院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する
「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。

今回のテーマは
SDM研究科における『システム』と『研究』の正しい関係です。

SDM研究科を志望する方の多くが、
次の点でつまずきます。

  • システムを設計することが研究だと思ってしまう
  • 実装や構築の話が中心になってしまう
  • 「研究として何を見るのか」が曖昧になる

これは能力不足ではなく、
SDMという研究科の性質を誤解していることが原因です。


1. SDMでいう「システム」は研究目的ではない

まず大前提として、
SDM研究科における「システム」とは、

  • 作るべき完成物
  • 成果物のゴール

を意味していません。

SDMで扱うシステムは、

  • 問題を理解するための枠組み
  • 関係性を整理するための視点

つまり、研究の対象であると同時に、研究の手段でもあります。

システムを「作ること」自体が、
研究の目的になるわけではありません。


2. 「システム構築=研究」になってしまう危険性

SDM研究科で非常に多いのが、

  • 新しい仕組みを設計する
  • システムを導入する
  • プラットフォームを構築する

といった内容を、
そのまま研究計画として書いてしまうケースです。

この場合、

  • 実務的には意味がある
    一方で
  • 研究として何を検討するのかが見えない

と判断されやすくなります。

SDM研究科では、

  • 何を作るか
    ではなく
  • なぜその構造になるのか

を問う姿勢が求められます。


3. 研究として扱われる「システム」の位置づけ

研究として評価されるSDMの計画では、
システムは次のように位置づけられています。

  • システムは仮説の一部
  • システムはモデル
  • システムは検討対象

つまり、

  • この設計が
  • どのような前提に基づいており
  • どんな影響を及ぼすのか

を考察するための対象です。

完成度の高さよりも、
検討可能性が重視されます。


4. 「モデル化・抽象化」が研究になる理由

SDM研究科で評価される研究ほど、

  • 実装の話が少なく
  • モデル化・抽象化の話が多い

傾向があります。

なぜなら研究では、

  • 個別事例を
  • どこまで一般化できるか

が重要だからです。

具体的なシステムを扱う場合でも、

  • どの要素を抽象化するのか
  • どの関係性をモデルとして切り出すのか

が明確であれば、
それは立派な研究になります。


5. SDM研究科でよくあるNG設計パターン

ここで、特によくあるNGを整理しておきます。

  • 実装スケジュールが中心
  • 技術選定の妥当性だけを論じている
  • 成功前提で設計が進んでいる

これらはすべて、

  • 検討の余地がない
  • 研究として問いが立っていない

と見なされやすいパターンです。

SDMでは、
「うまくいく前提」は研究になりません。


6. 「研究」として成立するための視点

SDM研究科で研究として成立するためには、

  • システムを
  • 一度立ち止まって
  • 疑いの対象として扱う

必要があります。

たとえば、

  • この設計はどんな前提に立っているのか
  • どの条件が変わると成立しなくなるのか
  • 他の構造は考えられないのか

こうした問いが立っていれば、
システムは研究対象になります。


まとめ|SDMでは「作る」より「問い直す」が研究になる

システムデザイン・マネジメント研究科において、

  • システムは成果物
  • システムはゴール

ではありません。

それは、

問題の構造を理解し、
設計を問い直すための対象

です。

完成したシステムを示すよりも、
なぜその設計になるのかを考え続けているか。
この姿勢こそが、
SDM研究科で研究として評価される最大のポイントです。


志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、 無料相談 にお気軽にお申し込みください。


※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。