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今回のテーマは
メディアデザイン研究科で評価される研究テーマの作り方です。
メディアデザイン研究科を志望する方の多くが、
テーマ設定の段階で次のような壁にぶつかります。
- 作りたいものはあるが、研究テーマにならない
- 面白いと言われるが「弱い」と指摘される
- テーマが広すぎる/曖昧だと言われる
これは能力不足ではありません。
「作りたいもの」からそのまま研究テーマを作ろうとしている
ことが原因です。
1. 「作ってみたい」から始めると失敗しやすい理由
MD受験生に最も多いテーマの出発点は、
- こういう作品を作りたい
- こういう体験を実現したい
- この技術を使って表現したい
というものです。
しかし、この出発点のままテーマ化すると、
- 成果物の説明に終始する
- 研究として何を検討するのかが見えない
という状態になりやすくなります。
作品はテーマではなく、結果です。
2. 評価されるテーマは「違和感」から始まっている
メディアデザイン研究科で評価される研究テーマは、
ほぼ例外なく次の形を取っています。
- メディア的な現象に対する違和感
- 表現や技術の使われ方への疑問
- 社会との関係性への引っかかり
つまり、
- 何を作りたいか
ではなく - 何がうまく言語化されていないのか
から始まっています。
この違和感が、
研究テーマの核になります。
3. 技術テーマをそのまま出すと落ちやすい
次に多い失敗が、
- VR
- AI
- インタラクティブ
- データ可視化
といった技術名をテーマの中心に置くことです。
技術そのものは悪くありませんが、
- なぜその技術なのか
- その技術が、何を変えているのか
が説明できなければ、
技術紹介で終わるテーマになります。
評価されるテーマでは、
技術は常に「媒介」です。
4. 研究テーマは「問いの形」で作る
MDで評価される研究テーマは、
次のような形に落とし込まれています。
- ○○は、なぜ△△として機能しているのか
- ○○というメディアは、どのような前提を持っているのか
- ○○の表現は、どんな関係性を不可視化しているのか
このように、
- 作品名
- サービス名
ではなく、
問いの文として成立しているかが重要です。
5. テーマを絞るときの正しいスケール調整
「テーマが広すぎる」と言われる場合、
多くは次のような状態です。
- 社会全体を扱っている
- メディア文化全体を語ろうとしている
- 抽象度が高すぎる
この場合は、
- 対象を一つに絞る
- 現象を一場面に限定する
- 特定の関係性に焦点を当てる
ことで、研究として成立しやすくなります。
テーマの価値は、広さではなく深さで決まります。
6. 「作らない研究」でも問題ない
誤解されがちですが、
メディアデザイン研究科では、
- 必ず作品を作らなければならない
ということはありません。
重要なのは、
- その研究で
- 何を明らかにしようとしているのか
です。
作品制作はあくまで一つの方法であり、
研究テーマそのものではありません。
まとめ|MDの研究テーマは「表現」ではなく「問い」から作る
メディアデザイン研究科で評価される研究テーマは、
- 作りたいもの
- 使いたい技術
から直接生まれるものではありません。
評価されるのは、
メディア・表現・技術に対して、
どんな違和感を持ち、
それを研究としてどう問い直そうとしているか
という点です。
テーマがうまく定まらないと感じている場合、
「何を作るか」ではなく、
「何が気持ち悪いのか」「何が説明されていないのか」
に立ち戻ってみてください。
そこに、
メディアデザイン研究科で評価される
研究テーマの種があります。
志樹舎
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


