院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する
「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは
作品・アウトプットはどこまで必要かです。
メディアデザイン研究科を志望する方から、
非常に多く聞かれるのがこの質問です。
- 作品がないと不利になりますか
- ポートフォリオは必須ですか
- クオリティはどこまで求められますか
結論から言うと、
作品は「あると有利」でも「ないと不利」でもありません。
重要なのは、作品をどう位置づけているかです。
1. MD入試で作品が必須ではない理由
メディアデザイン研究科の入試は、
- 作品審査
- 制作オーディション
ではありません。
そのため、
- 完成度の高い作品
- デザインスキルの証明
が、そのまま評価に直結する仕組みではありません。
評価されているのは一貫して、
研究として何を問い、
そのために何を使おうとしているか
という点です。
2. 作品が「評価される」ケース
一方で、作品が評価にプラスに働くケースもあります。
それは次の条件を満たしている場合です。
- 研究テーマと明確につながっている
- 作品が「問いを検討するための装置」になっている
- 完成度よりも意図が説明できている
たとえば、
- この作品を通して何を確かめたいのか
- どの前提を問い直そうとしているのか
が説明できる場合、
作品は強力な補助材料になります。
3. 作品が「足を引っ張る」ケース
逆に、作品が評価を下げてしまうケースもあります。
- 作品の説明で時間を使いすぎる
- クオリティ勝負になってしまう
- 研究テーマとの関係が弱い
この場合、審査側には、
- 表現者としては魅力的
- しかし研究としては見えにくい
という印象が残りやすくなります。
作品が強いほど、研究が弱く見える
という逆転現象が起きることもあります。
4. 「完成作品」より「検討途中」の方が評価されることもある
メディアデザイン研究科では、
- 完成された作品
よりも - 検討途中のプロトタイプ
の方が評価されることがあります。
なぜなら、
- どこがまだ分かっていないのか
- どんな仮説で作っているのか
が見えやすいからです。
研究科が見ているのは、
- 上手に作れるか
ではなく - 考えながら作っているか
という点です。
5. ポートフォリオの正しい位置づけ
ポートフォリオについても、
考え方は同じです。
評価されるポートフォリオは、
- 実績の羅列
ではなく - 思考の履歴
になっています。
- なぜこの表現を選んだのか
- 何が課題だったのか
- 次に何を考えたのか
こうした説明がなければ、
単なる制作集になってしまいます。
6. 作品がない人はどうすればいいか
作品がないからといって、
不利になることはありません。
その場合は、
- 研究計画書で
- 問題設定と検討視点を
- より明確に示す
ことが重要になります。
「今は作品はないが、
この問いを検討するために、
こうしたアウトプットを想定している」
と説明できれば十分です。
まとめ|MD入試で作品は「目的」ではなく「手段」
メディアデザイン研究科の入試において、
- 作品があるか
- デザインが上手いか
は、合否の決定打ではありません。
評価されるのは、
その作品やアウトプットが、
研究の中でどんな役割を果たしているか
という点です。
作ることよりも、
なぜそれを使って考えるのか。
ここが言語化できていれば、
作品の有無や完成度は、本質的な問題ではありません。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


