成長や格差の構造が形作られていきます。

松田准教授は、このような現実社会の多様性を経済学のモデルに組み込みながら、より現実に近い経済分析を行っています。


人的資本と教育制度を研究する

松田准教授の研究で特に重要なキーワードとなるのが「人的資本」です。

人的資本とは、個人が持つ知識やスキル、経験、能力などを指します。

経済成長を考える上で、工場や機械といった物的資本だけでなく、人々がどのような能力を身につけているのかが非常に重要になります。

そのため松田准教授は、教育制度や大学の役割についても積極的に研究しています。

大学への進学機会、授業料、奨学金制度、研究活動への投資などが、人々の将来所得や経済全体にどのような影響を与えるのかを分析しています。

単に教育が大切だという一般論ではなく、具体的なデータと理論モデルを用いて、その効果を定量的に評価している点が大きな特徴です。


異質性を重視した最先端のマクロモデル

近年のマクロ経済学では、人々をすべて同じ存在として扱うのではなく、一人ひとりの違いを考慮した分析が重要視されています。

これを経済学では「異質性」と呼びます。

例えば、所得が高い人と低い人では消費行動が異なりますし、教育機会や就業機会にも違いがあります。

松田准教授は、この異質性を組み込んだマクロモデルを活用し、格差や世代間移動、教育政策の効果などを分析しています。

現実社会の複雑さを反映したモデルを用いることで、従来の分析では見えなかった課題や政策効果を明らかにできるのです。


プリンストン大学で培われた世界水準の研究力

松田准教授は東京大学経済学部を卒業後、アメリカの名門プリンストン大学で経済学博士号(Ph.D.)を取得しています。

その後、一橋大学や神戸大学で研究・教育活動を行い、2023年に慶應義塾大学へ着任しました。

プリンストン大学は世界最高峰の経済学研究機関の一つとして知られており、世界中から優秀な研究者が集まります。

その環境で培われた理論的な分析力と国際的な視点は、松田准教授の研究の大きな強みとなっています。

海外の最先端研究と日本社会が抱える課題を結びつけながら研究を進めている点も魅力の一つです。


「答えのない問題」に向き合う姿勢

松田准教授は、大学で学ぶ意義について「答えのない問題に向き合うこと」だと語っています。

大学受験までは正解のある問題を解く機会が多いですが、大学院で扱う研究テーマには決まった答えが存在しません。

教育格差をどう改善するべきか。

どのような奨学金制度が望ましいのか。

労働市場の課題にどう向き合うべきか。

こうしたテーマには唯一の正解はありません。

だからこそ、自ら問いを立て、理論とデータを使いながら考え抜く力が求められます。

この経験そのものが、自身の人的資本を高めることにつながるのです。


研究計画書で意識したいポイント

松田准教授の研究室を志望する場合、研究計画書ではマクロ経済学や労働経済学への関心を明確に示すことが重要です。

特に、教育、人的資本、所得格差、世代間格差、労働市場などのテーマとの親和性が高いでしょう。

また、「なぜその問題が発生しているのか」を説明するだけでなく、「どのような政策が有効なのか」を分析する視点も重要です。

さらに、データ分析や数量的な評価をどのように行うのかについても具体的に示せると説得力が増します。

単なる問題提起ではなく、理論とデータを活用して課題解決に貢献したいという姿勢を示すことが大切です。


マクロ経済学を通じて社会をより良くする

松田准教授の研究は、経済学を通じて人々の暮らしをより良くすることを目指しています。

教育機会の拡大や人的資本の形成、労働市場の改善は、個人の人生だけでなく社会全体の成長にも大きく関わります。

だからこそ、マクロ経済学は単なる数字の学問ではなく、人々の未来を考える学問でもあります。

社会課題を理論とデータで分析し、より良い政策や制度を提案したい方にとって、松田准教授の研究室は非常に魅力的な環境と言えるでしょう。


まとめ

松田一茂准教授は、マクロ経済学と労働経済学を専門とし、人的資本や教育制度、格差問題などを研究している注目の研究者です。

異質性を組み込んだ最先端のマクロモデルを活用し、教育政策や労働政策が経済全体に与える影響を分析しています。

また、「答えのない問題」に挑戦することの重要性を伝え続けており、大学院で本格的な研究に取り組みたい受験生にとって多くの学びを得られる環境が整っています。

興味を持った方は、松田准教授の論文や研究内容を確認し、自身の研究テーマとの接点を探してみてください。


※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。研究内容や担当科目、入試制度等は変更される可能性があります。出願を検討される際は、必ず慶應義塾大学大学院の公式サイトをご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。